武村雅之著「関東大震災」(鹿島出版会・2003年)をひらいて
気になった本が引用されていたので(p133~134)、この際古本で注文。
貝塚爽平著「富士山はなぜそこにあるのか」(丸善株式会社・平成2年)。
いろいろな短い文をまとめた一冊なので、気楽にひらきました。
題名にもなった文(p91~101)を、ひらいてみました。
そこの地図が印象深かった。
東北から西は淡路までが描かれた日本地図に、
日本海溝・伊豆小笠原海溝・相模トラフ・駿河トラフ
そしてフォッサマグナの線がひかれております。
一見印象深かったのが、
相模トラフ線の北側に帯状に塗りつぶされていたことです。
説明を見ると、「プレート境界の褶曲帯」とあります。
はい。その相模トラフの褶曲帯で塗りつぶされている箇所に、
安房が入っていること。それが印象的でした。
いそいで、「褶曲帯(しゅうきょくたい)」を検索しました。
褶曲は、「 地層の側方から大きな力が掛かった際に、
地層が曲がりくねるように変形する現象のこと 」とありました。
わかりやすい。つまりですね。
その相模トラフの褶曲帯の上に私は住んでいるのでした。
はい。相模トラフの線だけを知るのと、
相模トラフの褶曲帯の範囲を理解するのとは、私みたいな素人には、
直下型地震の理解の大いなる助けとなります。ただただありがたい。
「相模トラフ」と「駿河トラフ」については、こう説明されております。
「 この二つのトラフとそれにつづく南海トラフは
深さが4000メートル前後以下であるから、
日本海溝や伊豆小笠原海溝の深さにくらべると半ば以下しかない。
しかし、これらのトラフ沿いでは、
1946年南海地震、1923年関東地震など、
いわゆる巨大地震が繰り返しおこっている。
・・・・・これらのトラフは、浅いけれど
プレートの境界だと考えられる。 」(p95)
こうして、語り起されて、富士山に及ぶのですが、
もうすこし引用して終ります。
「こうみてくると、富士山は、
地球表層における最大級の境界であるプレートの境と、
島弧で最大級の弱線である火山フロントの交点に位置している。
このため、ここは、おそらく地下深くでできたマグマが
容易に地上に達しやすいのであろう。 」(p99~100)
よい地図と、よい説明をして頂いた気がしてきます。
はい。本はひらいてみるものですね。