映画「PASSION」を名画座で観てきました。
映画「PASSION」は今や日本を代表する映画人となった濱口竜介監督が東京藝術大学大学院の卒業制作でつくった2008年の作品である。名画座の「濱口竜介特集」での上映で、観たことない作品の一つである。もともと東京藝術大学制作となっている作品だけに、Wikipediaにも取り上げられていない。観たことない人も多いだろう。ほぼ満員である。
昔の仲間の誕生日パーティに29才の男女が集合する中、2人が結婚することを公表する。ところが、その2人のそれぞれに関係や好意をもっている他のメンバーがいて、その後飲み直したときにお互いの気持ちを発散して取り乱す3日間の話である。
見応えがある!映画好きの必見作品だ。
卒業制作となめてかかるとレベルの高さに誰も驚くであろう。近年の「偶然と想像」と渋川清彦と占部房子、河井青葉の3人の主要出演者がダブっている。お!出てきたなと思う。いくら監督がよくても演じる人のレベルが低くてはどうにもならないだろう。演技巧者が「偶然と想像」と同レベルの演技をしているのでいい作品になるのは必然だろう。
景色を見ていて横浜が舞台だとわかる。セリフが多く、室内劇的タッチを持つけど、閉鎖的ではない。外人墓地付近や煙突のけむりが大量に噴出する場所のロケなどアウトサイドも多い。バスの使い方もうまい。おいおい、これって大学院とはいえ、学生のレベルを超えているよ。こんなすごい映画つくる濱口竜介が、10年以上ごく普通の映画ファンに知られていなかったというのは映画関係者のミスだな。
⒈感情移入できない登場人物
この映画の登場人物もへんなやつが多い。出演している5人の男女がその昔同級生だったとか関係については語られない。でも、まあ理屈っぽい。
結婚することになった2人は男が大学の研究室に残っていて、女が中学の数学教師のようだ。見るからに色男なので、四方八方女に手を出しているようだ。一方で、女性に好意を持っている仲間内の男性がいるが、相手にしない。ところが、仲間内に婚約を告白したと同時にいろんなことがもつれてくる。
河井青葉演じる数学教師が、クラスの中で自殺した生徒がいることで、生徒を集めて暴力についてどう思うか?とヒアリングしたりする。でも、河井の論理がこれがまたハチャメチャだ。その屁理屈を聞いているとだんだんムカついてくる。でも、そんな強い女じゃない。偉そうにしていて依存性の強い女だ。こんなシーンを若い素人の生徒たちの協力で作ってしまうのもすごい。
まあともかく、みんな性格は変。
当時はまだ若いのに、こんな変な奴らに似ている連中に若い頃から濱口竜介会ってきたのかな?人生経験が豊富なのかもしれない。
⒉レベルの高い演技
「偶然と想像」でも個人的にいちばん演技が冴えているのが占部房子である。河井青葉を昔の同級生だと思っていたけど、実は別人だったという話だった。今から14年前の作品だけど、人物的に性格的変人の中でいちばんマシだな。ひいき目はあるが、今回もよく見える。
渋川清彦はいろんなところに顔を出しているよね。「PASSION 」で14年前の姿を見ると、若干イメージが違う。TVをたまたま見たら、CMで配達員の役やっていたっけ、めずらしい伊藤忠のCMだった。「偶然と想像」では柄にもなく大学教授の役柄だったけど、学生にハニートラップをかけられそうになる。そんな感じで、役柄の幅がますます広くなっている気がする。映画界に欠かせない俳優になっている。
この2人はまったく関係ないはずなんだけど、最終に向けて思わずびっくりさせるシーンを用意する。それだけでなく、ビックリするシーンを要所ごとに点在させる。このあたりは驚かせるのを楽しんでいるような濱口竜介のタッチかなと思う。
岡本竜汰というカッコいい俳優が主役級である。演技もわるくない。最近あまり見ないけど、どうしちゃったんだろう。河井青葉はまだ「私の男」に出演する前、美人なんだけど、役柄のせいもあるのか合わないのかも。それにしても、同窓会感覚で10年以上経って出演者を集めて「偶然と想像」を濱口竜介がつくってしまうのもすごいよな。
映画「PASSION」は今や日本を代表する映画人となった濱口竜介監督が東京藝術大学大学院の卒業制作でつくった2008年の作品である。名画座の「濱口竜介特集」での上映で、観たことない作品の一つである。もともと東京藝術大学制作となっている作品だけに、Wikipediaにも取り上げられていない。観たことない人も多いだろう。ほぼ満員である。
昔の仲間の誕生日パーティに29才の男女が集合する中、2人が結婚することを公表する。ところが、その2人のそれぞれに関係や好意をもっている他のメンバーがいて、その後飲み直したときにお互いの気持ちを発散して取り乱す3日間の話である。
見応えがある!映画好きの必見作品だ。
卒業制作となめてかかるとレベルの高さに誰も驚くであろう。近年の「偶然と想像」と渋川清彦と占部房子、河井青葉の3人の主要出演者がダブっている。お!出てきたなと思う。いくら監督がよくても演じる人のレベルが低くてはどうにもならないだろう。演技巧者が「偶然と想像」と同レベルの演技をしているのでいい作品になるのは必然だろう。
景色を見ていて横浜が舞台だとわかる。セリフが多く、室内劇的タッチを持つけど、閉鎖的ではない。外人墓地付近や煙突のけむりが大量に噴出する場所のロケなどアウトサイドも多い。バスの使い方もうまい。おいおい、これって大学院とはいえ、学生のレベルを超えているよ。こんなすごい映画つくる濱口竜介が、10年以上ごく普通の映画ファンに知られていなかったというのは映画関係者のミスだな。
⒈感情移入できない登場人物
この映画の登場人物もへんなやつが多い。出演している5人の男女がその昔同級生だったとか関係については語られない。でも、まあ理屈っぽい。
結婚することになった2人は男が大学の研究室に残っていて、女が中学の数学教師のようだ。見るからに色男なので、四方八方女に手を出しているようだ。一方で、女性に好意を持っている仲間内の男性がいるが、相手にしない。ところが、仲間内に婚約を告白したと同時にいろんなことがもつれてくる。
河井青葉演じる数学教師が、クラスの中で自殺した生徒がいることで、生徒を集めて暴力についてどう思うか?とヒアリングしたりする。でも、河井の論理がこれがまたハチャメチャだ。その屁理屈を聞いているとだんだんムカついてくる。でも、そんな強い女じゃない。偉そうにしていて依存性の強い女だ。こんなシーンを若い素人の生徒たちの協力で作ってしまうのもすごい。
まあともかく、みんな性格は変。
当時はまだ若いのに、こんな変な奴らに似ている連中に若い頃から濱口竜介会ってきたのかな?人生経験が豊富なのかもしれない。
⒉レベルの高い演技
「偶然と想像」でも個人的にいちばん演技が冴えているのが占部房子である。河井青葉を昔の同級生だと思っていたけど、実は別人だったという話だった。今から14年前の作品だけど、人物的に性格的変人の中でいちばんマシだな。ひいき目はあるが、今回もよく見える。
渋川清彦はいろんなところに顔を出しているよね。「PASSION 」で14年前の姿を見ると、若干イメージが違う。TVをたまたま見たら、CMで配達員の役やっていたっけ、めずらしい伊藤忠のCMだった。「偶然と想像」では柄にもなく大学教授の役柄だったけど、学生にハニートラップをかけられそうになる。そんな感じで、役柄の幅がますます広くなっている気がする。映画界に欠かせない俳優になっている。
この2人はまったく関係ないはずなんだけど、最終に向けて思わずびっくりさせるシーンを用意する。それだけでなく、ビックリするシーンを要所ごとに点在させる。このあたりは驚かせるのを楽しんでいるような濱口竜介のタッチかなと思う。
岡本竜汰というカッコいい俳優が主役級である。演技もわるくない。最近あまり見ないけど、どうしちゃったんだろう。河井青葉はまだ「私の男」に出演する前、美人なんだけど、役柄のせいもあるのか合わないのかも。それにしても、同窓会感覚で10年以上経って出演者を集めて「偶然と想像」を濱口竜介がつくってしまうのもすごいよな。