徒然草連続読みは、ガイドさんまかせで終了したことにします。
ところで、何か読み忘れた箇所はなかったかと振り返ることに。
うん。神道と吉田兼好のつながりがボンヤリしてる。
ここは、ガイド・島内裕子さんが『兼好とは誰か』で
語っているのでした。そこを取り出してくることに。
「少年期における兼好の精神形成に重要な役割を果たしたのは、
やはり神道の家柄に彼が生まれ育ったことであろう。
兼好は後年出家しているので、ややもすれば
仏教的な側面に力点が置かれがちであるが、
『徒然草』を読むと、ある特定の思想や宗教や人物の
決定的な影響というものは考え難い。・・・・
『徒然草』の基盤が儒教・仏教・老荘思想の融合にあることは、
すでに江戸時代から言われ続けていることであるが、彼の場合、
老荘思想の背景に神道があることは今まで等閑視されてきた。
ところが、当時の神道界の状況を見渡してみると、
鎌倉仏教の隆盛への対抗上、神道思想の著作が盛んに行われ、
その際に、抽象的な論理展開や表現の基盤として
老荘思想を援用することが多かった。
兼好の兄弟である慈遍が著した神道書
『旧事本紀玄義(くじほんぎげんぎ)』でも、
『老子』や『荘子』が引用されている。
『徒然草』で老荘思想が随所に顔を出すのは、
兼好が大人になってから自分の判断で学んだとも考えられるが、
神道の家に生育した彼が、少年期から自然と老荘思想に
親しんでいた知的環境も、見逃してはならない。・・ 」
( p110~111 『西行と兼好』ウェッジ選書 )
うん。どうやら、『神道の書』というのは、
老荘思想とのむすびつきの中にあるらしい。
グッと、老荘思想が身近に感じられてくる。
これなら、『老子・荘子』が楽しめるかも。
こちらへもコメントありがとうございます。
うん。何だか身近に老荘思想を、
読めそうな、そんな気がします。
またひとつ増える、読む楽しみ。