後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

オバマ大統領の広島訪問を絶賛する

2016年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム
今回のオバマ大統領の広島訪問には多分多くの人々が感動したと存じます。
日米両国政府はオバマさんの広島訪問を調整中に、私はチュコのプラハで2009年にオバマ大統領が行った核廃絶の演説を読んでみました。読んで納得しました。これはノーベル平和賞に値すると。その有名な演説には核廃絶への強い信念が吐露されていたのです。それを読んで、私は「オバマ氏は広島へ行く!」と確信しました。
昨日、オバマさんは広島で原爆資料館を見て、原爆犠牲者の慰霊碑に花輪を供え、そして感動的な演説をしたのです。
その演説を見るとオバマ氏が個人としてどのような世界観を持っているか、そして核廃絶への如何に強い信念を持っているかが明快に読みとれるのです。
以下にその抜粋を示しますので是非お読み下さい。
その前に一つだけ日本人の卓越したユーモア感覚をご紹介させてください。オバマ氏が被爆者の坪井 直さんに歩み寄り話をした時のことです。始めは深刻な話をしていましたが途中でオバマさんが破顔一笑したのです。坪井さんも笑いました。そばに立っていた安倍総理も笑いました。広島に到着以来、緊張していたオバマさんがホッとくつろいで笑ったのです。坪井さんが気楽に、「ときどき広島にやって来て、見たり、聞いたりしてやってください」と言ったそうです。この言葉にオバマさんが破顔一笑したのです。坪井さんは来てくれて有難う。でもそんなに緊張しないで良いでよ。気楽にまた広島に来て下さいと言いたかったのでしょう。坪井さんは遠路やって来たオバマさんを巧みに慰労してくれたのです。それはオバマさんが広島で一回だけ見せた笑顔でした。オバマさんも偉いが日本人も立派だったと嬉しくなった場面でした。
それではオバマさんの格調高い演説の前の部分と終りの部分を抜粋してお送りいたします。

オバマ大統領のスピーチ全文(http://rabiru.com/10080) より抜粋
Seventy-one years ago on a bright, cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed. A flash of light and a wall of fire destroyed a city, and demonstrated that mankind possessed the means to destroy itself.・・・・
71年前、よく晴れた朝、空から死が降ってきて世界は変わりました。閃光が広がり、火の玉がこの町を破壊しました。
これは我々人類が、自分たち自身を破壊する手段を手に入れたということを意味します。
なぜ私たちはここにいるのでしょうか?なぜ広島に来たのでしょうか?
私たちは、亡くなった方々を悼み、恐ろしい力がそれほど遠くない過去に解き放たれたことを深く考えるためにここにやって来ました。

10万人を超える日本の国民の方と、そして何千人もの朝鮮の人々が命を落としました。
その魂が、私たちに語りかけています。もっと内側を見て、私たちが一体何者なのかを振り返るように。そして、どのようになろうとしているのか語りかけています。
広島だけが特別なのではありません。暴力的な争いは古くから行われています。石や槍などが扱われました。これはただ狩りをするためだけではなく、人間同士の争いにもこのような武器が使われてきました。どの大陸においても、どの歴史においても、あらゆる文明は争いの歴史に満ちています。
富をもとめ、また民族や宗教的な理由からもこうした争いが起こってきました。帝国が台頭し、また衰退しました。そして人々が同じ人間に支配され、また解放の道もたどってきました。それぞれの歴史の転換点において、罪のない人たちが苦しみました。多くの人たちが犠牲になりました。その犠牲となった人たちの名前は、時が経つと忘れ去られました。それが人類の歴史であります。
第二次大戦は、広島と長崎で、とても残虐的な終わりを迎えました。これまで人類の文明は、素晴らしい芸術を生み出しました。そして偉大な思想や、正義、調和、真実の考えを生み出してきました。しかし、同じところから争いは出てきました。征服をしたいという思いも出てきました。古いパターンが新しい能力によってさらに増幅されてきました。そして、そこには制約が働きませんでした。
(第二次大戦中の)ほんの数年の間に6000万人ものたちが亡くなりました。男性、女性、子供達。私たちと全く変わらない人たちです。撃たれ、殴られ、あるいは行進させられ、飢えさせられ、拘束され、またはガス室に送られ亡くなりました。

世界中にはこの争いを物語るところが沢山あります。慰霊碑が、英雄的な行いなども含めて、様々なことを示しています。空っぽな収容所などが、そういうことを物語っています。
しかし、空に上がったキノコ雲の中で、私たちは人類の非常に大きな矛盾を強く突きつけられます。私たちの考えや想像、言語、道具など、私たちが自然とは違うということを示す能力、そのものが大きな破壊の力を生み出しました。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。例えば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
・・・中略・・・・
アメリカという国の物語は、簡単な言葉で始まります。すべての人類は平等である。そして、生まれもった権利がある。生命の自由、幸福を希求する権利です。しかし、それを現実のものとするのは決してアメリカ国内であっても、アメリカ人であっても決して簡単ではありません。

しかしその物語は、真実であるということが非常に重要です。努力を怠ってはならない理想であり、すべての国に必要なものです。すべての人がやっていくべきことです。すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは「一つの家族の一部である」という考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。

だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。例えば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。

亡くなった方々は、私たちとの全く変わらない人たちです。多くの人々がそういったことが理解できると思います。もはやこれ以上、私たちは争いは望んでいません。科学をもっと、人生を充実させることに使ってほしいと考えています。

国家や国家のリーダーが選択をするとき、また反省するとき、そのための知恵が広島から得られるでしょう。

世界はこの広島によって一変しました。しかし今日、広島の子供達は平和な日々を生きています。なんと貴重なことでしょうか。この生活は、守る価値があります。それを全ての子供達に広げていく必要があります。この未来こそ、私たちが選択する未来です。この未来こそ、最悪の未来の夜明けではないということを、そして私たちの道義的な目覚めであることを、広島と長崎が教えてくれたのです。(終り)

さて今日の挿し絵代わりの写真はどうしましょうか?オバマ大統領の写真を出そうと思いました。
しかしそれをオバマさんは喜ぶでしょうか?オバマさんの写真はマスコミに溢れています。そこで私の感謝の気持ちを込めて自分で撮ったあやめの花の写真をお贈りしたいと思います。数日前に東村山氏の北公園で撮ったものです。

オバマさん、本当に有難う御座いました。オバマ大統領の広島訪問を絶賛いたします。









「やがて消えゆく運命にあるタチアオイの花の写真」

2016年05月27日 | 写真
毎年、5月の下旬になると見事なタチアオイが沢山咲いている畑があります。色合いもいろいろで100本以上のタチアオイが咲いています。
そこは村山貯水池に近いある農家の庭先でした。
しかし数年前から農家が消え洒落た一戸建ての家が並ぶようになりました。それでもタチアオイの咲いている畑だけは残り毎年綺麗に咲いていました。
ところが昨日、例年通り写真を撮りに行きましたら、その畑が荒地になり僅か10本位のタチアオイが咲いているだけです。
誰も世話をしてないようです。昨年まで咲いていたタチアオイの幾つかだけが生き残り花を咲かせているようです。
来年はもう住宅地になり、私を楽しませてくれたタチアオイは消えてしまう運命にあるのでしょう。何となく寂しい思いをしながら写真を撮って来ました。お送りする写真をお楽しみ頂けたら嬉しく存じます。









伊勢志摩G7参加国のなかの日本の特異性

2016年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム
伊勢志摩サミットG7は今日共同宣言を出して2日間の会議を終了します。
この会議は連日、日本のマスコミ報道に盛んに取り上げられているので皆様いろいろな感想や感慨をお持ちのことと存じます。
自由民主主義を掲げた7つの主要国が結束して世界をリードして行うという意図です。
これに対抗する勢力はクリミア半島併合で主要国サミットから除名されたロシアです。
そして中国は発展途上国を含めた20ケ国の会議をG20と称して9月に中国の杭州で開催します。いずれも自分達の国際社会における勢力拡大を狙った政治活動です。
従ってG7やロシアやG20の内容と国際社会への影響に関してはいろいろな議論と評価があります。
今日は政治的な問題は抜きにしてG7に参加している国の文化の相違について自分の個人的な感想を書いてみようと思います。
昨日、参加国7つの首脳がそろって伊勢神宮を参観したことです。
日本は神道・仏教国で他のアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアはキリスト教国です。宗教が現在、どれだけ信じられているかは別にして日本だけその文化の基盤をなしているのが神道と仏教なのです。明治維新以前は神仏習合で神道と仏教は融合していたのです。
このように文化的な基盤をみると日本だけ違うわけです。その上、今日は省略しますが日本の自由民主主義も他の6ケ国とは相違した発展の歴史があるのです。それを「日本の特異性」と呼ぶことにしました。
安倍総理が日本の文化を各国首脳に理解して貰おうとしたのです。その姿勢は高く評価すべきです。ただ欲を言えば伊勢神宮ではなく法隆寺か唐招提寺にして貰いたかったと思います。
安倍さんは仏教はインドの宗教で神道こそ日本独自の文化だと考えたのでしょうか。
玄奘三蔵法師という中国人が教典をインドから背負って来て、日本人はそれに深い影響を受けたのです。ですから伊勢神宮と法隆寺の両方を見学して貰いたかったと思います。
広島へも行かねばならない日程の忙しさを思うと仕方が無いとも思います。
広島の原爆投下の資料館は日本にだけある展示館です。そこをオバマ大統領が参観し、核兵器廃絶に関する演説をすることになっています。
これも画期的なことです。日本人として素直に喜びたいと思います。
さてG7の国々は政教分離の原則を固く守っています。ですから伊勢神宮訪問は文化的な行事として行います。ですから神殿の前で安倍さんも他の6つの国の首脳も手を打って拝むことはしませんでした。
いろいろな政治家がバチカンを訪問しても宗教活動とは見做されないとと同じです。
文化と言えば神道や仏教だけではありません。日本にはいろいろ美しい伝承や風習もあります。
一つだけ取り上げてみます。夫婦の間に女の子が生まれると桐の木を植える風習があります。地方によっては違うかも知れませんが、その桐の木と娘が大きくなり、娘がお嫁に行く時、この桐が大切な役目を果たすのです。両親は成長した桐の木を切って桐の箪笥を作るのです。嫁入り道具にするのです。
下の1番目の写真に普通の桐の花の写真を示します。

そして2番目の写真は材質の良いと言われている桐の木の花の写真を示します。

3番目の写真は昨日撮った桐の木の全体の写真です。

このような風習があるので桐の木を見ると女の子の赤ん坊を連想します。そして両親の嬉しそうな顔を連想します。
日本の文化にはこんな些細なことも含めて奥が深いのです。
忙しいとは思いますが、G7に参加した首脳達がこれを機会に日本の文化に興味を持ち、今後も理解を深めるように祈っています。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)