山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ジョウロウスゲ(カヤツリグサ科)

2021年06月04日 | カヤツリグサ科
 湖の砂地を好んで生育する多年草である。草丈40~70㎝、根茎は短く、茎を叢生する。葉は硬く、幅4~5㎜。基部の葉鞘は葉身がなく、一部赤褐色を帯びる。小穂はやや接近してつき、頂小穂は雄性で線形、側小穂は雌性で3~5個がやや接近してつき、長楕円形である。果胞は狭披針形で扁平、長さ7~9㎜の長い嘴があり、密生して独特の雌小穂の形を形成する。嘴の口部は2深裂し、裂片は熟すと外曲する。柱頭は3岐。和名は優美な姿を上臈(江戸時代の優美な貴婦人)にたとえたもの。山梨県では富士五湖周辺に生育し、個体数は少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類 2017年環境省絶滅危惧Ⅱ類


    ジョウロウスゲ 令和3年5月 河口湖で撮影


    同上


    大株のジョウロウスゲ


    頂部に1個の雄小穂があり、その下に数個の雌小穂を付ける。


    果胞には長い嘴があって密生し、柔らかいタワシのような感じ。

⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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カヤツリスゲ(カヤツリグサ科)

2021年06月03日 | カヤツリグサ科
 湖畔の砂地を好んで生育する1年草である。茎は叢生し、草丈15~30cm。葉は細く幅1.5~2.5㎝。花序は多数の小穂が茎頂に頭状に密集してつき、下部の2~3個の苞は葉状で著しく長い。小穂は雌雄性、多数の雌花と基部に少数の雄花をつける。雌鱗片は披針形、先は鋭尖頭で芒端。果胞は直立し、狭披針形~披針形、黄緑色~淡緑色、膜質で長さ7~10mm、縁は狭い翼状でざらつき、基部は柄状。上部は嘴状となり、口部は2深裂する。柱頭は2岐。山梨県では富士五湖の湖畔に点在するが個体数は少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類 2017年環境省絶滅危惧ⅠB類


    カヤツリスゲ 令和3年5月 河口湖で撮影


    同上


    同上


    別株


    雌花の鱗片は細くて長く、密集して箒状になる。


    令和3年5月初旬に撮影したまだ若いカヤツリスゲ

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スジヌマハリイ(カヤツリグサ科)

2021年06月02日 | カヤツリグサ科
 水湿地の砂地に生育する多年草である。茎の高さは30~60㎝、幅は1.5~2㎜で、茎は硬く触れると明瞭な稜がある。茎の下部の鞘はやや厚く、濃褐紫色。小穂の鱗片の先は円く、花柱基部は圧扁平の三角形をしている。果実に付着する刺針状花被片は4本または無く、ヌマハリイは5-6本あることで区別出来る。山梨県では富士五湖周辺に生育している。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類 2017年環境省絶滅危惧Ⅱ類


    スジヌマハリイ 令和3年5月 河口湖で撮影


    同上。茎は触れると片側に明瞭な稜があるが、画像では見えにくい。


    令和3年5月 別の日に河口湖で撮影。


    同上

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カサスゲ(カヤツリグサ科)

2021年05月30日 | カヤツリグサ科
 沼や池などの水湿地に生育する大型の多年草である。茎の高さは40~100cmになる。葉は硬く、幅4~8㎜。小穂は4~7個付き、一番上の1本だけが雄花で、残りの太い穂は雌花。雄小穂は茶褐色で、長さ4~7㎝の線形で、痛んでちぎれやすい。雌性の側小穂は長さ3~10㎝、幅約5㎜の円柱形。鱗片が赤褐色を帯びるのが特徴。果胞は熟しても膨らまない。果実は結実しないことが多い。柱頭は3岐。和名のカサスゲ(笠菅)の由来は、丈夫な長い葉を笠や蓑に利用したことから来る。

 2018年山梨県絶滅危惧Ⅱ類 2017年環境省-


    カサスゲ。先端の茶色い部分が雄小穂、下が雌小穂。令和3年4月 韮崎市の高層池で撮影。


    同上。雄小穂は痛んで千切れやすい。


    たくさん生育しているが穂を出しているものは少なかった。


    雌しべを出している雌小穂。


    雌しべが落下した雌小穂。鱗片は先端が尖り、辺縁が赤褐色を帯びる。

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ヒナスゲ(カヤツリグサ科)

2021年05月30日 | カヤツリグサ科
 林内や渓谷沿いの岩上を好んで生育する小型の多年草である。茎は糸状で高さ5~20㎝、基部の鞘は灰褐色ないしは赤紫色である。葉は糸状で柔らかく、二つ折れになりやすい。雌雄異株で、雄株の雄小穂は茎頂に1個付き、線形で赤紫色。雌株の雌小穂は疎に3~6個付く。雌花の鱗片は光沢があり濃赤色を帯び、果胞と同長か少し長い。果胞は有毛で柱頭は3岐。根茎は少し伸びて緩く叢生する。山梨県では主に県の北部に分布し、生育地、個体数とも比較的多い。

 2018年山梨県準絶滅危惧 2017年環境省-


    ヒナスゲ雄株。令和3年4月 西沢渓谷で撮影。


    雄株の雄小穂は茎の先端部に1個付き、線形で赤紫色。


    雌株


    雌株の雌小穂は3~6個付く。鱗片は濃赤色を帯びる。


    基部の鞘は赤紫色ないしは灰褐色。

 良く似た雌雄同株のサナギスゲが山梨県に生育しているらしい。

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カンガレイ(カヤツリグサ科)

2020年11月27日 | カヤツリグサ科
 沼や湿地に生育する多年草である。叢生して大株になる。花期は8~10月。三角形の茎の上部に柄の無い小穂が集まって大仏の頭状になる。


    カンガレイ 令和1年6月 椹池で撮影


    同上 叢生して大株になる。


    小さな花芽が茎の上部に付着している。


    令和1年9月 椹池で撮影


    同上 開花直前の花


    同上


    同上 一部が開花していて白っぽく見える。

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サギスゲ(カヤツリグサ科)

2020年11月27日 | カヤツリグサ科
 山地帯の湿地や沼の浅瀬に生育する多年草である。果時の綿毛はワタスゲに似るが、ワタスゲが球形の綿毛を付けるのに対してサギスゲは倒卵形でやや下向きに付ける。山梨県では八ケ岳山麓と南アルプス山麓の一部に生育している。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省-


    サギスゲ 令和1年6月 椹池で撮影


    同上 綿毛になり始めたばかりのサギスゲ


    同上 群生するサギスゲ


    サギスゲの綿毛

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山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

2020年11月27日 | カヤツリグサ科
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のカヤツリグサ科植物は以下の通りである。

絶滅危惧ⅠA類(CR)

 ジョウロウスゲ(2005山梨県CR 2017環境省VU)

 ミヤマクロスゲ(2005山梨県CR 2017環境省-)

 センジョウスゲ(2005山梨県CR 2017環境省CR)

 サギスゲ(2005山梨県CR 2017環境省-)


 ヒメマツカサススキ(2005山梨県CR 2017環境省VU)



絶滅危惧ⅠB類(EN)

 クロボスゲ(2005山梨県EN 2017環境省-)

 カヤツリスゲ(2005山梨県VU 2017環境省EN)

 ヒメカワズスゲ(2005山梨県EN 2017環境省-)

 アカンスゲ(2005山梨県- 2017環境省EN)

 スルガスゲ(2005山梨県DD 2017環境省EN)

 ハシナガカンスゲ(2005山梨県DD 2017環境省VU)


 タカネナルコ(2005山梨県EN 2017環境省VU)

 オノエスゲ(2005山梨県DD 2017環境省VU)

 スジヌマハリイ(2005山梨県EN 2017環境省VU)

 ヒゲハリスゲ(2005山梨県EN 2017環境省NT)

 フトイ(2005山梨県VU 2017環境省-)



絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 カサスゲ(2005山梨県VU 2017環境省-)

 カンガレイ(2005山梨県VU 2017環境省-)

 マツカサススキ(2005山梨県VU 2017環境省-)



準絶滅危惧種(NT)

 ヒナスゲ(2005山梨県EN 2017環境省-)

 ハマスゲ(2005山梨県EN 2017環境省-)


情報不足(DD)

 ヒラギシスゲ(2005山梨県DD 2017環境省-)

 アワボスゲ(2005山梨県DD 2017環境省-)

 カラフトイワスゲ(2005山梨県DD 2017環境省EN)

その他

 ザラツキシラスゲ(チチブシラスゲ) (2018山梨県なし 2017環境省CR)



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