透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

生まれ変わった信濃大町駅

2010-08-07 | A あれこれ



 今年の春から行われていた改築工事が終わって、すっかり雰囲気が変わった信濃大町駅。菱葺きのとんがり屋根のてっぺんに注目。空に向かって尖っている飾りがついている。

『路上探検隊 奥の細道をゆく』路上観察学会編/JCC出版局 に載っている藤森照信さんの解説によると、このような飾りは「フィニアル」と呼ばれ、ヨーロッパ中世のゴシック教会に起源を持つとのこと。天上の神さまに近づこうと垂直性を強調しているのだそうだ。

先端に何か飾らないと落ち着かないというのは、ヨーロッパでも日本でも同じようだ。

ところで、藤森さんによると、西洋館によくあるこの寄棟屋根の端部をカットしたような形を「ヒップ・ゲーブル」というのだそうだ。日本の民家のかぶと造りと同じ形だ。

かぶと造りは小屋裏部屋(養蚕に使われていた)に光を採りこみ、風を通すための工夫だが、西洋館の場合はどのような理由でヒップ・ゲーブルにしているのだろう・・・。