後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

こういうご批判を頂きそうです。

2009年02月09日 | うんちく・小ネタ

この記事のすぐ下に、「女性に読んで貰いたい原子力発電の安全性」という記事を掲載しました。女性の方から下記のよう主旨の批判的なコメントを頂きそうな気が致します。

多くの女性の方々も同じような疑問をお持ちではないかと想像します。そこで筆者の個人的な意見ですが、あらかじめ、お答えして見ようと思います。

=======女性の方から想像される質問===========

(1)チェルノブイリの惨状が起きれば東京も被害が?

チェルノブイリの惨状、東海村の汚染事故など、もし大きな事故があれば千葉、東京にまで及ぶ広範囲な地域に深刻な影響が出る可能性は無いのでしょうか?

(2)原子力発電所の耐震強度保障は限定的では?

発電装置の安全性が確認されたとしても、いったいその全体構造の耐震安全性はどこまで信用性があるのでしょうか?

(3)日本は不必要な電気を浪費していませんか?

(4)原子力発電は核兵器へ転用される恐れがありませんか?

(5)太陽光発電、風力発電、地熱発電を進めれば原子力発電は要らない!

危険性がそんなにあるなら、太陽光発電、風力発電、地熱発電の技術を追求してほしいです。

(6)電力を使わないアーミッシュのような生活へ切り替えるべき!

みんなで電力を使わない生活に切り替える。アーミッシュの人々のように前世紀の暮らしに戻る。そのくらいしないと、こどもたちに無事この美しい星、地球を送り届けることはできないのではないだろうか。

=======筆者からのお答え==================

(1)チェルノブイリの事故はロシアの無責任な安全管理の結果、炉心が蒸気爆発し広範囲に炉心の危険な核物質が撒き散らされたためです。
東海村の放射汚染とは危険度が非常に違います。東京まで被害は及びません。

チェルノブイリのような炉心の蒸発・爆発が起きれば被害は東京までおよぶでしょう。

(2)日本で従来あった地震程度には十分耐えられる安全構造になっています。それでは従来の地震の数十倍の強さの地震が起きたら?
まず原子炉は破壊されるでしょう。チェリノブイリのような炉心の暴走と惨状が起きるでしょう。
ですから誰も100%の保証は出来ません。しかし日本では現実的な必要性があると信じている政治家と官僚によって、すでに34%の電気が原子力で作られています。
ですから、それを無くしてほしいと言うよりも現実にある装置の安全性を大きくする方法を考えるほうが建設的な態度になると思います。

(3)電力の無駄使いを止めるべし!

電力の無駄使いを止めると不景気が一層進み、失業者がまた増えるかも知れません。節約と経済活性とは相反する部分もあります。難しい問題です。

(4)原子爆弾を作る技術は易しいと言います。

そうだからこそ核爆弾を製造しないように監視を厳しくする必要があるのです。いつもその可能性が有るからこそ女性も原子力発電へ強い関心を持ち、間違っても原爆製造をしないように監視したほうが抑止効果が上がると思います。

(5)太陽光発電、風力発電、地熱発電を拡大して原子力発電を止める!

太陽光発電、風力発電、地熱発電は現在の技術レベルでは大電力を得ようとすると莫大なコストがかかりすぎて現実的な解決になりません。あくまでも補助的な発電方法の段階です。しかし環境保護の社会運動推進のためにそれらを増設することは有意義なことと思います。

(6)1億人以上の日本人がこの狭い国土で餓死しないのは、大電力を使って工業製品を作って外国へ売って、食料を外国から買っているからなのです。減反政策で荒廃した水田を元に戻すには数年かかるという話も聞きます。
アーミッシュのように自給自足に戻れば、2、3千万人の日本人が飢餓状態になるでしょう。だから後戻りは不可能では有りませんが、相当な犠牲を伴うのです。
ですからこそ、発電を環境にやさしいしい、水力や風力、太陽光などに限定することは現実的な解決法と考える人が少ないと思います。

最後に一言:私は他人を説得しようとは思いません。ただお互いに虚心坦懐に相手の書いたことを何度も読み返して、ゆっくり考えることが重要だと信じています。

(終わり)


原子力発電が好きですか?嫌いですか?(3)女性に読んで貰いたい原子力発電の安全性

2009年02月09日 | うんちく・小ネタ

原子力発電の記事へ対して、BYOOLというSNSの会員の男性の方々から客観的な、そして素晴らしいコメントを頂きました。ところが何時も励ましのコメントを頂く数人の女性の方々からはコメントが有りません。何か心配になり、今回は女性のための記事を書くことにしました。

女性は子供の安全を本能的に考えます。放射能の危険性がある原子力関連設備を嫌う人が多いのも自然です。しかし子孫の安全の為に原子力設備の安全性を理解した方が良いと思います。不完全な安全管理や不完全な設備へ、女性の立場より客観的に批判を続けることが重要です。女性の説得力のある批判が安全性向上へ大きな貢献をすると筆者は信じています。

まず第一歩は下の図を理解して頂きたいのです。普通の火力発電と原子力発電の比較図です。上が火力発電で下が原子力発電です。

Plan01_s1_2

右のほうに示してある発電機を回すために高圧の蒸気を使うことは同じです。

その蒸気を作る方法がボイラーで作るか、原子核反応熱で作るかの違いだけです。

筆者は1961年に東海村の原子力研究所に我が国で始めて設置されたアメリカ製原子炉の運転研修会に参加しました。その時教えて貰った安全性向上の3つの大切な設備を紹介したいと思います。

(1)核反応停止のための制御棒の黒鉛棒の緊急落下設備。

(2)中心にある「核反応容器」とそれを包む格納庫をぶあつく、堅牢な材料で作り、可能な限り密閉する。大地震でも壊れれないように強い構造にする。

(3)炉心を冷却する水の循環と外部からの冷却水は熱交換器で分離して、炉内の放射性物質が格納庫から外に出ないようにする。

どんな技術者でも専門外の分野は理解出来ないことが多いものです。ですから女性は原子力の安全性確保の技術的な詳細を理解する必要はありません。

しかし、一番重要なことは女性が原子力へ関心を持ち続け、質問を続けることだと思います。避けて関心を持たないとすれば安全性向上の勢いがにぶります。

上の(1)、(2)、(3)について夫や息子へゆっくり聞くことが一番重要なことです。

「原子力発電の安全」を検索すると説明があります。

また発電所見学へ行って安全性について、感情的にならないで根気よく、優しく、質問を続ける事こそが一番重要です。専門家の説明が理解できなかったら、それは説明している人の責任です。素人に説明できない専門家は説明役を止めるべきです。そのようなご意見を発電所の幹部へ言ってあげるのも重要と思います。

女性が熱心に安全性について質問をすれば男性の技術者は深く考える習性を持っています。「何故あんなに繰り返し質問したのだろう?なにか技術的的に不完全なことを直感したのだろうか?」「もう一度考え直して見よう」という順序になります。

女性は直観力に優れています。男性技術者には専門バカになっている人もいます。お互いに協力しあって日本の原子力発電のより一層の安全性向上が実現することを期待したいです。それこそが子孫の為になる方法です。

(火力発電と原子力発電の比較図の出典:

http://www.hepco.co.jp/ato_env_ene/atomic/explanation/plan.html )

(続く)

今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。     藤山杜人