和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

因果な「読めない」。

2019-12-26 | 京都
うん。今年は、京都についての安い古本を
意識して購入していた一年でした(笑)。

今は少子化で、しかも若い人は本を読まない。
しめしめ。よい古本が、しかも安く手に入る。
高齢化で自宅の本を泣く泣く手放す方もおられる。
こと古本購入に関しては、よい時代なのでしょうね。

来年は、古本のお宝がザクザクと・・・。
そんな楽しい初夢をみるのか。
もう十年ぐらいしたら、家にたまった古本を
処分する日がくるのかと、嫌な初夢になるのか(笑)。
うん。鬼さん笑っておくれ。

さて、今年は、12月24日で古本購入はおしまい。
そこから、京都関連本を2冊紹介。

秦恒平著「京のわる口」(平凡社ライブラリー文庫)。
単行本も、古本で買ってあったのですが、文庫も購入。
どちらも、200円なり(笑)。

さてっと、文庫本の解説は、酒井順子さん。
解説のはじまりを引用。

「20代後半から30代前半にかけて、やたらと
京都のことが好きになった時期がありました。
入り口は、名所旧跡、美味しい食べ物、
楽しいお買い物・・・といった魅力の数々。
しかし、一通り見たり食べたり買ったりした後、
さらに奥の方に引っぱられるような気がしたのは、
物や場所でなく、京都に住む人々の
精神のありようを、垣間みた時でした。
・・・」(p249)

うん。もっと引用したいのはやまやまですが、
それ、秦恒平さんの言葉も引用したい。
ということで、「単行本あとがき」から
秦さんの言葉を引用。

「人間の『ことば』で興味深いのは、
批評に用いるそれである。
人間とは批評する生きもの、
批評せずにはおれない生きもの、だからである。
ことに『わる口』をつかう人間は、
品性や倫理を問わないかぎり、
またその場かぎりのことにせよ、
奇妙に生き生きしている。」(p240)

真ん中をカットして

「京都は、好むと好まぬとにかかわらず、
久しく『日本』の皇都であった。
千年の長きにわたってそうであった。
否も応もなくその間の『京都』が『日本』に
及ぼした感化の力は莫大であった。
過ぎ去った昔のはなしでは、ない。
たとえば『京都』の人は分りにくくて
腹が読めないと大勢の日本人はボヤイているが、
その一方で『世界』が『日本』を指して、
分りにくく腹が読めないとナゲイているのも、
おそらく一連の因果なのであって、
 ・・・・・
愚劣であれ、その通りであるならば京都の
『ことば』は、その機能と素質は、もっと
もっと注目され理解されねばならない。・・」
(p241)

はい。本文は未読です(笑)。
つぎ。2冊目にいきます。

写真集でした。
浅野喜市「昭和の京都」(光村推古書院)。
題の脇に「回想昭和20~40年代」とある。
はい。古本で300円でした。
17.5センチ×15.5×2.5。と小さめですが、
ステキな写真集です。
「著者紹介」をひらくと、さまざまな
京都の写真集を出されている方なのでした。
大正3(1914)年京都下京区に生まれる。
とあります。息子さんによる『あとがきに代えて』は
こうはじまっておりました。

「父である浅野喜市は菓子職人で、生菓子を作り、
母が駄菓子屋を兼ねて、それを店販していた。
その頃の父は映画を見るのが好きで、映画を見た
帰りに現像処理が出来るカメラ付きの機材を
買った事が写真との出会いであった。
菓子作りを終えると・・・・・」(p238)


この写真集に昭和25年ごろからの祇園祭の
四条通の巡行が、何枚もあるのが私の目をひく。

そういえば、梅棹忠夫の
「モゴール族探検記」(岩波新書)と
「アフガニスタンの旅」(岩波写真文庫)とが
出たのは1956(昭和31)年でした。

岩波写真文庫「アフガニスタンの旅」を
ひらくと、監修・梅棹忠夫。写真・梅棹忠夫と
最初のページにあります。

アフガニスタンの旅の途上で
思い浮かべていた祇園祭の光景が
この浅野喜市の写真にあるのでした。
ということで、

「アフガニスタンの旅」(岩波写真文庫)と
「回想昭和20~40年代 昭和の京都」(光村推古書院)。
この2冊を並べて本棚にでもおきましょう。
ちなみに、梅棹忠夫は
1920(大正9)年京都市上京区生まれ。

今年後半、京都関連の古本を
ワクワクして毎週集めました。
来年、京都の古本のお宝が、
安く手に入りますように(笑)。
あれこれ結びつきますように。
鬼さん、笑っておくれ。










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