山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

八ヶ岳、小泉口から権現岳を目指して  平成19年12月30日-1月1日(3日目)

2008年01月08日 | 八ヶ岳・秩父山系
平成20年1月1日(3日目) 天候晴れ時々曇り
 元日の朝は4時に目が覚めた。外に出てみると空は雲が覆い、時折うっすらと三日月が透けて見えるものの星は全く見えない。初日の出を見るのは難しいか?と思いつつ再びシュラフに潜り込む。5時半頃に再び起き出し、準備をする。ゴソゴソとやっていたらみんな目を覚ましてしまった。
 6時10分、ヘリポートに登ると、甲府盆地の明りはまだ灯っており、足早に雲が流れ行く中を時折富士山が姿を現していた。朝焼けの空がオレンジ色に染まっている。間もなく、ほかの3人も到着し、日の出を待つ。6時56分、富士山の左手の雲がきらきらと輝き出し、真赤な平成20年の初日の出が昇る。雲の巻く感動的な初日の出を拝むことができた。白く凍りついたカラマツ林の樹氷が朝日に輝き、また一段と美しさを増している。私は7時半まで樹氷の林を前景に富士山を撮影し、テントに戻った。

    平成20年元日の富士  八ヶ岳ヘリポートから


    平成20年の初日の出  勢い良く雲が流れ行く中、真赤な日が昇る。


    雪煙舞う  時折強風とともに雪煙が舞い上がる。


    朝日に輝く樹氷と富士

 本日の朝食メニューは正月料理のお雑煮。朝から腹いっぱい食べる。のんびりした後、いよいよテント撤収、下山だ。9時半、下山開始。2日間吹き荒れた強風はやや納まり、青空が見えている。しかし、下山途中に八ヶ岳を見上げるとヘリポートの上あたりからどんよりと暗い雲がかかっており、冬型気圧配置の時は八ヶ岳はなかなか晴れないらしい。順調に下山し、10時半八ヶ岳遊歩道通過、11時半に小泉口ゲート到着した。

    富士山を見ながら笹スベリを下る

 3日間で人に出会ったのは下山時に八ヶ岳神社で一人のみ、この季節は小泉口から三つ頭、権現岳を目指す人は少なく、静かな山旅ができる。しかし、その分ラッセルは覚悟して登らねばならないだろう。
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八ヶ岳、小泉口から権現岳を目指して 平成19年12月30日-1月1日(1・2日目)

2008年01月08日 | 八ヶ岳・秩父山系
平成19年12月30日・31日(1日目・2日目) 天候曇り・雪・強風

 所属する嶺朋クラブで権現岳に行くというので同行させていただいた。メンバーは私を含めて4人、ベテランの人たちばかりで足を引っ張りそうだ。私が早朝写真を撮影に行く際に他のメンバーに迷惑をかけると悪いので、当初は私だけ1人用テントで寝るはずだったのだが、天候が思わしくなく、写真は無理そうなこと、さらに持って行く荷物を見てびっくり、食料と燃料、アルコール等、もろもろで大荷物だ。カメラ機材だけで4キロ強あり、それに自分のテントと分担荷物を持って行くパワーはとても無いので、即効でテントはあきらめ、一緒のテントに寝させてもらうことにする。
 6時、韮崎市役所の駐車場に集合し、車1台に乗り込み移動、小泉口ゲートから7時40分に歩き始める。林道にはほとんど雪はないが、ところどころ凍りついていた。伐採中のカラマツ林を通過し、1時間後八ヶ岳神社を通過、9時10分、八ヶ岳遊歩道を横断する。このあたりから足元に少しずつ雪が見え始め、そこから30分ほど登ったところで小雪が舞い始め、積雪もくるぶしくらいのところまで積もっている。ビュービューと風の吹く音が聞こえる。スパッツと防寒着を装着し、小雪舞う中を笹すべりの長い登りをひたすら歩く。

    八ヶ岳神社  もっと大きな神社かと思っていたが、意外と小さかった。


    八ヶ岳横断遊歩道を横切る。このあたりから雪が見え始める。

 予定では木戸口あたりにテント設営するはずだったが、木戸口の稜線に抜けると風が強そうなので、ヘリポート直下の開けたところにテントを設営した。時間は12時、まだ早いので、木戸口までトレースをつけに行くことにする。初めてワカンを装着して雪上を歩いたが、なかなか快適で楽しい。しかし、明日は大丈夫か?荷物が重かったので、ここまでで結構足に来ている。木戸口まで登ると、予想通り稜線上は強風で極寒、木々が凍りついていた。ヘリポート下にテントを張って正解だった。

   凍るサルオガゼ  木戸口公園の直下で。

 午後1時、テントに戻り、軽食をとって早速ビールで乾杯、嶺朋クラブ宴会モードに突入。4人でビール10缶とウィスキー類約1.5リットル、アルコールも食べ物も時間もたっぷりある、はずだった。しか~し、みんな結構強い。特にリーダーのMiさんはうわばみ、明日の分を数缶残してビールは瞬く間に消失、ブランデー500mlも日が暮れる前に無くなり、サントリーオールド1本(720ml)をほとんど飲み尽くしたあたりで消灯時間の7時となる。今回の食事担当は女性のMaさん、キャベツ1個をまるごと持ってきて、ツナとキャベツのサラダを作ってくれたが、これは激ウマい。夕食の餅入りラーメンもうまかった。いつも単独でテントに篭り、ドライフードばかり食べている私のテント山行とは大違いだ。いろいろと勉強になった。

    ヘッドライト舞う  ヘリポート直下にテントを張る。夜景が見える。

 翌朝は5時半に起床し、朝食をとり、7時に権現岳目指して出発。昨日つけたトレースは強風と雪でところどころかき消されていた。心配していたとおり、私は登りはじめから足が重くてついて行くのがやっと。木戸口を過ぎたあたりからは完全に3人に遅れをとるようになる。ワカンを装着してはいるが、膝までは平気で沈み、一歩間違うと腿まではまる。急斜面は想像した以上に登りにくく、ワカンごとずるずると滑り落ちてしまう。しかも強風、小雪舞う悪天候で視界もあまり良くない。悪戦苦闘し、3人から遅れること15分、ようやく三つ頭に到着した。時間は10時30分だった。風はさらに強さを増し、その先の権現岳は全く見えない。いつもなら天女山側から登って来る登山者が必ずいるものなのだが、この日は全く歩いた形跡なし。早々に記念撮影を済ませ、ここで引き返すこととなった。

    三つ頭を目指して  強風,小雪舞う悪天候。


    三つ頭山頂にて  悪天候のためここまでで引き返すことにした。

 登りは歩くのに必死で景色を見ている余裕などなかったが、下りながら周りを見回すとあまり見たことのない凄い景色が広がっていた。強風で雪が横から吹きつけ、真白になったシラビソ原生林、ところどころに開けるダケカンバ林、独特の曲がりくねった幹と、枝の先には雪がつき、きれいな樹氷になっている。景色を見ながら下山していると、左足のワカンで右のワカンを踏みつけて転倒し、見事に1回転。さらに今度は左足のワカンが木の枝にひっかかって半回転、急斜面じゃなくて良かった。
 他の3人はそのままテントに戻ったが、私はダケカンバの樹氷を写真に撮りたくて、木戸口公園に一人残り三脚を立てる。時折見える青空と樹氷に陽が差し込む瞬間をじっと待ち、シャッターを切る。たいした写真にはならないが、こうやって寒い中を待ってシャッターを切る瞬間は言い難い楽しさがある。家に戻ってから気がついたのだが、右耳は軽い霜焼けになっていた。

    木戸口のダケカンバ林  強風で寒いが、枝についた白い樹氷が美しい。

      
        一瞬の青空


    雪のカラマツ林

 1時間半くらい木戸口で過ごし、2時40分、テントに戻る。私の分のビールと絶賛したキャベツとツナのサラダを準備してくれて迎えてくれた。おせち料理まで持ってきてくれていて、感激!再び嶺朋宴会モード突入。明日は下山するだけなので、消灯時間を夜9時に設定したが、アルコールが7時過ぎには無くなってしまった。つまみと酒でほとんど腹も減らないが、夕食はきちんと食べる。本日のメニューは年越しソバ。しかも乾麺ではなくて生ソバだ。腹いっぱい食べ、アルコールは無いのか?そういえば私のサックにポケットサイズ瓶のバーボンが少し残っていたか?探すとあったのでそれを飲み、さらに元日のお神酒に持ってきた日本酒紙パック2本のうち1本を飲みつくして本日の宴会終了。9時まで持たず、8時半に消灯となった。夕方は青空が広がっていたので、元日の初日の出を拝められることを期待しつつ眠りにつく。
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