映画とライフデザイン

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映画「午前4時にパリの夜は明ける」シャルロット・ゲンズブール

2023-05-03 20:29:03 | 映画(フランス映画 )
映画「午前4時にパリの夜は明ける」を映画館で観てきました。


映画「午前4時にパリの夜は明ける」は女優シャルロット・ゲンズブール主演で夫に去られてラジオの深夜放送のアシスタントをやることになった子持ちの女性を描いた作品だ。原題「Les passagers de la nuit(夜の乗客)」とは違う邦題だけど、「午前4時のパリ」という響きとラジオの深夜放送を題材にしていることで関心を持つ。1981年に自分はパリに行ったことがあるのでパリの街がどう描かれるのかも気になる。

1984年のパリ、専業主婦だったエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)のもとを夫が去り、娘と息子の2人を養うことになった。深夜放送「夜の乗客」のDJヴァンダ(エマニュエル・ベアール)のアシスタントに職を得たエリザベートは、番組で知り合った家出して外で寝泊まりする少女タルラを家に招き入れ一緒に暮らすようになる。独身に戻ったエリザベートの恋と息子とタルラがお互い惹きつけられることを中心にストーリーを描く。


期待したほどではなかった。
1980年代のパリ市内の映像がかなり組み込まれている。まだ携帯電話がない時代である。もともと建築規制の強いパリではずいぶんと古い建物も残っている。エリザベートが住むアパートメントや近隣の建物は80年代以前に作られたものなのであろう。息子と居候の少女が屋上にはしごで上がってパリの街を眺めるシーンがいい感じだ。この時代の空気感は映画では感じられる。


1981年のパリで、シャンゼリゼ通りから見る凱旋門の迫力がすごかったこと、映画「ファントマ」で一気に好きになったシトロエンがたくさん走っていたこと。(この映画では見当たらない。)タクシーの運転手にベトナム人が多かったこと。シャンゼリゼ通りのはずれの映画館大島渚「愛のコリーダ」の無修正版を見て、藤竜也のあそこを確認したこと。ムーランルージュで酔っ払いながら、ショーの前のダンスタイムで踊ったこと。フォーブルサントノレ通りでエルメス、ジバンシイ、シャネルのブランド品を買いあさったこと(今はしない)思い出した。

自分も70年代は随分と深夜放送を聞いたものだった。それなので,その要素が映画の中に盛り込まれているのではないかと想像していた。このDJ番組はリスナーが直接放送局に電話してDJと語り合う設定である。電話をアシスタントのエリザベートが受けるのである。一部そのシーンがあったが、あまり踏み込んで放送内容には突っ込まなかったのは残念だ。午前4時の空気感はあまりなかった。


夫に捨てられたエリザベートの生活は娘と息子を抱えて決して楽ではない。ラジオ局のアシスタントに加えて図書館でもバイトをする。ただこのエリザベートはかなり尻軽である。図書館でナンパされた男とその日のうちにすぐ寝たり,仕事のことでDJから怒られ落胆しているところをラジオ局の同僚に慰められるとすぐさまキスして抱き合ったりする。15禁となっているのは、シャルロット・ゲンズブールが何度もメイクラブするシーンがあるからだろう。でも、いい年してあまりの尻軽には、観ていてあまり気分がいいものではなかった。


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