山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

夕暮れの釈迦ヶ岳 平成22年2月4日

2010年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月4日

 前日の新道峠に続き、芦川から釈迦ヶ岳を訪れた。前日のすずらん峠駐車場からのルートの方が安全、かつ楽なのだが、本日は手前側の西側急峻なルートを登る。
 歩き始めたのは午後3時、山頂まで約1時間半なので、下山は夜になる。それは最初から計算済み、むしろ可能ならば山頂で日没を迎え、オリオン座と冬の大三角形が富士山の上に南中する夜9時まで粘ってから下山したい。以前からずっと狙っている富士山の上に南中する冬の大三角形だが、なかなか機会に恵まれずに撮影できずにいる風景だ。

    最初は林道を歩く。林道から見上げる釈迦ヶ岳。


    1時間ほどで稜線のコルに到着。向こうに見えるのは大栃山。


    心配していたロープ場だが、雪は大部分溶けていた。一部凍りついていた。


    頂上直下、もうすぐ日が暮れる。


    冬になると葉の落ちた木々の幹や枝がおもしろい。向こうの南アルプスや八ヶ岳は霞に消える。

 数名登ったトレースがあり、それに従って登る。夜の下山時にトレースを見失わないように、不明瞭な部分は雪の上を何度も踏みつけてトレースを明瞭にしながら登って行く。心配していたロープ場は、雪は大部分溶けているものの一部凍りついている。いつもならロープに頼らずに登るのだが、この日はロープにぶら下がるようにして越える。日没前の4時40分、山頂に到着した。

    日没の釈迦ヶ岳山頂


    残念ながら富士山は雲の中。あきらめて下山の準備をしていると・・・


    雲の上に夕陽を浴びた富士山が顔を出し始める。


    釈迦ヶ岳の夕暮れ  

 甲府を出たときはくっきりと見えていた富士山だったが、この時間にはすっぽりと雲におおわれてしまっていた。これでは夜まで待つ意味もない。気温-7度、結構寒い。5時過ぎ、三脚をたたんで帰りの準備をしていると・・・見えだした。夕陽の射す富士山が山頂の部分だけ雲の上に顔を出している。また三脚を取り出して撮影していると、しだいに裾まで姿をを現すようになってきた。望んでいたがなかなか見られなかった風景が目の前に広がる。

    山頂西側から見る夕暮れの甲府盆地。うっとり見とれてしまい、下山が遅くなってしまう。


    登りながら見た木は夜になるとまた違う雰囲気になる。

 このまま夜まで待つこともできなくはなかったが、さすがに凍りついたロープ場を真っ暗の中を下りるのは辛い。甲府盆地に明かりが灯るギリギリの時間まで辛抱し、まだ薄明かりであたりが見えるうちに下山を開始。途中から見る甲府盆地の夜景が美しく、結局ロープ場を越えるのは真っ暗な時間になってしまったが、なんとか無難に越えることができた。林の中から空に輝くオリオン座と冬の大三角形、そして今ひときわ赤く明るく輝く火星を頭上に眺めながら、ヘッドライト点灯してすっかり暗くなった7時、下山した。
 テントを張るような山ではないのだが、この山の山頂からほぼ真南に位置する富士山と冬の大三角形、そしてひょっとしたら一瞬だけ見えるかも知れないカノープスを見てみたいと思っている。さそり座もこれから良い季節になる。いつになるか、しかしいつか・・・一夜を過ごしてみたい。
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新雪の新道峠へ 平成22年2月3日

2010年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月3日

 前日の雪はもうだいぶ溶け、積翠寺の樹氷は1日にして終わってしまった。三つ峠ライブカメラでも、樹氷ではなくて木の上に雪が乗っかっているような風景になってしまっている。美しい樹氷の風景を楽しめたのは1日だけだった。おそらく、カメラマンのメッカ、新道峠を訪れた人もたくさんいたのでは?1日遅いが、午後時間が空いたので芦川から新道峠を歩いてみた。
 芦川からすずらん峠に向かう道に入ったあたりから雪が積もっており、30cmほどの積雪の道が続く。車は何台も入っているようで、轍の跡がしっかりとついておりそれに従って走り、すずらん峠下の大きな駐車場に車を止めた。すれ違った車は1台のみ、駐車場に止めてある車もない。この季節は新道峠へ向かう林道のゲートは閉じており、この駐車場からゲートまで歩いて15分ほど、さらに林道を1時間ほど歩いてようやく林道終点だ。ゲートの先まで車の轍が続いていたが、駐車してある車は1台もいなかった。出会った人はゲートの手前で一人だけ、やはり大きな三脚を担いでいる人だった。ゲートを越えて林道を歩いて行くが、以外にも踏み跡が少なく、2~3人歩いたかどうかといった程度だった。黒岳登山道の分岐点に差しかかると、黒岳方面への足跡は全くなし。足跡をたどって新道峠に行くのは楽だが、さて、どうするか?折角のトレースのない新雪を踏むには絶好の機会ではないか?迷って一旦はトレースを踏んで新道峠に進んだが、思い返して引き返し、トレースのない黒岳への登山道を進む。

    黒岳分岐点  黒岳方面へのトレースはない。


    30cmほどの雪。くるぶしから膝下くらい。


    若干崩落している沢筋をまわり込む場所。下には石がゴロゴロしているはずなので注意して通過するが、全く問題なし。

 ふかふかの新雪、時折ズルッと滑るが、膝下の踏むとギュッと鳴る雪で快適だ。途中でトレースがあり、それに従って進んで行ったが、途中で林の急斜面にそのトレースは消えていった。良く見れば、蹄の跡・・・大きな鹿が何頭か歩いた跡だった。どうりで、登山道から少し外れたトレースの訳だ。登山道に戻って進み、いちばん警戒していた沢を回り込む場所をスリップしないように気をつけて通過し、約1時間で尾根道に抜け出た。

    破風山 富士山方面は全く見えず。


    反対側は青空が見えている。


    つららの垂れ下がる木


    クリスマスツリーに飾りをつけたようだ。

 こちらはしっかりしたトレースがあるが、黒岳への足跡は一人分だけ、あまり歩いていないようだ。時間は3時半で、雲が沸いて富士山は全く見えない状況だったので、黒岳はあきらめて新道峠に向かう。積雪は30cmほど、トレースをたどって快適に歩ける。破風山周辺のモミの木は雪が溶けてつららがぶら下がっており、クリスマスツリーに飾りをつけたようだった。富士山が見えれば良い風景だったのだろうが、全く姿を現しそうもない。

    新道峠の有名な木。なかなか樹氷の風景になってくれない。


    夕陽射す釈迦ヶ岳


    空から降るように時折雲が巻きつく。


    芦川の夕暮れ


   夕焼け雲流れる

 新道峠の有名な木はもう雪が溶けて落ちてしまっていた。この木に雪や霧氷がまとわりつき、その向こうに富士山が立つ風景を狙っている人はたくさんいることだろう。なかなかそういう情景を見せてはくれない。たくさんついていたトレースは、以外にも芦川方面からのトレースではなく、大石側からのトレースだった。林道に下り立つと、その先のトレースはほんの数人だけ。稜線を歩くよりもこの林道のほうがむしろ歩きにくい。ちょうど夕暮れの光が射し込んでいた釈迦ヶ岳は、夕陽を浴びて金色に輝き、わずか1600mほどの低山とは思えない美しい姿で空に向かって立っていた。やがて空が赤く焼け、夕暮れとなる。空にはおおいぬ座のシリウスが輝き出す。暗くなった林道を急ぐこともなく、そしてヘッドライトを点けることもなく、存分に楽しみながら歩き、駐車場に到着。午後6時。
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