夏になると地方、地方で違ういろいろなお盆の行事があります。先祖の霊を迎え、霊をなぐさめ供養するのです。ご先祖さまをなぐさめるためにいろいろなお供え物を捧げます。そして盆踊りを楽しんで貰います。青森では佞武多(ねぶた)も楽しんでもらいます。
この世とあの世の行き来の乗り物としてキュウリやナスで作った馬と牛を供えます。果物やそうめんも供えます。
迎え火で亡くなった家族の霊を家に迎えます。盆の行事がすむと送り火でご先祖様たちをあの世へ送ります。精霊流しで霊が安らかにあの世に帰るのを祈るのです。
このようにあの世の人との交流なので神秘的な行事です。幻想的で美しい行事がそれぞれの地方でおこなわれるのです。
盆踊りはどんなに騒がしくても死者への捧げものなので一抹の哀愁がこもっているようです。
たとえば激しい踊りの郡上八幡の盆踊りの中にも淋しい曲と所作が混じっているのです。
私が見たいろいろな盆踊りの中で一番印象深いものは富山県の八尾町のおわら風の盆です。
踊り手の男女は笠を深くかぶり、絶対に顔を見せません。姿だけの踊りで先祖の霊を供養するのです。男衆は何故か淋しげな表情で三味線や胡弓を奏でます。哀愁がこもった美しい曲です。通りに面した家々は電燈を消して静かにしています。
ああ、これが本来の盆踊りなのだと感動したことが忘れられません。
この風の盆の写真を3枚お送りいたします。
写真の出典は、http://henmi42.cocolog-nifty.com/yijianyeye/2014/08/post-8c8c.html です。
そしてついでに精霊流しの写真を2枚お送り致します。写真の出典は順に、http://blogs.yahoo.co.jp/yokohama_crows/GALLERY/show_image.html?id=50643264&no=2 と
http://community.travel.yahoo.co.jp/mymemo/tass/blog/123614.html です。
お盆には胡瓜と茄子で馬と牛を作った思い出がある方々も多いと思います。そして美しいお盆提灯を押入れや蔵から持ち出して縁先に飾った思い出もある人もいるでしょう。
ところで私自身はお寺の本堂に特別に作った施餓鬼棚の前で数人のお坊さんが輪になってお経を唱えていた光景が忘れられません。毎夏、帰省していた兵庫の曹洞宗のお寺ではお盆になると決まって施餓鬼供養をするのです。餓鬼道に陥った亡者を供養したり、道ばたに倒れた人の霊を慰めるのです。そしてその時、全ての祖先もあわせて供養するのです。
この施餓鬼供養は6,7人のお坊さんが銅鑼や太鼓や鐘を打ち鳴らす珍しい供養で、子供心にも深い印象が残ったのです。それから茫々、数十年。昨年、奥多摩のある曹洞宗のお寺に何気なく入っていったら、その施餓鬼棚が本堂の前に飾ってあったのです。それは懐かしい光景でした。お盆といえば施餓鬼供養を毎年思い出しています。
このように人それぞれお盆にはいろいろな思い出をお持ちのことと思います。
お盆の時期は地方によって違います。先祖の霊の迎え方やお供え物も違います。盆踊りも違います。これこそ豊かなローカル文化として、夏の美しい風物詩になっているのです。
皆様のお盆にまつわる思い出をお聞かせ頂ければ嬉しく思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
====参考資料================
お盆:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E7%9B%86
・・・地方によっては、お盆の期間中には、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」(しょうりょううま)と呼ばれるきゅうりやナスで作る動物を用意することがある。4本の麻幹あるいはマッチ棒、折った割り箸などを足に見立てて差し込み、馬、牛として仏壇まわりや精霊棚に供物とともに配する。きゅうりは足の速い馬に見立てられ、あの世から早く家に戻ってくるように、また、ナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、また、供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いがそれぞれ込められている。
地方によっては「施餓鬼」(きこん または せがき)と呼ばれ、餓鬼道に陥った亡者を救ったり、餓鬼棚と呼ばれる棚を作り、道ばたに倒れた人の霊を慰めるなどの風習もこの頃に行われる。また、盆提灯と呼ばれる特別な提灯を仏壇の前に飾ったり、木組に和紙を貼り付けた灯篭を流す灯篭流しや、提灯を小船に乗せたようなものを川などに流す精霊流しを行う場合がある。特に長崎県長崎市の精霊船を曳き、市内を練り歩くのが有名。 特殊な例として盛岡市では供物を乗せた数m程度の小舟に火をつけて流す「舟っこ流し」が行われる。・・・
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この世とあの世の行き来の乗り物としてキュウリやナスで作った馬と牛を供えます。果物やそうめんも供えます。
迎え火で亡くなった家族の霊を家に迎えます。盆の行事がすむと送り火でご先祖様たちをあの世へ送ります。精霊流しで霊が安らかにあの世に帰るのを祈るのです。
このようにあの世の人との交流なので神秘的な行事です。幻想的で美しい行事がそれぞれの地方でおこなわれるのです。
盆踊りはどんなに騒がしくても死者への捧げものなので一抹の哀愁がこもっているようです。
たとえば激しい踊りの郡上八幡の盆踊りの中にも淋しい曲と所作が混じっているのです。
私が見たいろいろな盆踊りの中で一番印象深いものは富山県の八尾町のおわら風の盆です。
踊り手の男女は笠を深くかぶり、絶対に顔を見せません。姿だけの踊りで先祖の霊を供養するのです。男衆は何故か淋しげな表情で三味線や胡弓を奏でます。哀愁がこもった美しい曲です。通りに面した家々は電燈を消して静かにしています。
ああ、これが本来の盆踊りなのだと感動したことが忘れられません。
この風の盆の写真を3枚お送りいたします。
写真の出典は、http://henmi42.cocolog-nifty.com/yijianyeye/2014/08/post-8c8c.html です。
そしてついでに精霊流しの写真を2枚お送り致します。写真の出典は順に、http://blogs.yahoo.co.jp/yokohama_crows/GALLERY/show_image.html?id=50643264&no=2 と
http://community.travel.yahoo.co.jp/mymemo/tass/blog/123614.html です。
お盆には胡瓜と茄子で馬と牛を作った思い出がある方々も多いと思います。そして美しいお盆提灯を押入れや蔵から持ち出して縁先に飾った思い出もある人もいるでしょう。
ところで私自身はお寺の本堂に特別に作った施餓鬼棚の前で数人のお坊さんが輪になってお経を唱えていた光景が忘れられません。毎夏、帰省していた兵庫の曹洞宗のお寺ではお盆になると決まって施餓鬼供養をするのです。餓鬼道に陥った亡者を供養したり、道ばたに倒れた人の霊を慰めるのです。そしてその時、全ての祖先もあわせて供養するのです。
この施餓鬼供養は6,7人のお坊さんが銅鑼や太鼓や鐘を打ち鳴らす珍しい供養で、子供心にも深い印象が残ったのです。それから茫々、数十年。昨年、奥多摩のある曹洞宗のお寺に何気なく入っていったら、その施餓鬼棚が本堂の前に飾ってあったのです。それは懐かしい光景でした。お盆といえば施餓鬼供養を毎年思い出しています。
このように人それぞれお盆にはいろいろな思い出をお持ちのことと思います。
お盆の時期は地方によって違います。先祖の霊の迎え方やお供え物も違います。盆踊りも違います。これこそ豊かなローカル文化として、夏の美しい風物詩になっているのです。
皆様のお盆にまつわる思い出をお聞かせ頂ければ嬉しく思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
====参考資料================
お盆:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E7%9B%86
・・・地方によっては、お盆の期間中には、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」(しょうりょううま)と呼ばれるきゅうりやナスで作る動物を用意することがある。4本の麻幹あるいはマッチ棒、折った割り箸などを足に見立てて差し込み、馬、牛として仏壇まわりや精霊棚に供物とともに配する。きゅうりは足の速い馬に見立てられ、あの世から早く家に戻ってくるように、また、ナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、また、供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いがそれぞれ込められている。
地方によっては「施餓鬼」(きこん または せがき)と呼ばれ、餓鬼道に陥った亡者を救ったり、餓鬼棚と呼ばれる棚を作り、道ばたに倒れた人の霊を慰めるなどの風習もこの頃に行われる。また、盆提灯と呼ばれる特別な提灯を仏壇の前に飾ったり、木組に和紙を貼り付けた灯篭を流す灯篭流しや、提灯を小船に乗せたようなものを川などに流す精霊流しを行う場合がある。特に長崎県長崎市の精霊船を曳き、市内を練り歩くのが有名。 特殊な例として盛岡市では供物を乗せた数m程度の小舟に火をつけて流す「舟っこ流し」が行われる。・・・
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