山梨県、旧武川村の山林の中をご一緒に歩いてみませんか?
自然に親しむ楽しさと、日本の農村の時代の流れがしみじみと味わえます。
まずはクヌギやコナラの雑木林に分け入りましょう。昨日の午後、孫3人を林の探検に誘ったのです。この雑木林は近隣で武川米を作っている農村の人々が植えたものです。すっかり落葉していますので冬の陽が明るく差し込んでいます。体が雑木と一体になったような気分になり、「ああ、自然に親しめる!」と感じます。
このような雑木林を300メートル位、西の方角へ歩いて行くと、突然大きな松の木が繁っている森へ着きます。村人が製材して材木を都会へ売るために丹精込めて世話をしてきた松林です。しかし松の大木やモミの大木が倒れたままに放置されています。1980年代の高度成長の前には貴重な材木として即刻運び出し、製材して都市の人々へ売れたものです。
輸入材木が安く入るようになり国産の材木は売れないのです。農村の人々は山林の中へは一切入らなくなりました。山菜採り以外は。
便利なプロパンガスが普及して、薪も炭も必要なくなりました。ですから山の林や森は荒れる一方です。少年の頃、薪や焚き木を取りに山へ行った経験があります。つらい仕事でした。それを回想しながら時代の流れの大きさをしみじみ感じます。
松林の中をさらに100メートル位西へ歩くと、石空川(いしうとろかわ)の崖の上にでます。左手の上流に小さく見える橋は自動車道路の橋です。この地点で崖を下りるのは危険です。左へ直角に曲がり300メートル位、崖に沿って登ります。するといきなり舗装道路へ上がれます。舗装道路を右方向へ歩くと、さっき見えた橋を渡れます。石空川の西岸には自動車道路が下へ伸びてます。2Km歩くと、巾の広い広域農道にでます。その地点で急に見晴らしが良くなり八ヶ岳、金峰山、そして甲斐駒が見えます。この散策ルートは子供の足で1時間位です。お疲れ様でした。
奥多摩などの近郊へ車でお出かけになり、自動車通りの脇に車を止めて山林の中に分け入り探検的な散策を楽しむことも出来ます。
林へ入る場合は、山の上から地形をよく観察して探検コースを決めます。磁石を持って行きましょう。500メートル歩けば自動車道路や川に出られる山林を選びましょう。可能な限り平坦な地形を選びましょう。傾斜地の山林は複雑な地形になっていることが多く、迷ってしまう危険があります。
十分注意深く、お楽しみ下さい。(終わり)