映画とライフデザイン

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インド映画「スーパー30 アーナンド先生の教室」

2022-10-01 19:57:47 | 映画(アジア)
インド映画「スーパー30」を映画館で観てきました。


「スーパー30 」はインド映画、貧しい境遇で育った勉強好きの子を無料で教える塾の教師の物語だ。目標はインド工科大学入試合格だ。中国映画少年の君では大学受験が題材になっていて現代中国受験事情がつかめた。ゼロを発見して古代から数学に強いインドはどうなんだろう。以前観たインドの数学の天才ラマヌジャンを描いた奇跡がくれた数式はおもしろかった。興味を持って映画館に向かう。

数学に長けて、英国のケンブリッジ大学から留学を認める通知がきたアーナンド(リティク・ローシャン)なのに、渡航して暮らす就学資金を懸命に用立てようと試みたが難しく断念する。

結局、インド工科大学を目指す高額所得者層の子弟が通う予備校の経営者ラッラン(アーディティヤ・シュリーワースタウ)に拾われ、たちまちカリスマ人気講師となる。ところが、勉強好きなのに金がなく進学を断念する少年を路上で見て、無料で学べる塾を始める。恵まれない子たちを選抜で30人に絞り、インド工科大学を目指して勉強を始めるのだ。

もといた進学塾からはクレームがつき、徹底的に妨害されても運営していたが、金欠では塾の運営もうまくいかない話の展開だ。


十分楽しめた。
実話に基づいているとはいえ、オーバーな表現も目立つ。バックの音楽はうるさいくらい奏でられるので、嫌な人もいるかもしれない。しかも、インド映画だけに上映時間が長いのが気になっていた。途中でインターミッションの表示も出ていた。それでも最後まで飽きなかった

いきなり、1.618のフィボナッチ数が出てきて、数学や物理の専門的な用語も出てくるかと思ったらそうでもない。歌に踊りのインド映画の中に、「王の子どもは王じゃない。王になるのは能力のある者だ」と金言を交えて生徒たちを教育する姿を描く。ただ、90年代から2000年代にかけてのインドが、同じ時期の中国と比べてあらゆる面でここまで遅れていて非常に貧しいのは意外だった。中国に比べて市場経済導入が遅れた。社会主義経済が主軸の国の危うさだろう。

⒈制度がない
奇跡がくれた数式ラマヌジャンは有名なインドが生んだ数学の天才ラマヌジャンの物語で、ラマヌジャンの天才ぶりが認められケンブリッジ大学の教授から招聘されて英国に向かう。これって今から100年前の1914年の話である。それなのに、アーナンドは20世紀の最後の話なのに行けない。父親の年金の前借りをした上に、文部大臣が数学の賞の表彰式で渡航費用を持つと言ったことを信じていく気になっていたのがオジャンだ。

どこへ陳情に行っても行っても「制度がない」の一言だ。奨学金とかの制度がないということなのか?悲劇だ。これが今から50年くらい前ならともかくインドってやっぱり貧しかったんだなあ。ラマヌジャンはカースト制のバラモン階級だったのでその違いか?


⒉スパルタ教育とインド工科大学
インド工科大学がすごいというのはいろんな本に書いてあるし、卒業生のGoogle CEOのサンダー・ピチャイなどがIT系のトップにいることも知っている。でもそれだけ。恥ずかしながら、インド工科大学がインド各地にいくつもの校舎があることは知らなかった。競争率50〜100倍というのは半端じゃない。そう簡単には入れないね。数学の入試問題を初めて見てみた。数Ⅲ程度の証明って感じだけど、ネットでわかる範囲では一部だし、何題をどれくらいの時間で解かねばならないのかわからないのでなんとも言えない。難しいのは確かだ。

まずは30人を選ばねばならないのにテストする。そこで振り落とすわけだ。次点の子が自分も入れてくれとお願いにきても、アーナンドは入れない「入試とは一点の差が大きい。甘くない。来年またきてくれ」という。


インド工科大学に入るために塾で講義するといっても、知恵の出し方を塾で教えているという印象を受ける。最後に向けて、インド工科大学の入試に行けないように妨害されて、頭を使って対抗する場面がある。福山雅治のガリレオシリーズの物理的な思考という感じを持った。本当にこんなことあったの?という感じも持ったがまあインド映画だし、いいでしょう。


歌って踊って大はしゃぎの場面もある。
インド人って普段の生活でもこんなことしているのかな?と思ってしまう。
コメント
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