和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

サンキュー・レター

2024-12-14 | 手紙
年賀ハガキをどうしようか?
ここ数年、最近はちっとも書いておりません。
それでも頂けば、返事がてら書きなぐりを投函。


さて、庄野潤三の著作を数冊読んだだけなのですが、
読み継ぐことは、そっちのけで、あれこれ思います。

たとえば、手紙をテーマに、庄野作品を展望する。
あれこれと、読み齧りの思いつきはひろがります。

ということで、庄野潤三著「文学交友録」(新潮文庫)から、
坂西志保さんの箇所を引用したくなりました。

「『 庄野さん、アメリカで一年暮してみるお気持ちはありませんか 』
 といきなり訊かれた。それが始まりであった。・・・・ 」(p328)

吉行淳之介の箇所では、庄野氏ご自身をこう紹介しております。

「 いったい何をしゃべったのだろう。口の重い、
  社交性の乏しい私が、何をしゃべったのだろう。  」(p268)

これもあったからでしょうか。坂西志保さんは
アメリカへ出発する際に、ある注意をされておりました。
はい。そこを最後に引用することに。

「 ・・・アメリカで次の二つのことを守って下さいと
  坂西さんがいわれた。

  一つは約束の時間に決して遅れないこと。
  もう一つは、食事やお茶に招かれたとき、
  必ずサンキュー・レターを出すこと。
  短くてもいいから、すぐにお礼のことばを書いて
  出して下さいといわれた。

  坂西さんに教わった二つのことを
  私たちはアメリカ滞在中、守ったばかりでなく、
  帰国後もずっと実行した。

  また、子供らに、人に何かしてもらったときは、
  必ずお礼状を書くようにと教えた。
  三人の子供はみな結婚して家を離れたが、
  今でもこのお礼状をすぐに出すという習慣は
  身についているようだ。坂西さんに感謝したい。 」(p334~335)

お礼状とか、感謝とか、言い忘れたことを年賀状にしたためる。
そんな習慣が、いままで身近にありました。ここを読みながら、
ここらで私は、サンキュー・レターへと切り替え時だと思うわけです。
ということで、またしても12月は、年賀状を書かないだろうなあ(笑)。

コメント
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