映画「ゴールドフィンガー巨大金融詐欺事件(金手指)」を映画館で観てきました。
映画「ゴールドフィンガー巨大金融詐欺事件(金手指)」は香港の2大スターであるトニーレオンとアンディラウが「インファナルアフェア」以来久々に共演する70代から80年代の香港を舞台にした作品だ。監督は「インファナルアフェア」の脚本を手がけたフェリックス・チョン。香港好きの自分からするとこの共演は楽しみにしていた。『インファナル・アフェア』3部作とは真逆の配役である。
1980年代に起きた金融詐欺事件「キャリアン事件(佳寧案)」をモデルにして映画化している。実話の事件の主犯格ジョージ・タン(陳松青)は1970年代にシンガポールから無一文で香港に渡ってきた福建系華人で巨大コングロマリットのキャリアン・グループ(佳寧集団)をぶち上げたという。自分はその事件を知らなかった。
1970年代の香港。マレーシアから香港に来た野心家の男、チン・ヤッイン(程一言)(トニー・レオン)は、徐々に香港に足場を築いていく。1年で100社もの会社を設立し、悪質な違法取引を通じて自社株価をつり上げる。資産100億ドルの嘉文世紀グループ立ち上げに成功して無一文から大富豪に成り上がる。一方、汚職対策独立委員会廉政公暑(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユン(アンディ・ラウ)は、チンの陰謀に目を付け、その後15年間にも及ぶ粘り強い捜査への道のりを歩み始めていた。
期待ほどではなかった。
映画のテンポに頭がついていけない。映像を視線がずっと追っているのであるが、意味がよく理解できない。ちょっと前までマレーシアから来た職にありつけない土木技師だったのに、次から次へと色んなジャンルの会社を設立していく。あれよあれよという間に香港証券取引所に上場して株価がどんどん上がっていく。
「え!これってどういうこと?」
何でこんなにわからないのか?要は普通の日本人の想像を絶する商いをやっているので理解できないことに気づく。
途中まではやりたい放題で巨万の富を築く。でも、最終的には株価もどんどん下がり、主人公のパフォーマンスが虚構だとわかっていく。そして、口止めに殺されていく人たちが多数出てくる。アンディラウ演じる捜査官も家族とともに命を狙われる。きわどい話になっていく。いくつかの解説を読むと、香港では有名な事件で80年代香港バブル崩壊で資産を失いそのトラウマに囚われる人もいるらしい。実際の手口がわかっている香港人にとってはすんなり理解できるので現地でヒットしたのだと思うが、自分にはよくわからない内容だった。
英中の返還交渉が始まったとか、中国銀行がビル建設用に土地を確保したとかのニュースはいかにも時代を象徴する。香港証券取引所で番号のつけた赤チョッキを着た取引員が右往左往する姿はその昔ニュースでよく見た光景だ。今や日本と同じく場立ちはいない。香港人にとってはラッキーカラーはレッド&ゴールド、金ピカのインテリアも目立つ。ペニンシュラでロケもしてしまう。70代から80年代を再現した街中の感じもいい。
高層ビル群の中の豪華なオフィスでガラス越しに横のビルを見ながら取引をする場面が香港らしくていい感じだ。トニーレオンが数字の11は凶数と言ったり、168は商売繁盛の数字だとするのが数字にこだわる香港人らしい。
香港GDPの対中国比は1994年には24%だったのが2015年には2.9%になったそうだ。香港の没落というより大陸が伸びたということかもしれない。資本主義の殿堂香港の存在感が急激に薄れた。1997年の返還前後まで香港に行くと大陸の人は垢抜けていなかったので、一目で分かった。2000年過ぎたあたりから見分けがつかなくなり、今はどうなんだろう。
パシッと決めた服装に身を包む印象が強いトニーレオンは詐欺師でいつもと違うタイプの役柄だ。アンディラウはいつも通りで違和感がない。サイモンヤムなど香港映画の常連が大勢出てきて今回はエキストラも多そうだ。ストーリーというより昔の香港の雰囲気を味わうのは悪くはない。
映画「ゴールドフィンガー巨大金融詐欺事件(金手指)」は香港の2大スターであるトニーレオンとアンディラウが「インファナルアフェア」以来久々に共演する70代から80年代の香港を舞台にした作品だ。監督は「インファナルアフェア」の脚本を手がけたフェリックス・チョン。香港好きの自分からするとこの共演は楽しみにしていた。『インファナル・アフェア』3部作とは真逆の配役である。
1980年代に起きた金融詐欺事件「キャリアン事件(佳寧案)」をモデルにして映画化している。実話の事件の主犯格ジョージ・タン(陳松青)は1970年代にシンガポールから無一文で香港に渡ってきた福建系華人で巨大コングロマリットのキャリアン・グループ(佳寧集団)をぶち上げたという。自分はその事件を知らなかった。
1970年代の香港。マレーシアから香港に来た野心家の男、チン・ヤッイン(程一言)(トニー・レオン)は、徐々に香港に足場を築いていく。1年で100社もの会社を設立し、悪質な違法取引を通じて自社株価をつり上げる。資産100億ドルの嘉文世紀グループ立ち上げに成功して無一文から大富豪に成り上がる。一方、汚職対策独立委員会廉政公暑(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユン(アンディ・ラウ)は、チンの陰謀に目を付け、その後15年間にも及ぶ粘り強い捜査への道のりを歩み始めていた。
期待ほどではなかった。
映画のテンポに頭がついていけない。映像を視線がずっと追っているのであるが、意味がよく理解できない。ちょっと前までマレーシアから来た職にありつけない土木技師だったのに、次から次へと色んなジャンルの会社を設立していく。あれよあれよという間に香港証券取引所に上場して株価がどんどん上がっていく。
「え!これってどういうこと?」
何でこんなにわからないのか?要は普通の日本人の想像を絶する商いをやっているので理解できないことに気づく。
途中まではやりたい放題で巨万の富を築く。でも、最終的には株価もどんどん下がり、主人公のパフォーマンスが虚構だとわかっていく。そして、口止めに殺されていく人たちが多数出てくる。アンディラウ演じる捜査官も家族とともに命を狙われる。きわどい話になっていく。いくつかの解説を読むと、香港では有名な事件で80年代香港バブル崩壊で資産を失いそのトラウマに囚われる人もいるらしい。実際の手口がわかっている香港人にとってはすんなり理解できるので現地でヒットしたのだと思うが、自分にはよくわからない内容だった。
英中の返還交渉が始まったとか、中国銀行がビル建設用に土地を確保したとかのニュースはいかにも時代を象徴する。香港証券取引所で番号のつけた赤チョッキを着た取引員が右往左往する姿はその昔ニュースでよく見た光景だ。今や日本と同じく場立ちはいない。香港人にとってはラッキーカラーはレッド&ゴールド、金ピカのインテリアも目立つ。ペニンシュラでロケもしてしまう。70代から80年代を再現した街中の感じもいい。
高層ビル群の中の豪華なオフィスでガラス越しに横のビルを見ながら取引をする場面が香港らしくていい感じだ。トニーレオンが数字の11は凶数と言ったり、168は商売繁盛の数字だとするのが数字にこだわる香港人らしい。
香港GDPの対中国比は1994年には24%だったのが2015年には2.9%になったそうだ。香港の没落というより大陸が伸びたということかもしれない。資本主義の殿堂香港の存在感が急激に薄れた。1997年の返還前後まで香港に行くと大陸の人は垢抜けていなかったので、一目で分かった。2000年過ぎたあたりから見分けがつかなくなり、今はどうなんだろう。
パシッと決めた服装に身を包む印象が強いトニーレオンは詐欺師でいつもと違うタイプの役柄だ。アンディラウはいつも通りで違和感がない。サイモンヤムなど香港映画の常連が大勢出てきて今回はエキストラも多そうだ。ストーリーというより昔の香港の雰囲気を味わうのは悪くはない。