私の事だから、興味はせいぜい一ヶ月。
庄野潤三の本を選ぶ楽しみ。
夏葉社の「庄野潤三の本 山の上の家」(2018年発行で2019年第三刷)。
この本の最後に「庄野潤三全著作案内」が載っています。
写真は少ないのですが、精選されたのだろうなあという貴重な写真が
載っています。うん。庄野潤三の本が好きなんだ。というのが、
凝縮されていて、それがさりげなく一冊にまとめられているという手応え。
さてっと、『 庄野潤三全著作案内 』をめくっていると、
私は、初期の作品よりも、後半の作品が好きなのだろうと、
自分の好みを教えられるような気がしてきました。
そうすると、初期から後期へどのような変遷をたどったのか、
きっかけが気になるわけですが、まあ、それはそのままにして、
とりあえず、著作案内から、古本を注文して、
それが届きはじめました。
庄野潤三著「ワシントンのうた」(文芸春秋・2007年)
庄野潤三著「小えびの群れ」(新潮社・昭和45年)
庄野潤三著「野菜讃歌」(講談社・1998年)
はい。ここは、『全著作案内』から、言葉をひろってみます。
『小えびの群れ』については、こうあります。
「ここではどうしたって『 星空と三人の兄弟 』について書きたい。
・・大半が『こわがることをおぼえようと旅に出た男の話』という
グリム童話の紹介と解説にあてられていること、八割以上が、
庄野潤三によるグリム童話の周到なリライトになっていて・・・ 」
はい。庄野潤三とグリム童話のつながりに惹かれて古本注文。
『 野菜讃歌 』についてはこうありました。
「 その日のテーブルになにが並んだかを書く、
『 おいしい。 』と書くことも忘れない。
それだけで、どういうわけか、こちらも食べたくなる。 」
「 小沼丹への追悼文や、おなじみの『 ラムの「エリア随筆」 』など。
また、・・・日本経済新聞に連載した『 私の履歴書 』が
収録されている。庄野潤三入門にも最適な一冊。 」
『 ワシントンのうた 』の案内のはじめはこうでした。
「 最後の連載。夫婦の日常ではなく、
『 これまでとり上げたことのない 』幼年時代から
『 夕べの雲 』のころまでを描く自伝。
『 文学交友録 』の文体とは異なり、
晩年の連作のスタイルで、ゆったりと描かれる。・・・ 」
『 知る人ぞ知る 』という作家の後半の作品だからか、
この古本の3冊は、いずれも初版が届きました。
はい。楽しみにして読みます。