映画とライフデザイン

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恋の罪  神楽坂恵

2012-06-07 05:50:33 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
映画「恋の罪」は問題作品を次から次へと発表する園子温監督の作品だ。

前作「冷たい熱帯魚」では脇役でんでんを暴走させ狂気的な凄い作品を発表した。今回はでんでんのような男性の狂人がいない代わりに、神楽坂恵と冨樫真の女性2人を暴走させる。神楽坂恵の圧倒的なバディに翻弄されながらストーリーを追った。水野美紀が格でクレジットトップだけど、どう見てもこの映画の主役は神楽坂恵でしょう。

渋谷の円山町のホテル街で、古い建物から女性の死体が発見された。主婦でありながら刑事の仕事を務める女(水野美紀)は外出先で知らせを受けて、現場に駆け付ける。首が切られたむごい死体だ。
作家の主婦である主人公(神楽坂恵)は一戸建ての家で何不自由のない生活をしていた。朝7時に家を出て夜9時過ぎまで帰らない夫は別の仕事場で著述の仕事をしていた。主人公は暇なのでスーパーで試食販売のバイトをしていた。そんな主人公を店頭で見てモデルクラブの女性スカウトがモデルをやらないかと誘う。スカウトから連絡があって、撮影場所へ行くと水着にさせられた。写真を次から次へと撮られた後、気がつくとヌードにさせられていた。男優が迫ってくる。真相はAV撮影だった。

このあと、毎日ルーティーンな生活をしていた主人公は一気に気持ちがふっきれた。胸元を派手に開いた大胆な洋装で渋谷へ遊びに出るようになった。そして町でナンパされた男とちょっと変わったプレイをするようになった。その男の知り合いにホテトル嬢(冨樫真)がいた。彼女の後を追いかけているうちに、実は本職が他にあることがわかる。どうやら大学で教師をやっているようだ。主人公はホテトル嬢に近づこうとするのであるが。。。


「ルアーブルの靴磨き」を見に行った時に円山町のホテル街を歩いた。見たばかりの光景だけにきわどいネオンの映像もなじみやすかった。

もうずいぶんと時間がたつが、東電OL殺人事件にはあっと驚いた。
彼女は自分より年上だが、同じ大学でだぶっている時代もあるせいか、かなり興味を持った。この題材はいろいろな小説や2時間ドラマの題材になっている。ある意味村上春樹の「1Q84」にもその影響が感じられる。女主人公青豆の友人で警察官の女性は、夜乱れる設定だ。女性の性欲というテーマがあの小説では取り上げられていた。この映画における水野美紀の役に近い気もした。
東電の彼女は冨樫真が演じる役柄のようなことをやっていたらしい。そういえば、以前彼女がストリートで客をとっていた時代の写真を見たことがある。冨樫真が派手に化粧をした顔によく似ていた気がする。そういった意味でリアリティを感じた。


爆走する神楽坂恵のテンションが高い。「冷たい熱帯魚」の時よりもかなりメインに出ている。爆乳を見せる場面も多い。どちらかというと、「にっかつポルノ」の現代バージョンという色彩が強い気がする。前作ではでんでんがかなり出演の女たちをいじくっていたが、今回男性側はホテトルの店長がメインでハチャメチャのことをやる。演じる奴がいかにもらしい感じだ。でも前作ほどのアクは強くない。園子温監督も今回はむしろ男性よりも女性の異常性にスポットライトをあてたようだ。
マーラーの交響曲第5番をその異常性が頂点に達しようとする時何度も奏でる。ヴィスコンティの究極の男色映画「ベニスで死す」でも使われたこの曲のムードが暴走する2人の異常性を強調する。

水野美紀はついに全部を脱ぎさらしてクレジットトップであるが、存在感はあまりない。彼女にハチャメチャさせたらもっと面白くなるんだろうけど、中途半端だった気がする。
冷たい熱帯魚ほどの衝撃度は正直なかった。

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