映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「インターステラー」 クリストファーノーラン&マシューマコノヒ―

2014-11-30 10:28:16 | 映画(自分好みベスト100)
映画「インターステラー」を映画館で見てきました。

これこそ今年のベストというべきすばらしい作品に出会えました。
正直このレベルまで期待していなかった。宇宙ものというだけで、「ゼログラビティ」と比較するのも酷だが、重層構造の脚本、抜群の編集力、無音状態もつくりながら緩急自在に観客の心を揺さぶる音楽いずれもこの作品の方が数倍素晴らしい!!クリストファーノーラン監督作品にハズレはないけど、これは「ダークナイト」を超えて彼の最高傑作かもしれない。感動しました!!


環境変化が起きている未来の地球では、砂塵が舞い作物が枯れ、人類滅亡の危機となっていた。
妻を亡くした元エンジニアのクーパー(マシュー・マコノヒー)はトウモロコシ農場を営み、義父と2人の子供と暮らしていた。書棚に積もる砂が座標軸を示すことに気づき、父娘でその位置へ向かうと解体されたはずのNASAがあった。そこではブラント教授(マイケルケイン)と娘のアメリア(アン・ハサウェイ)がいて銀河系外の惑星への人類移住計画が進められていた。宇宙のワームホールを利用し、居住可能な新たな惑星を探すという壮大な旅に、クーパーは幼い娘マーフを残しながら旅立つことになったが。。。


父クーパーが、娘の保護者面談に参加する。娘さんは優秀と教員からいわれるが、勉強している内容が今は使われていない教科書だという。今では、アポロ計画の月着陸が、ソ連を突き落とすための虚偽の事実だと書かれる教科書だと教員が説明する。軍関係はすでに無くなっていて、科学技術が必要とされないのでエンジニアがいない。そういう近未来だ。

ネタばれいくつかしながら、自分の心の動きをたどっていく。

1.広大なトウモロコシ畑での爽快な走行
SF的な映像が繰り広げられる前に、主人公が子供たちとトウモロコシ畑を車で滑走するシーンがいきなり出てきて、目を奪われる。ミサイルのようなインドの飛行物体を追いかけていくのだ。ヒッチコックの「北北西に進路をとれ」で広大な畑でグライダーに狙われるシーンを連想する。ここでのマコノヒ―のふるまいと映像表現の巧みさを見て目がぱっちりする。

2.宇宙への旅路と太陽系を抜けていくこと
普通の宇宙飛行の映像と思いしや、宇宙で冬眠機器に入りこむシーンが出ていてくる。時空を超えたものすごく遠いところへ向かうのだ。月に向かうなんて話じゃない。土星の輪の映像や太陽系を抜けていくときの宇宙スぺクタルシーンはなかなかワクワクする。ブラックホール付近ではほんのわずかな時間なのに、地球では数年の時間が過ぎる。このあたりで連発する相対性理論と宇宙の話は正直得意ではない。でも引き込まれてしまう。


3.水のある惑星
今回日本でも小惑星探索機「はやぶさ2」を搭載したロケットが打ち上げられる報道がされている。その探索機は水や有機物を含む別の小惑星から石や砂を地球に持ち帰り、太陽系が誕生した当時の姿や生命の起源を探るという。ある意味同じような内容だ。この映画では、宇宙の果てまで向かって海のような水のある惑星に向かう。人間が生きる条件を備えているのか調べておくのだ。しかし、ここでものすごい波が押し寄せる。半端な波じゃない。「ビッグウェンズデイ」の波が小さく見えるくらいだ。そこを脱出できるかどうかが最初の大きな難関だ。

4.重層構造の映像展開
冷たい惑星に向かうと、そこには1人の超大物俳優がでてくる。クレジットにどうして名前ないの?なんて思ってしまうが、彼が一緒になって作業にあたると思いしや、一本ひねる。こういう落差が脚本のうまいところだ。

同時に娘マーフを成長させて、NASAに入れ込んで同じような仕事に従事させる。ジェシカ・チャスティンなんて大物女優を配役する。彼女はうまい俳優で自分は割と好きだ。子役もよかったが、宇宙で作業する父と現実の世界で地球を救う方程式を導き出そうと奮闘する2人を交差に映しだすシーンにはしびれまくった。

まさにSFの境地を重層構造に描き映しだす素晴らしい場面だった。


5.五次元の世界
3次元は空間だ。高校の数学で習うXYZの座標軸の空間方程式で図形を数式で表現することもできる。一歩進んだくらいのリーマン幾何学の世界くらいまでは理解できたかどうかは別として大学で習った。4次元になると時間の概念が加わる。物体を3次元の式で表わして、それを移動させると移動時間という時間の概念が入る。そこまではなんとなく理解するが、5次元といわれるともう一つの次元がよくわからない。今回時空を超えて大きな移動をする。時間を超越した何かがあるということなのか?




マシューマコノヒ―が脱出する場面で、「ゼログラビティ」でのジョージクルーニーとの別れを連想した。あの映画みたいになるのかな?と思ったらそこからヤマをつくっていった。
この映画のすごいところはそこからまだ続いていったところだった「ユーリカ(Eureka)!!」ジェシカチャスティンが叫ぶときには気持ちが同化していた。

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