映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」は1976年の松竹映画
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/29/5bc39328f523c4dd92cc3c493a5f2633.jpg)
今回のマドンナは京マチ子と檀ふみ、この2人が親子役というのもめずらしい組み合わせだ。美女を前にして渥美清はいつもながらのフラれっぷり。軽快な話しっぷりがここでもドタバタ劇を繰り広げる。
さくら(倍賞千恵子)の一人息子満男の担任教師、雅子先生(檀ふみ)が家庭訪問でとらやにきていた。ちょうどたまたま旅先から寅次郎(渥美清)が帰ってくるところだった。美人の先生をみて寅次郎はうっとり、近くに住んでいるという先生に送っていくとうるさい。息子の大事な先生を相手にでしゃばる寅次郎に対して博(前田吟)は怒る。
いつものようにけんかになって寅次郎はとらやを飛び出ていく。寅次郎は長野のお祭りでテキ屋の本業をしたあと、別所温泉に向かうのである。そこでかつて知り合った旅芸人坂東鶴八郎(吉田義夫)一座と再会し旅館で飲めや歌えやで大騒ぎ。挙句の果て翌朝勘定となったのに金がない。そして、さくらのもとに地元の警察から無銭飲食で拘留していると電話が入り、柴又から遠路長野まで引き取りに向かうことになる。さくらに大目玉を食らう。
さくらに引っ張って来られ、とらやに戻った寅次郎は、店先で雅子先生と、彼女の母親・柳生綾(京マチ子)と会う。柳生家はもともと華族の出の高貴な家柄であったが、病気がちの綾は長い間入院生活を送っていた。寅次郎やさくらの幼少時代を知っており再会を大いに喜ぶ。世間知らずの綾は気のいい寅次郎に好印象を持つ。そして、お互い意気投合して綾の家に何度も通い詰めるようになるのであるが。。。
渥美清の口上は冴えわたる。病魔襲うはるか昔のことだ。祭礼の一角で四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立ちションベン。といつもながらの軽快なフレーズだ。架空の世界だけど、こんな口上でいったいどれだけの人が買うんだろうかね?
1.京マチ子
もともとは爵位を持つ家のお嬢様で、戦後に復興成金と結婚したあとで、病気で長い間療養しているという設定である。こういう役は京マチ子というより原節子の十八番といった感じだ。 山田洋次監督も 「安城家の舞踏会」や「お嬢さん乾杯」を意識してプロフィルをつくったに違いない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/d6/68abcfc988ec1147984a04cbf9cf7f7f.jpg)
でも、これらの作品が出た1950年前後には京マチ子は高貴というのではなく売春婦も含めてまったく真逆な地位の女を演じていた。かなり長い間舞台にも出ていたが、さすがに高齢で生き尽きた。その彼女が死んだときは、山田洋次が追悼の文を出している。京マチ子は大映の専属だったので、松竹とはそんなに縁のないはずだ。それでも「息をのむような美しさ」と彼女をたたえ見送った。ファンだったのであろう。
2.檀ふみ
まだ大学在学中だ。それにしても清純な姿はかわいい。駿台予備校で浪人してから慶応経済入って留年しているはずだけど慶応は同じ学年で2回ダブれないので何年生なんだろう。2年生かな?青春の蹉跌に出演したころよりもあとだ。深窓の令嬢で育った京マチ子演じる母親同様、大事に育てられたという設定だ。名門旧教育大付属高出身で学校の先生という役は適役かもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/ca/b5784601bcef8b2e8262e2097f436538.jpg)
キャンパスでなく、六本木の飲み屋で深夜男と2人で飲んでいるのを大学時代みたことがある。ただ、この映画でも相手はよりどりみどりでしょうと御前様にいわれているけど縁がなかったようだ。この家にはばあやがいる。浦部粂子だ。自分が子供のころはおばあちゃんというと浦部粂子か飯田蝶子だった。
3.別所温泉
今から4年前に上田駅周辺から別所温泉というルートで向かったことがある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/83/7795ad8f7bbac885f14f04d586695bd5.jpg)
(4年前の写真、映画の電車はもっと古い)
紅葉がきれいで、すきま風で寒い旅館に泊まったっけ。そこの旅館で寅次郎が無銭飲食をする。別所温泉駅やお寺に見覚えがあった。映画の中で北陸新幹線を上田駅に停車という横断幕が掲げられているのに時代を感じる。何もないところで、近くのスナックでコンパニオンと歌いまくった記憶がある。昨年の台風で上田駅から向かう電車の橋が決壊してしまうのをTVでみて、ショックを受けた。これじゃ行けないな、旅館の人たち困ってしまうなと。
さくらはわざわざ無銭飲食の寅次郎を迎えに行く。昭和51年でいえば、当然長野新幹線はない。柴又から京成で上野に行って、特急で上田駅までいって乗り換えで別所温泉だ。特急だった頃で、横川の釜飯を買うために停車時間が長いからものすごい時間がかかるはず、やっかいな奴だ。
4.吉田義夫と谷村昌彦
旅芸人の親分は吉田義夫が演じる。自分が子供の時は「悪魔くん」というTVをやっていて悪魔役だったので、親しみがある。松竹というより東映の俳優だったのに寅さんとの相性がよく山田洋次監督は何度も起用している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/2a/42a466c77768dd864c08bc1032b95f67.jpg)
一座の公演で車寅次郎先生と寅さんを持ち上げる。そして調子に乗ってどんちゃん騒ぎ、一座には谷村昌彦がいる。「悪魔くん」と同じ頃「忍者ハットリくん」の実写版をやっていた。小学校の仲間もみんなみていた。「はなをかじった(花岡実太)」と聞いて懐かしい初老のオヤジは多いだろう。
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今回のマドンナは京マチ子と檀ふみ、この2人が親子役というのもめずらしい組み合わせだ。美女を前にして渥美清はいつもながらのフラれっぷり。軽快な話しっぷりがここでもドタバタ劇を繰り広げる。
さくら(倍賞千恵子)の一人息子満男の担任教師、雅子先生(檀ふみ)が家庭訪問でとらやにきていた。ちょうどたまたま旅先から寅次郎(渥美清)が帰ってくるところだった。美人の先生をみて寅次郎はうっとり、近くに住んでいるという先生に送っていくとうるさい。息子の大事な先生を相手にでしゃばる寅次郎に対して博(前田吟)は怒る。
いつものようにけんかになって寅次郎はとらやを飛び出ていく。寅次郎は長野のお祭りでテキ屋の本業をしたあと、別所温泉に向かうのである。そこでかつて知り合った旅芸人坂東鶴八郎(吉田義夫)一座と再会し旅館で飲めや歌えやで大騒ぎ。挙句の果て翌朝勘定となったのに金がない。そして、さくらのもとに地元の警察から無銭飲食で拘留していると電話が入り、柴又から遠路長野まで引き取りに向かうことになる。さくらに大目玉を食らう。
さくらに引っ張って来られ、とらやに戻った寅次郎は、店先で雅子先生と、彼女の母親・柳生綾(京マチ子)と会う。柳生家はもともと華族の出の高貴な家柄であったが、病気がちの綾は長い間入院生活を送っていた。寅次郎やさくらの幼少時代を知っており再会を大いに喜ぶ。世間知らずの綾は気のいい寅次郎に好印象を持つ。そして、お互い意気投合して綾の家に何度も通い詰めるようになるのであるが。。。
渥美清の口上は冴えわたる。病魔襲うはるか昔のことだ。祭礼の一角で四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立ちションベン。といつもながらの軽快なフレーズだ。架空の世界だけど、こんな口上でいったいどれだけの人が買うんだろうかね?
1.京マチ子
もともとは爵位を持つ家のお嬢様で、戦後に復興成金と結婚したあとで、病気で長い間療養しているという設定である。こういう役は京マチ子というより原節子の十八番といった感じだ。 山田洋次監督も 「安城家の舞踏会」や「お嬢さん乾杯」を意識してプロフィルをつくったに違いない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/d6/68abcfc988ec1147984a04cbf9cf7f7f.jpg)
でも、これらの作品が出た1950年前後には京マチ子は高貴というのではなく売春婦も含めてまったく真逆な地位の女を演じていた。かなり長い間舞台にも出ていたが、さすがに高齢で生き尽きた。その彼女が死んだときは、山田洋次が追悼の文を出している。京マチ子は大映の専属だったので、松竹とはそんなに縁のないはずだ。それでも「息をのむような美しさ」と彼女をたたえ見送った。ファンだったのであろう。
2.檀ふみ
まだ大学在学中だ。それにしても清純な姿はかわいい。駿台予備校で浪人してから慶応経済入って留年しているはずだけど慶応は同じ学年で2回ダブれないので何年生なんだろう。2年生かな?青春の蹉跌に出演したころよりもあとだ。深窓の令嬢で育った京マチ子演じる母親同様、大事に育てられたという設定だ。名門旧教育大付属高出身で学校の先生という役は適役かもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/ca/b5784601bcef8b2e8262e2097f436538.jpg)
キャンパスでなく、六本木の飲み屋で深夜男と2人で飲んでいるのを大学時代みたことがある。ただ、この映画でも相手はよりどりみどりでしょうと御前様にいわれているけど縁がなかったようだ。この家にはばあやがいる。浦部粂子だ。自分が子供のころはおばあちゃんというと浦部粂子か飯田蝶子だった。
3.別所温泉
今から4年前に上田駅周辺から別所温泉というルートで向かったことがある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/83/7795ad8f7bbac885f14f04d586695bd5.jpg)
(4年前の写真、映画の電車はもっと古い)
紅葉がきれいで、すきま風で寒い旅館に泊まったっけ。そこの旅館で寅次郎が無銭飲食をする。別所温泉駅やお寺に見覚えがあった。映画の中で北陸新幹線を上田駅に停車という横断幕が掲げられているのに時代を感じる。何もないところで、近くのスナックでコンパニオンと歌いまくった記憶がある。昨年の台風で上田駅から向かう電車の橋が決壊してしまうのをTVでみて、ショックを受けた。これじゃ行けないな、旅館の人たち困ってしまうなと。
さくらはわざわざ無銭飲食の寅次郎を迎えに行く。昭和51年でいえば、当然長野新幹線はない。柴又から京成で上野に行って、特急で上田駅までいって乗り換えで別所温泉だ。特急だった頃で、横川の釜飯を買うために停車時間が長いからものすごい時間がかかるはず、やっかいな奴だ。
4.吉田義夫と谷村昌彦
旅芸人の親分は吉田義夫が演じる。自分が子供の時は「悪魔くん」というTVをやっていて悪魔役だったので、親しみがある。松竹というより東映の俳優だったのに寅さんとの相性がよく山田洋次監督は何度も起用している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/2a/42a466c77768dd864c08bc1032b95f67.jpg)
一座の公演で車寅次郎先生と寅さんを持ち上げる。そして調子に乗ってどんちゃん騒ぎ、一座には谷村昌彦がいる。「悪魔くん」と同じ頃「忍者ハットリくん」の実写版をやっていた。小学校の仲間もみんなみていた。「はなをかじった(花岡実太)」と聞いて懐かしい初老のオヤジは多いだろう。