予想はしていたのだが、山梨県はなかなか夕方の晴れ間が覗かず、紫金山・アトラス彗星を観察する機会が訪れなかった。やっとそれなりに空が晴れたのがこの日であるが、地球からの距離が遠くなってしまった彗星はすっかり小さくなってしまっているだろう。それでも、観察することは十分に可能なはずである。今回は鳳凰山地蔵岳のオベリスクの上に舞い降りる彗星を撮影するため、韮崎市と甲斐市の境界付近を訪れてみた。予定していた場所は前方に電線があって視野がいまひとつのため100mほど東に寄った視野の良い丘の上から撮影することにした。そのため彗星はオベリスクよりもだいぶ左に沈んでしまうがこれも止む無し。到着した午後5時半ごろはまだ鳳凰山に雲がかかっていて地蔵岳は見えていない。しかし、日没後に冷え込んで来れば、この雲も晴れてくるであろう。
午後5時45分ごろの鳳凰山には雲がかかっている。右端に頭が見えているのは甲斐駒ケ岳、左の明るい星は金星。
午後6時15分ごろから雲が晴れて鳳凰山の頭が見えてきた。
左上に彗星が写ってきたが、やはりかなり小さくなっている。
鳳凰山の上を紫金山・アトラス彗星が舞い降りてくるが、70㎜レンズの視野ではかなり小さい。
200㎜レンズ視野の紫金山・アトラス彗星。10月13日に撮影した時はレンズ視野いっぱいに尾を引いた彗星が写ったが、今回はかなり小さい。
約20枚を加算処理してトリーミングした画像
地蔵岳に舞い降りる紫金山・アトラス彗星
400㎜望遠レンズでの撮影だが、Iso感度6400まで上げたためかなり画像が荒い。
18コマを恒星基準で加算処理
山の部分を同じく加算処理
2枚をフォトショップで合成して処理して得られたのがこの画像
ノイズが多い画像でもステライメージというソフトで加算処理してやるとそれなりの画像が得られる。まだ不慣れなことがあってやや不自然な感じがしなくもないのであるが、このくらい処理が出来れば上出来かと思っている。おそらく彗星を追いかけるのはこの日が最後になるであろう。もっと撮りたかったが、天候の良い日がほとんど訪れなかったのが残念である。
おまけに撮ってきた写真。鉄塔の左にうっすらと富士山が見える。
東の空に昇って来た明るい木星
夏の大三角形が見えるが、天の川はほとんど写らず。