平成21年7月5日 天候曇り
昨年は当院職員約10人とともに富士山に登ったが、今年は山らしい山を楽しんでもらおうと、八ヶ岳登山を計画した。しかし・・・集まったメンバーは私を含めて5人のみ。10人くらいは集まると思っていたのだが、ちょっと残念。当初は美濃戸から入山して赤岳を越えて赤岳天望荘1泊、翌日横岳・硫黄岳を越えて下山する予定だったのだが、3日(金曜日)朝の天気予報では4日の降水確率50~70%、しかも大気の状態が不安定で雷を食らうかもしれないという予報だったため、宿泊をキャンセルして5日日帰りに変更した。ところが・・・4日朝空を見上げると青空が広がっている。天気予報は完全にはずれて、想定外の良い天候となってしまった。今さらメンバーを集めるわけにも行かず、1日損をした気分でその日を過ごした。
さて、翌朝は4時半に病院集合し、出発。韮崎で1人乗せてゆくはずだったが、待ち合わせ場所を私が間違えたおかげで街中を車で右往左往することになる。日帰りなので今回は硫黄岳西側の桜平から入山する予定を立てたが、そこまで行くのに一苦労した。夏沢鉱泉が表示されないので事務所でカーナビをセットしたところ、そこは桜平方面ではなくて茅野市街の近くまで行ってしまった。そんなことで、桜平到着までに予定時間を1時間もオーバーしてしまい、歩き始めたのは7時半近くになってしまった。
桜平のレンゲツツジ.車は道横の空いたスペースに停める.
オサバグサの群落.林道横にたくさん咲いていた.
レンゲツツジとハクサンシャクナゲの咲く桜平を出発し、しばらくは林道を歩く。道横にはキバナノコマノツメがたくさん咲き、ツガの樹林帯に入ったあたりから可愛らしい白い花の群落が目に付くようになる。私は始めて見るオサバグサだ。三脚を出して撮影したりしていると、同行した若者3人はあっという間に見えなくなってしまう。彼らのペースは速いので、夏沢鉱泉とオーレン小屋の待ち合わせを決めて先に行ってもらうことにした。40分ほどで夏沢鉱泉、さらに40分ほどでオーレン小屋に到着した。休憩して昼食分の水をここで汲み、夏沢峠に向かう。
オーレン小屋.大きくて立派な小屋.小屋前の花壇ではコマクサが満開.
夏沢峠.小屋の後ろに見えるのがこれから登る硫黄岳.
夏沢峠に到着すると一気に展望が開け、目指す硫黄岳が右手に見えるようになってくる。ここからがいよいよ登山らしい登りになってくる。森林限界を超え、ハイマツと岩の中にジグザグにつけられた道をぐんぐん登る。途中にはイワウメの大群落や、コイワカガミ、イワヒゲ、キバナシャクナゲなどの花が咲きほこる。1時間半ほどかけて硫黄岳山頂に到着したのは11時だった。
イワウメの群落.森林限界を超えるとイワウメやコイワカガミの群落が見られるようになる.
硫黄岳爆裂火口の縁を歩く.
振り返って見る天狗岳.夏沢峠から反対方向に向かえば天狗岳だ.
硫黄岳山頂
雲が湧き上がってはきているが、かろうじて主峰赤岳の姿は拝むことができた。硫黄岳山荘側に下りて行くと、山荘の手前の砂礫地にウルップソウが咲いていた。群落とまではゆかないが、たくさん咲いているのを見ることができた。小休憩して横岳に向かったが、あっという間に厚い雲に横岳側がおおわれてしまい、雷の危険性もあったので中腹で折り返し、硫黄岳山荘で昼食にした。同行した河西君はカップラーメン5個、すなわち全員分のカップラーメンをザックの中に入れ、バーナーもこのために新規に購入してきていた。意気込みが感じられ、今後の活躍が期待できそうだ。
かろうじて見えた主峰赤岳と阿弥陀岳
硫黄岳山荘到着.このあたりの砂礫帯にウルップソウが咲いている.
ウルップソウ.向こうに見えるのは赤岩の頭.赤岳鉱泉に下りるルートが見える.
硫黄岳山荘横のお花畑に咲いていたウルップソウ.
チョウノスケソウ
ハクサンイチゲとオヤマノエンドウ
コイワカガミの大群落.八ヶ岳はこの季節にさまざまな高山植物が一斉に咲き乱れる.
天気はなんとか持っているが、山はもうすっかり雲におおわれてしまった。横岳はあきらめて下山することにした。硫黄岳に登り返すと、石室の前で見慣れた顔の女性が休んでいた。嶺朋クラブでお世話になっている小野さんだ。美濃戸から単独で赤岳、横岳を越えてこれから赤岳鉱泉に下りるところだという。さすがに長年の経験者、早い。今年は花の咲くのが遅く、この季節でもツクモグサが咲いていたらしいのだが、小野さんは見つけられなかったらしく残念がっていた。赤沢の頭まで一緒に下りて、そこから私たちは右に折れてオーレン小屋へ、小野さんは左の赤岳鉱泉に下りていった。オーレン小屋側の道はほとんどが樹林帯の中で展望が利かず、この道は下山で使ったほうが良さそうだ。
硫黄岳石室で嶺朋クラブの小野さんとバッタリ.(左が小野さん,右が当院の田村さん)
イワヒゲの大株
赤岩の頭で横岳と雲をバックに.ここからオーレン小屋に下りる.
高度を下げるにつれて気温が上昇し、暑くなってきた。おそらく、甲府盆地では30℃くらいまで気温があがったことだろう。桜平に3時45分無事到着。若者たちには物足りなかったかもしれない、花を巡るスローペース登山だったが、私としてはもう少しゆっくりと花を見ながら写真を撮りたかったというのが本音だ。
昨年は当院職員約10人とともに富士山に登ったが、今年は山らしい山を楽しんでもらおうと、八ヶ岳登山を計画した。しかし・・・集まったメンバーは私を含めて5人のみ。10人くらいは集まると思っていたのだが、ちょっと残念。当初は美濃戸から入山して赤岳を越えて赤岳天望荘1泊、翌日横岳・硫黄岳を越えて下山する予定だったのだが、3日(金曜日)朝の天気予報では4日の降水確率50~70%、しかも大気の状態が不安定で雷を食らうかもしれないという予報だったため、宿泊をキャンセルして5日日帰りに変更した。ところが・・・4日朝空を見上げると青空が広がっている。天気予報は完全にはずれて、想定外の良い天候となってしまった。今さらメンバーを集めるわけにも行かず、1日損をした気分でその日を過ごした。
さて、翌朝は4時半に病院集合し、出発。韮崎で1人乗せてゆくはずだったが、待ち合わせ場所を私が間違えたおかげで街中を車で右往左往することになる。日帰りなので今回は硫黄岳西側の桜平から入山する予定を立てたが、そこまで行くのに一苦労した。夏沢鉱泉が表示されないので事務所でカーナビをセットしたところ、そこは桜平方面ではなくて茅野市街の近くまで行ってしまった。そんなことで、桜平到着までに予定時間を1時間もオーバーしてしまい、歩き始めたのは7時半近くになってしまった。
桜平のレンゲツツジ.車は道横の空いたスペースに停める.
オサバグサの群落.林道横にたくさん咲いていた.
レンゲツツジとハクサンシャクナゲの咲く桜平を出発し、しばらくは林道を歩く。道横にはキバナノコマノツメがたくさん咲き、ツガの樹林帯に入ったあたりから可愛らしい白い花の群落が目に付くようになる。私は始めて見るオサバグサだ。三脚を出して撮影したりしていると、同行した若者3人はあっという間に見えなくなってしまう。彼らのペースは速いので、夏沢鉱泉とオーレン小屋の待ち合わせを決めて先に行ってもらうことにした。40分ほどで夏沢鉱泉、さらに40分ほどでオーレン小屋に到着した。休憩して昼食分の水をここで汲み、夏沢峠に向かう。
オーレン小屋.大きくて立派な小屋.小屋前の花壇ではコマクサが満開.
夏沢峠.小屋の後ろに見えるのがこれから登る硫黄岳.
夏沢峠に到着すると一気に展望が開け、目指す硫黄岳が右手に見えるようになってくる。ここからがいよいよ登山らしい登りになってくる。森林限界を超え、ハイマツと岩の中にジグザグにつけられた道をぐんぐん登る。途中にはイワウメの大群落や、コイワカガミ、イワヒゲ、キバナシャクナゲなどの花が咲きほこる。1時間半ほどかけて硫黄岳山頂に到着したのは11時だった。
イワウメの群落.森林限界を超えるとイワウメやコイワカガミの群落が見られるようになる.
硫黄岳爆裂火口の縁を歩く.
振り返って見る天狗岳.夏沢峠から反対方向に向かえば天狗岳だ.
硫黄岳山頂
雲が湧き上がってはきているが、かろうじて主峰赤岳の姿は拝むことができた。硫黄岳山荘側に下りて行くと、山荘の手前の砂礫地にウルップソウが咲いていた。群落とまではゆかないが、たくさん咲いているのを見ることができた。小休憩して横岳に向かったが、あっという間に厚い雲に横岳側がおおわれてしまい、雷の危険性もあったので中腹で折り返し、硫黄岳山荘で昼食にした。同行した河西君はカップラーメン5個、すなわち全員分のカップラーメンをザックの中に入れ、バーナーもこのために新規に購入してきていた。意気込みが感じられ、今後の活躍が期待できそうだ。
かろうじて見えた主峰赤岳と阿弥陀岳
硫黄岳山荘到着.このあたりの砂礫帯にウルップソウが咲いている.
ウルップソウ.向こうに見えるのは赤岩の頭.赤岳鉱泉に下りるルートが見える.
硫黄岳山荘横のお花畑に咲いていたウルップソウ.
チョウノスケソウ
ハクサンイチゲとオヤマノエンドウ
コイワカガミの大群落.八ヶ岳はこの季節にさまざまな高山植物が一斉に咲き乱れる.
天気はなんとか持っているが、山はもうすっかり雲におおわれてしまった。横岳はあきらめて下山することにした。硫黄岳に登り返すと、石室の前で見慣れた顔の女性が休んでいた。嶺朋クラブでお世話になっている小野さんだ。美濃戸から単独で赤岳、横岳を越えてこれから赤岳鉱泉に下りるところだという。さすがに長年の経験者、早い。今年は花の咲くのが遅く、この季節でもツクモグサが咲いていたらしいのだが、小野さんは見つけられなかったらしく残念がっていた。赤沢の頭まで一緒に下りて、そこから私たちは右に折れてオーレン小屋へ、小野さんは左の赤岳鉱泉に下りていった。オーレン小屋側の道はほとんどが樹林帯の中で展望が利かず、この道は下山で使ったほうが良さそうだ。
硫黄岳石室で嶺朋クラブの小野さんとバッタリ.(左が小野さん,右が当院の田村さん)
イワヒゲの大株
赤岩の頭で横岳と雲をバックに.ここからオーレン小屋に下りる.
高度を下げるにつれて気温が上昇し、暑くなってきた。おそらく、甲府盆地では30℃くらいまで気温があがったことだろう。桜平に3時45分無事到着。若者たちには物足りなかったかもしれない、花を巡るスローペース登山だったが、私としてはもう少しゆっくりと花を見ながら写真を撮りたかったというのが本音だ。