映画とライフデザイン

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映画「トゥ・ザ・ワンダー」 ベン・アフレック&オルガ・キュリレンコ

2014-01-15 15:31:58 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「トゥ・ザ・ワンダー」は2013年日本公開のドラマ
巨匠テレンスマリック監督の作品である。

監督の前作カンヌ映画祭パルムドールを受賞した「ツリーオブライフ」は抽象的すぎてよくわからなかった。気がつくと眠りにつく始末、感想も書いていない。今回も評判からするとどうかな?と思っていた。DVDになっても見ないかなと思っていたが、ジャケットを見るとついレンタルしてしまう。ロシア系美女オルガ・キュリレンコがフランスの景勝地モン・サンミッシェルをバックに映る写真が気になったからだ。
当然期待していない。しかし、見てみたら映像美に圧倒された。すばらしい!



セリフは少ない。脚本がある映画ではないのかもしれない。
逆にカット割りが多い。ものすごいスピードで次から次に映し出される映像コンテがどれもこれも完ぺきだ。
これは撮影者のウデが違う。そう思ってクレジットを見たらエマニュエル・ルベツキではないか!!
今をときめく「ゼログラビリティ」の撮影者である。
あの映画もすごいと思ったけど「トゥ・ザ・ワンダー」の方がすごい。そしてかつ美しい!



(作品情報より)
ニール(ベン・アフレック)とマリーナ(オルガ・キュリレンコ)はフランスの小島、モンサンミシェルにいた。故国であるアメリカを離れ、フランスへやって来た作家志望のニール。彼はそこでマリーナと出会い、恋に落ちる。10代で結婚し娘のタチアナをもうけたマリーナは、ほどなくして夫に捨てられ、いまや望みを失いかけていた。そんな彼女を闇から救ったのがニールだった。光の中、手をつなぎ、髪に触れ、愛し合うふたり。入り江に浮かぶ修道院を背に、潮騒を聞きながら、ニールは彼女だけを生涯愛し続けようと心に誓う。

2年後、彼らはアメリカへ渡り、オクラホマの小さな町バードルズビルで暮らしていた。ニールは故郷にほど近いこの町で、作家になる夢をあきらめ、環境保護の調査官として働いている。マリーナにとって、そこはとても穏やかな場所だった。愛さえあれば他に何もいらないと思った。前夫と正式な離婚手続きをしていないため、決してニールと結婚できなくても。

ニールはタチアナを実の娘のように愛した。タチアナもまた彼によくなついた。しかし、故郷から離れたその土地で、タチアナは友だちに恵まれずいつもひとりだった。彼女はマリーナに言う。「もうフランスへ帰ろう」

カトリック教会の神父、クインターナ(ハビエル・バルデム)は救いを求める人々に布教を行っている。町の人々に溶け込み、皆から親しまれるクインターナ。マリーナもニールとの関係を相談しに、彼のもとを訪れていた。しかし、クインターナは苦悩を深めていく。神はどこにいるのか? なぜ神は自分の前に姿を現さないのか?
彼はかつて持っていた信仰への情熱を失いかけていた。

ニールの心もすっかり冷えかかっていた。マリーナとの間には諍いが絶えず、タチアナには「パパ気取りはやめて」と非難される日々。滞在ビザが切れるため、マリーナはタチアナを連れてフランスへ戻ってしまう。

マリーナがいなくなった後、ニールは幼なじみのジェーン(レイチェル・マクアダムス)と関係を深めていく。傷を負ったふたりは瞬く間に互いを強く求め合ったが。。。


オルガ・キュリレンコがのっている。そうでないと機関銃のように続く撮影をこなしきれないだろう。

(eiga.comのオルガ・キュリレンコの記事を引用したい)
キュリレンコと本作の出合いは、シナリオもない1枚のメモによるオーディションだった。セリフを言葉にするのではなく、思い描いたキャラクターが表情に現れるかどうかが試され、むきだしの演技が引き出されたという。撮影開始後もシナリオが用意されることはなく、マリック監督との会話のなかですべてが与えられた。「彼がシナリオを与えないのは、事前に用意されたもので俳優に演技してほしくないから。その瞬間の反応を俳優に求めているのよ」。キュリレンコは撮影を通して、役どころから抜け出せなくなるほどに一体となった。

これは随分と高度なことを求められている
実際にシナリオがなかったのかもしれない。しかもカットが多い。


あまりにカット割りが多いので、1分間にいくつカットあるのかストップウォッチ使いながら数えてみる。
だいたい1分間に12~15くらいのカットがある。映画の長さは実働1時間48分(108分)だ。
全部を数えているわけではないけど、約1500を超えるカット映像があることになる。
この映像のほぼすべてが完璧に美しいコンテである。
当然テリンスマリックの指示もあると思うが、ファインダーをのぞくのはエマニュエル・ルベツキだ。
いやはや参った。いかにも当代きっての撮影監督と評価されるべきだろう。
同時に編集の緻密さも感じた。5~10秒くらいのそれぞれのカットだが、撮影している時間はもう少し長いだろう。
これで満足という映像を探しあて、一本の映画にしていく作業は楽ではないはずだ。

まったく予想外の映像美に魅了されたすばらしい至福の時間だった。

参考作品

アルゴ
ベンアフレックがアカデミー賞作品賞受賞


トゥ・ザ・ワンダー
カット割りの美しい映像を堪能する

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