今回のオバマ大統領の広島訪問には多分多くの人々が感動したと存じます。
日米両国政府はオバマさんの広島訪問を調整中に、私はチュコのプラハで2009年にオバマ大統領が行った核廃絶の演説を読んでみました。読んで納得しました。これはノーベル平和賞に値すると。その有名な演説には核廃絶への強い信念が吐露されていたのです。それを読んで、私は「オバマ氏は広島へ行く!」と確信しました。
昨日、オバマさんは広島で原爆資料館を見て、原爆犠牲者の慰霊碑に花輪を供え、そして感動的な演説をしたのです。
その演説を見るとオバマ氏が個人としてどのような世界観を持っているか、そして核廃絶への如何に強い信念を持っているかが明快に読みとれるのです。
以下にその抜粋を示しますので是非お読み下さい。
その前に一つだけ日本人の卓越したユーモア感覚をご紹介させてください。オバマ氏が被爆者の坪井 直さんに歩み寄り話をした時のことです。始めは深刻な話をしていましたが途中でオバマさんが破顔一笑したのです。坪井さんも笑いました。そばに立っていた安倍総理も笑いました。広島に到着以来、緊張していたオバマさんがホッとくつろいで笑ったのです。坪井さんが気楽に、「ときどき広島にやって来て、見たり、聞いたりしてやってください」と言ったそうです。この言葉にオバマさんが破顔一笑したのです。坪井さんは来てくれて有難う。でもそんなに緊張しないで良いでよ。気楽にまた広島に来て下さいと言いたかったのでしょう。坪井さんは遠路やって来たオバマさんを巧みに慰労してくれたのです。それはオバマさんが広島で一回だけ見せた笑顔でした。オバマさんも偉いが日本人も立派だったと嬉しくなった場面でした。
それではオバマさんの格調高い演説の前の部分と終りの部分を抜粋してお送りいたします。
オバマ大統領のスピーチ全文(http://rabiru.com/10080) より抜粋
Seventy-one years ago on a bright, cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed. A flash of light and a wall of fire destroyed a city, and demonstrated that mankind possessed the means to destroy itself.・・・・
71年前、よく晴れた朝、空から死が降ってきて世界は変わりました。閃光が広がり、火の玉がこの町を破壊しました。
これは我々人類が、自分たち自身を破壊する手段を手に入れたということを意味します。
なぜ私たちはここにいるのでしょうか?なぜ広島に来たのでしょうか?
私たちは、亡くなった方々を悼み、恐ろしい力がそれほど遠くない過去に解き放たれたことを深く考えるためにここにやって来ました。
10万人を超える日本の国民の方と、そして何千人もの朝鮮の人々が命を落としました。
その魂が、私たちに語りかけています。もっと内側を見て、私たちが一体何者なのかを振り返るように。そして、どのようになろうとしているのか語りかけています。
広島だけが特別なのではありません。暴力的な争いは古くから行われています。石や槍などが扱われました。これはただ狩りをするためだけではなく、人間同士の争いにもこのような武器が使われてきました。どの大陸においても、どの歴史においても、あらゆる文明は争いの歴史に満ちています。
富をもとめ、また民族や宗教的な理由からもこうした争いが起こってきました。帝国が台頭し、また衰退しました。そして人々が同じ人間に支配され、また解放の道もたどってきました。それぞれの歴史の転換点において、罪のない人たちが苦しみました。多くの人たちが犠牲になりました。その犠牲となった人たちの名前は、時が経つと忘れ去られました。それが人類の歴史であります。
第二次大戦は、広島と長崎で、とても残虐的な終わりを迎えました。これまで人類の文明は、素晴らしい芸術を生み出しました。そして偉大な思想や、正義、調和、真実の考えを生み出してきました。しかし、同じところから争いは出てきました。征服をしたいという思いも出てきました。古いパターンが新しい能力によってさらに増幅されてきました。そして、そこには制約が働きませんでした。
(第二次大戦中の)ほんの数年の間に6000万人ものたちが亡くなりました。男性、女性、子供達。私たちと全く変わらない人たちです。撃たれ、殴られ、あるいは行進させられ、飢えさせられ、拘束され、またはガス室に送られ亡くなりました。
世界中にはこの争いを物語るところが沢山あります。慰霊碑が、英雄的な行いなども含めて、様々なことを示しています。空っぽな収容所などが、そういうことを物語っています。
しかし、空に上がったキノコ雲の中で、私たちは人類の非常に大きな矛盾を強く突きつけられます。私たちの考えや想像、言語、道具など、私たちが自然とは違うということを示す能力、そのものが大きな破壊の力を生み出しました。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。例えば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
・・・中略・・・・
アメリカという国の物語は、簡単な言葉で始まります。すべての人類は平等である。そして、生まれもった権利がある。生命の自由、幸福を希求する権利です。しかし、それを現実のものとするのは決してアメリカ国内であっても、アメリカ人であっても決して簡単ではありません。
しかしその物語は、真実であるということが非常に重要です。努力を怠ってはならない理想であり、すべての国に必要なものです。すべての人がやっていくべきことです。すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは「一つの家族の一部である」という考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。例えば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
亡くなった方々は、私たちとの全く変わらない人たちです。多くの人々がそういったことが理解できると思います。もはやこれ以上、私たちは争いは望んでいません。科学をもっと、人生を充実させることに使ってほしいと考えています。
国家や国家のリーダーが選択をするとき、また反省するとき、そのための知恵が広島から得られるでしょう。
世界はこの広島によって一変しました。しかし今日、広島の子供達は平和な日々を生きています。なんと貴重なことでしょうか。この生活は、守る価値があります。それを全ての子供達に広げていく必要があります。この未来こそ、私たちが選択する未来です。この未来こそ、最悪の未来の夜明けではないということを、そして私たちの道義的な目覚めであることを、広島と長崎が教えてくれたのです。(終り)
さて今日の挿し絵代わりの写真はどうしましょうか?オバマ大統領の写真を出そうと思いました。
しかしそれをオバマさんは喜ぶでしょうか?オバマさんの写真はマスコミに溢れています。そこで私の感謝の気持ちを込めて自分で撮ったあやめの花の写真をお贈りしたいと思います。数日前に東村山氏の北公園で撮ったものです。
オバマさん、本当に有難う御座いました。オバマ大統領の広島訪問を絶賛いたします。
日米両国政府はオバマさんの広島訪問を調整中に、私はチュコのプラハで2009年にオバマ大統領が行った核廃絶の演説を読んでみました。読んで納得しました。これはノーベル平和賞に値すると。その有名な演説には核廃絶への強い信念が吐露されていたのです。それを読んで、私は「オバマ氏は広島へ行く!」と確信しました。
昨日、オバマさんは広島で原爆資料館を見て、原爆犠牲者の慰霊碑に花輪を供え、そして感動的な演説をしたのです。
その演説を見るとオバマ氏が個人としてどのような世界観を持っているか、そして核廃絶への如何に強い信念を持っているかが明快に読みとれるのです。
以下にその抜粋を示しますので是非お読み下さい。
その前に一つだけ日本人の卓越したユーモア感覚をご紹介させてください。オバマ氏が被爆者の坪井 直さんに歩み寄り話をした時のことです。始めは深刻な話をしていましたが途中でオバマさんが破顔一笑したのです。坪井さんも笑いました。そばに立っていた安倍総理も笑いました。広島に到着以来、緊張していたオバマさんがホッとくつろいで笑ったのです。坪井さんが気楽に、「ときどき広島にやって来て、見たり、聞いたりしてやってください」と言ったそうです。この言葉にオバマさんが破顔一笑したのです。坪井さんは来てくれて有難う。でもそんなに緊張しないで良いでよ。気楽にまた広島に来て下さいと言いたかったのでしょう。坪井さんは遠路やって来たオバマさんを巧みに慰労してくれたのです。それはオバマさんが広島で一回だけ見せた笑顔でした。オバマさんも偉いが日本人も立派だったと嬉しくなった場面でした。
それではオバマさんの格調高い演説の前の部分と終りの部分を抜粋してお送りいたします。
オバマ大統領のスピーチ全文(http://rabiru.com/10080) より抜粋
Seventy-one years ago on a bright, cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed. A flash of light and a wall of fire destroyed a city, and demonstrated that mankind possessed the means to destroy itself.・・・・
71年前、よく晴れた朝、空から死が降ってきて世界は変わりました。閃光が広がり、火の玉がこの町を破壊しました。
これは我々人類が、自分たち自身を破壊する手段を手に入れたということを意味します。
なぜ私たちはここにいるのでしょうか?なぜ広島に来たのでしょうか?
私たちは、亡くなった方々を悼み、恐ろしい力がそれほど遠くない過去に解き放たれたことを深く考えるためにここにやって来ました。
10万人を超える日本の国民の方と、そして何千人もの朝鮮の人々が命を落としました。
その魂が、私たちに語りかけています。もっと内側を見て、私たちが一体何者なのかを振り返るように。そして、どのようになろうとしているのか語りかけています。
広島だけが特別なのではありません。暴力的な争いは古くから行われています。石や槍などが扱われました。これはただ狩りをするためだけではなく、人間同士の争いにもこのような武器が使われてきました。どの大陸においても、どの歴史においても、あらゆる文明は争いの歴史に満ちています。
富をもとめ、また民族や宗教的な理由からもこうした争いが起こってきました。帝国が台頭し、また衰退しました。そして人々が同じ人間に支配され、また解放の道もたどってきました。それぞれの歴史の転換点において、罪のない人たちが苦しみました。多くの人たちが犠牲になりました。その犠牲となった人たちの名前は、時が経つと忘れ去られました。それが人類の歴史であります。
第二次大戦は、広島と長崎で、とても残虐的な終わりを迎えました。これまで人類の文明は、素晴らしい芸術を生み出しました。そして偉大な思想や、正義、調和、真実の考えを生み出してきました。しかし、同じところから争いは出てきました。征服をしたいという思いも出てきました。古いパターンが新しい能力によってさらに増幅されてきました。そして、そこには制約が働きませんでした。
(第二次大戦中の)ほんの数年の間に6000万人ものたちが亡くなりました。男性、女性、子供達。私たちと全く変わらない人たちです。撃たれ、殴られ、あるいは行進させられ、飢えさせられ、拘束され、またはガス室に送られ亡くなりました。
世界中にはこの争いを物語るところが沢山あります。慰霊碑が、英雄的な行いなども含めて、様々なことを示しています。空っぽな収容所などが、そういうことを物語っています。
しかし、空に上がったキノコ雲の中で、私たちは人類の非常に大きな矛盾を強く突きつけられます。私たちの考えや想像、言語、道具など、私たちが自然とは違うということを示す能力、そのものが大きな破壊の力を生み出しました。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。例えば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
・・・中略・・・・
アメリカという国の物語は、簡単な言葉で始まります。すべての人類は平等である。そして、生まれもった権利がある。生命の自由、幸福を希求する権利です。しかし、それを現実のものとするのは決してアメリカ国内であっても、アメリカ人であっても決して簡単ではありません。
しかしその物語は、真実であるということが非常に重要です。努力を怠ってはならない理想であり、すべての国に必要なものです。すべての人がやっていくべきことです。すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは「一つの家族の一部である」という考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。例えば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
亡くなった方々は、私たちとの全く変わらない人たちです。多くの人々がそういったことが理解できると思います。もはやこれ以上、私たちは争いは望んでいません。科学をもっと、人生を充実させることに使ってほしいと考えています。
国家や国家のリーダーが選択をするとき、また反省するとき、そのための知恵が広島から得られるでしょう。
世界はこの広島によって一変しました。しかし今日、広島の子供達は平和な日々を生きています。なんと貴重なことでしょうか。この生活は、守る価値があります。それを全ての子供達に広げていく必要があります。この未来こそ、私たちが選択する未来です。この未来こそ、最悪の未来の夜明けではないということを、そして私たちの道義的な目覚めであることを、広島と長崎が教えてくれたのです。(終り)
さて今日の挿し絵代わりの写真はどうしましょうか?オバマ大統領の写真を出そうと思いました。
しかしそれをオバマさんは喜ぶでしょうか?オバマさんの写真はマスコミに溢れています。そこで私の感謝の気持ちを込めて自分で撮ったあやめの花の写真をお贈りしたいと思います。数日前に東村山氏の北公園で撮ったものです。
オバマさん、本当に有難う御座いました。オバマ大統領の広島訪問を絶賛いたします。