山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヨウラクラン

2020年09月03日 | ラン科
 沢沿いの木や岩壁などに着生している小型のランである。山梨県では身延町よりも南の県南部に生育している。樫の木や梅の木の幹に着生している姿を目にすることが多く、個体数はそこそこにある。


    樫の木に着生したヨウラクラン 平成27年7月 南部町で撮影。


    同上


    同上 花は既に散って落花してしまっている。


    令和1年6月 南部町で撮影。折角の満開状態だったが距離が遠く、ピントが甘かった。


    同じ日に撮影した別の個体。


    既に花が終わり結実していた。


    別の個体。同じく結実していた。

 なかなか良い状態の個体に出会えず機会を見て再写に行きたいと思っている。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤマトキソウ

2020年09月03日 | ラン科
 山地帯の日当たりの良い草地やススキ野原を好んで生育している。山梨県では富士山周辺や八ヶ岳、大菩薩・小金沢連邦などに生育しているがいずれの場所でも個体数は少ない。


    ヤマトキソウ 平成29年7月 大菩薩・小金沢連峰で撮影


    同上 この場所では笹原と草地の境目あたりを好んで生育していた。


    同上


    接写。花弁はこの程度しか開かない。


    平成30年7月 八ヶ岳で撮影。この場所ではススキに隠れるように生育している。


    同上 別株


    令和1年7月 八ヶ岳で撮影


    同上 少しだけ開いた花弁

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カモメラン

2020年09月02日 | ラン科
 山地のやや湿り気のある広葉樹林の林床や林縁を好んで生育するピンク色の可愛らしいランである。八ヶ岳や奥秩父、南アルプス、御坂山系、富士山など広範囲に生育している。しかし、森林の伐採や鹿の食害、地面の乾燥化などによる生育環境の変化により個体数が減少している場所が多い。富士山では林道の拡張工事により大規模な生育地が消滅したとの話を聞いている。


    カモメラン 平成22年6月 瑞牆山で撮影。この頃はそれなりの個体数の花が咲いていた。


    同上 この当時の画像を見ると花の周辺には他の草が茂っていた。


    平成26年6月 瑞牆山で撮影。この頃から花が咲かなくなり、個体数の減少が目立つようになる。令和に入ってからは葉は見かけるが花はほとんど見なくなった。


    平成23年7月 八ヶ岳で撮影。初めて見た時の八ヶ岳の個体。この場所も下草が茂りそれなりの数が咲いていた。


    令和1年7月 同じ場所で撮影。下草が減って乾燥化し、さらに斜面が崩落して個体数が減少している。


    同上。 もはや虫の息、といった感がある。


    平成27年6月 南アルプスで撮影。


    同上


    同上 減少してきている感はあるが比較的安定して生育している。


    令和1年6月 御坂山系で撮影。一歩間違えば瑞牆山のように絶滅に近い状態になっていたであろうが、保護策の設置で復活してくれた。


    同上。下草が茂り元気なカモメラン。しかしこの場所は令和2年に保護柵を乗り越えて鹿が侵入し、半減してしまった。


    上顎片が白く唇弁の紫色が濃い特殊な個体


    アルビノの個体


    令和2年6月 御坂山系で撮影。設置されて4年目の保護柵。柵の中は草が茂り、植生の違いは明らかである。


    同上。一時は鹿の食害で10株ほどしか咲かなかったが、ようやく復活してきたカモメラン。


    全盛期のころまでにはまだ程遠いが、かなりの個体数が復活してくれた。

 個人的に設置した保護策であるがこれが無ければこの御坂山系のカモメランは絶滅に近い状態に追い込まれていたかも知れない。それなりの苦労はあったが設置した甲斐があったと思っている。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アオチドリ

2020年09月01日 | ラン科
 山地から亜高山帯の草地の中や林内に生育する。高所に生育するタカネアオチドリは2018年版山梨県レッドデータブックからはアオチドリに含まれる扱いとなった。個人的には花の付き方の違いや唇弁の長さの違い、背丈の違いから別物ではないかと思っている。


    アオチドリ 平成27年7月 櫛形山で撮影


    同上


    青紫色の花と長い唇弁。この場所の個体は鹿の食害に遭い、この数年後には見られなくなってしまった。


    平成27年6月 御坂山系で撮影


    同上 保護対策の行き届いているこの山の個体は元気が良いが、それでも食害は心配である。


    平成29年7月 鳳凰山で撮影。保護色をしていて見つけにくく、1株しか発見できず。


    平成30年5月 北岳で撮影。まだ咲き始めたばかりの個体


    同上 まだ花が咲き切っていないが、葉を見ると千切れており食害に遭っている。このランは鹿の食害を受け易いようである。


    タカネアオチドリ 平成29年7月 八ヶ岳で撮影


    同上 これは大型の個体。唇弁の長さがアオチドリに比べて短く、花の付き方が密集して鈴生りに付く。個人的には別物だろうと思っている。


    平成29年7月 北岳で撮影


    同上 北岳の個体は小さく、個体数も少なく探すのが難しい。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒメムヨウラン

2020年09月01日 | ラン科
 亜高山帯の針葉樹林の林床に生育する葉緑素を持たない菌従属栄養植物のランである。約10㎝~20㎝のt直立した茎に小さな花をたくさん総状に付ける。八ヶ岳や南アルプス、御坂山系、富士山に分布しており個体数もそこそこにある。富士山が分布の南限になる。


    ヒメムヨウラン 平成29年7月 御坂山系で撮影


    同上 直立した茎に総状に花を付ける。


    令和1年7月 八ヶ岳で撮影。針葉樹林の林床に生育する。


    同上


    令和2年6月 南アルプスで撮影


    同上 何本かで群生することが多い。


    平成28年6月 南アルプスで撮影。時としてアルビノの個体に出会うことがある。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU)、準絶滅危惧種(NT)および情報不足(DD)のラン科植物へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニョホウチドリ

2020年08月31日 | ラン科
 亜高山帯の草地に生育する赤紫色の鮮やかなランである。通常は草地を好んで生育しているが大菩薩・小金沢連峰の個体は笹原や笹原と草地の境目に生育している。元々は草地だった場所が笹に置き換わって来たと思われるが、うまく共生しているように見えなくも無い。山梨県では南アルプス、八ヶ岳、大菩薩・小金沢連峰、奥秩父山系など広範囲に生育してはいるが、いずれの場所でも減少傾向にある。


    ニョホウチドリ 平成27年7月 南アルプスで撮影


    同上 一時咲かなくなったが復活してきた花。


    平成29年7月 大菩薩・小金沢連峰で撮影。笹原の中に咲いた花。


    同上 笹と共生できるのかどうか疑問があるが、不思議と笹が刈られた場所には生育していない。


    同上 しかし個体数は減少しているので、この花にとって良い環境とは言えないのであろう。


    赤紫色の美しい花。


    令和1年7月 八ヶ岳で撮影


    この場所も笹に飲まれつつある。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キバナノアツモリソウ

2020年08月31日 | ラン科
 山地の草原や広葉樹林の林縁を好んで生育している。盗掘だけでなく、鹿の食害の二次的変化(地面の乾燥化と植生の変化)によって消滅してしまった場所もあるが、保護柵を設置することによって復活してきた場所もある。


    キバナノアツモリソウ 平成16年6月 南アルプスで撮影


    この2年後からこの場所で咲く姿は見られなくなってしまった。


    平成29年6月 御坂山系で撮影。保護対策の早かったこの山ではしっかりと咲いてくれていた。


    令和2年6月 南アルプスで撮影。保護柵設置の効果が現れて花が復活してくれた。


    同上。平成16年に撮影したのと同じ場所で撮影。


    やっと復活してくれたこの花、これからも咲き続けて欲しい。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジガバチソウ

2020年08月30日 | ラン科
 広葉樹林の低山帯から山地帯の林床、岩石地などに生育する小型のランである。小さな花は小さな蜂が舞うような形をしている。御坂山系、南アルプス等に生育しているが生育地での個体数はあまり多く無い。


    林床に生えるジガバチソウ 平成26年7月 御坂山系で撮影


    同じ株を別角度から撮影。このような大株はあまり見かけなくなった。


    平成26年7月 御坂山系で撮影


    紫色の蜂が舞う花


    平成29年7月 南アルプスで撮影


    同上


    令和1年7月 御坂山系で撮影


    同上


    拡大撮影 この場所の株は遊歩道修復工事のために消滅してしまった。

 御坂山系の個体は山肌の乾燥化が進み少しずつ減少しているように見え、今後が心配である。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タカネフタバラン

2020年08月30日 | ラン科
 亜高山帯の広葉樹林、あるいは針葉樹との混合林の林床に生育する小さなランである。葉に光沢は無く軸が緑色のところがミヤマフタバランと異なる。緑色の小さな花を咲かせる目立たないランであるが地味に魅力がある。富士山や南アルプスなど広い範囲で生育しているが生育場所は限られていて個体数もあまり多くは無い。


    タカネフタバラン 平成26年8月 南アルプスで撮影


    緑色の花を咲かせて森の中に溶け込んでいる。


    生育地では群落を形成していることが多い。


    平成27年8月 南アルプスの別の場所で撮影。


    群落を形成していた。しかし、この場所の個体は減少傾向にある。


    緑色の花


    平成2年8月 富士山麓で撮影。葉が傷み始めておりやや遅かった。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フジチドリ

2020年08月29日 | ラン科
 山地から高山帯の苔の生えた広葉樹林の幹に着生する小型のランである。生育地が限局しているうえに個体数がきわめて少ない。名の通りに山梨県では富士山での生育が確認されているがそれ以外の地域でも見つかった。


    フジチドリ 令和2年7月撮影


    同上 小さな花


    同上 別角度から撮影


    別株


    唇弁には赤紫色の斑が入っている。


    平成30年7月 同じ場所で撮影。もともとはもっと着生していたらしいが、苔とともに木の幹から脱落してしまった。

 小さなランで探しにくいうえに花の咲いていない時期に葉を見て探すのはきわめて難しい。探し出すには根気と時間が必用であろう。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノビネチドリ

2020年08月29日 | ラン科
 山地の草地や広葉樹の林縁を好んで生育している。花はテガタチドリに似ているが葉が長楕円形で辺縁が波打っているところが異なる。山梨県では自生地が少ないうえに個体数も少ない。


    ノビネチドリ 平成29年6月 御坂山系で撮影


    同上


    令和4年6月 御坂山系で撮影。葉の辺縁が脈打っている。


    個体数は非常に少なく盗掘の被害にも遭ったと聞く。


    唇弁は先端部が3裂する。


 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アツモリソウ

2020年08月29日 | ラン科
 山地の草原を好んで生育する大型のランである。昭和30年代のランのブームの頃に盗掘が著しく、多くの自生地から盗掘が相次ぎ姿を消してしまった。また鹿の食害や二次的な植生変化によっても減少している。早くから保護柵を設置して植生の保護に取り組んできた三ツ峠の功績は素晴らしい。


    初めて出会ったアツモリソウ 平成24年6月 東部富士五湖地方の山で撮影


    しかしその翌年から花が咲かなくなり、保護柵で囲ったり周辺の草を刈ったり天然肥料を撒いたりと手入れしたが、数年後には消滅した。


    今にして思えば、花の色が薄く勢いが無い。この時に既に危険信号を発していたのであろう。私が植物保護に取り組むきっかけとなった貴重な出会いだった。


    平成28年6月 御坂山系で撮影。周辺には青々としたオオバギボウシが茂っている。


    同上。色が濃くて生き生きとした花。


    平成30年6月 御坂山系で撮影。花の色が特別美しかった個体。


    令和1年6月 大菩薩・小金沢連峰で撮影。一時は咲かなくなってしまったが復活してくれた花。


    同上

 山梨県では現在保護対策が行われている場所以外で観察するのは難しい花である。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コハクラン

2020年08月29日 | ラン科
 亜高山帯の針葉樹林帯に苔とともに共生しているが、稀に草地の中に生育していることもある。10~20㎝程度の小さな個体が多いが時として40㎝くらいの大きなものを見かけることもある。山梨県では八ヶ岳と富士山に生育しているが富士山の個体は最近確認されていない。個体数はきわめて少ない。


    コハクラン 平成30年7月 八ヶ岳で撮影


    同上 これは大きな個体


    琥珀色の花


    平成29年7月 八ヶ岳で撮影。 草地の中に生えていた個体。


    唇弁には紅色の斑が入る。


    令和1年7月 八ヶ岳で撮影


    同上


    琥珀色の花


    マクロ接写

 保護色をしているので探すのが難しいランである。個体数が少なく今後が心配である。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミズチドリ

2020年08月29日 | ラン科
 山地の日当たりの良いやや湿った斜面や湿地を好んで生育する白いランである。富士山周辺や御坂山系、八ヶ岳などに生育しているが個体数は多いとは言えない。


    カヤト野原の中に咲いていたミズチドリ 平成28年7月 奥秩父山系で撮影。


    同上


    接写撮影


    笹の中に咲いていたミズチドリ 令和2年7月 八ヶ岳で撮影。


    同上

 私が見かけたのは偶然に咲いていたものを2度見ただけである。他の場所で群生する姿を見ることができればと願っている。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コケイラン

2020年08月28日 | ラン科
 ブナの生える山地帯を好んで生育している。富士山周辺や南アルプス等に生育しているが個体数は少ない。


    コケイラン 平成18年6月 櫛形山で撮影


    同上


    この時は5個体くらい見かけた。


    琥珀色の花

 撮影した場所の個体はこの数年後には消滅した。鹿の食害と環境の変化によると思われる。その後はコケイランを見かけておらず、山梨県でこの花を見るのはなかなか難しいであろうと思われる。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする