上の写真は長崎で1597年、慶長元年ににキリスト教を捨てなかったので、処刑された26聖人の像です。
外国人宣教師6名と日本人信者20名がキリスト教を捨てなかったので処刑されたのです。処刑後すぐにローマ法王は彼等に「聖人」の称号を贈ったのです。ですから、世界的に有名な話なのです。
処刑は26名だけではありませんでした。棄教しないキリスト教徒を拷問にかけ30万人も処刑したのです。(30万人については確証はありません)。
当時、日本に広がっていたキリスト教は、1549年にザビエルが伝えた天主教(カトリック)で、棄教は恥と思われていました。
1614年、慶長18年の大禁教令が出て、日本中のキリスト教徒は隠れて信仰を守る行動に入ったのです。それが隠れキリシタンです。
一方、高山右近という大名はキリスト教を捨てる代わりにフィリッピンへ逃げて行ったのです。
幕府は隠れキリシタンを摘発する為に「踏絵」を毎年、明治4年まで続行したのです。明治維新後もキリシタン禁教は厳しく守られていたのです。
しかし、この江戸幕府の厳しい禁教政策にも拘わらず、隠れキリシタンは251年も信仰を守ったのです。
この歴史ほど日本人の勇気と誠実さを証明するものはありません。日本人として世界に自慢したい歴史的事実です。
1614年、慶長18年の大禁教令から251年目の1865年、元治2年に隠れキリシタン達が、下の写真のような大浦天主堂に現れたのです。そしてフランスから来ていたプチジャン神父へ、ザビエルの伝えた天主教(カトリック)を信じてきたことを告げたのです。
そのように信仰に誠実な勇気ある日本人が居たのです。
日本が外国へ対して自慢出来るのは経済力だけではないのです。
もっと、もっと日本人はいろいろ自慢出来るものを持っていると思います。
皆様にお教え頂きたいと思っています。
下に隠れキリシタン関連の本を少しご紹介しておきます。
(1)片岡弥吉著、「踏絵―禁教の歴史」、日本放送出版協会、昭和44年6月初版発行。
(2)片岡弥吉著、「長崎の殉教者」角川選書33、角川書店、昭和45年3月初版発行。
(3)ルイス・フロイス著、柳谷武夫訳、東洋文庫4「日本史1、キリシタン伝来のころ」、平凡社、昭和38年10月、初版発行。
(4)平川祐弘著、東洋文庫141「マッテオ・リッチ伝、1」、平凡社、昭和44年6月、初版発行。
(5)岡田章雄著、「バテレンの道」、淡交社、昭和45年12月、初版発行。
(6)松田毅一著、「キリシタン時代を歩く」、中央公論社、昭和56年7月、初版発行。
(7)加賀乙彦著、「ザビエルとその弟子」、講談社、2004年7月、初版発行。