後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「仏教の理解と韓国人の複雑な宗教信仰」

2023年06月06日 | うんちく・小ネタ
今日の主題は韓国人の複雑な宗教信仰の実態を明快に説明することです。すると日本人の信仰生活も簡単に理解出来ます。
さて日本はよく仏教国だと言います。日本の文化は仏教の影響を深く受けていると言います。でも以前の私は仏教とはどんな教えなのか理解していませんでした。
それが突然理解出来たのです。カトリックの洗礼を受けたことによって仏教が理解出来るようになったのです。すると隣りの韓国の宗教の信じ方も明快に分かったのです。
今日はどのようにして私が佛教を理解し韓国の宗教も分ったのかを書きたいと思います。
今から50年以上前の1971年にカトリック立川教会で塚本金明神父様から洗礼を受けました。
洗礼を受けてキリシタンになったお陰で宗教とはどんなことかが分ったのです。すると仏教も理解出来たのです。洗礼を受けると宗教とはどういうものかが理解出来るのです。日本人の心の基本にある仏教が自ずと判然とするのです。少しでも理解出来たので仏教に大変親しみを感じるようにまりました。
宗教というものは教祖様の教えと、後の世のいろいろな優れた人の教えから成り立っているのが普通です。
佛教も例外ではありません。特に日本の大乗仏教では、お釈迦様の教えと後の世のインドの人々の教えから成り立っています。
お釈迦様の教えは般若心経に過不足なく、そして明快に書いてあります。お釈迦様が弟子のシャーリプトラへ教えた内容が書いてあります。
お釈迦様の教えは一切のものが空なのです。
このように理解すると日本の仏教も明快に分かります。

日本の仏教が理解できる出来ると韓国の仏教やその他の宗教も分ります。
韓国でも日本と同じように仏教にいおいろな宗教が混淆して多神教的な信仰生活をしているのです。韓国は非常にキリスト教が普及していて、信者の割合は日本より圧倒的に多いのです。
それでは韓国の宗教を写真に従って説明いたします。
まず韓国に観光旅行に行くと大きなお寺に案内されることが多いものです。すると「大雄殿」という扁額のある本堂の建物があります。
1番目の写真は慶州の佛国寺の大雄殿です。
大雄殿の中にはお釈迦さまの教えを象徴する 仏像が祀ってあります。
2番目の写真は韓国の慶州の佛国寺の大雄殿の中にある仏像です。大雄殿とは日本のお寺の本堂のことです。
さてあまり日本人は気が付いていませんが、韓国の多くのお寺の本堂の裏の高い場所に三聖閣という建物があります。
3番目の写真は本堂の裏にある三聖閣(七星閣)です。慶州玉竜庵の七星閣です。普通、三聖閣の建物の中には3人の聖人がまつられています。
「山神」、「七星」、そして「独聖」です。(http://www.bbweb-arena.com/users/hajimet/bukkyo_004.htm)
三聖閣には、七星如来、独聖、山神が祭られているのが一般的なのです。これらを別々の法堂に祭る場合には、七星閣、独聖閣、山神閣と呼びます。
「七星」とは、北斗七星を意味します。星に関する民俗信仰を仏教に取り入れたと考えられます。北極星を「熾盛光如来」、北斗七星を「七聖如来」とする信仰が七聖信仰です。これは中国の道教からきた信仰で、日本では妙見信仰と呼ばれています。韓国では子供たちが短命でないように七星様にお参りをするそうです。
独聖は、天台山で濁世の衆生を救うために一人で修行する聖者を意味します。法堂の絵の中で、白い髭と長い眉毛をした仙人のような老人が独聖です。一般的には、那般尊者といいます。

山神は韓国の山々を信仰するものです。特に、山神は農業、健康など、私たちの暮らしを見守ってくれていると考えていました。多くの場合、山神は虎と一緒に描かれています。山神信仰もまた、仏教固有の信仰ではなく韓国の民俗信仰です。山の神を信仰することは日本と似ています。しかし日本では虎の絵は描かれません。

このような韓国の宗教の混淆は日本のお寺の本堂の隣に神社をまつるのとよく似ています。
例えば東京の高尾山には薬王院というお寺がありますが、その本堂の裏には飯綱権現を祀った神道の殿堂があります。
明治維新後、日本では欧米の影響で宗教の混淆は悪いことだと考えられるようになります。そして神仏混淆が禁止されましたが、それ以前のお寺の本堂の横には必ず神道の拝殿と本殿があったのです。
これは韓国のお寺の本堂の裏に三聖閣があるのとよく似ています。
このような韓国の仏教との混淆の様子を知ると韓国人に非常に親しみを感じます。
中国でも人々は仏教と道教や妙見信仰や孟子廟や孔子廟への信仰が重複してなされています。中国も日本と同じ多神教的な宗教生活をしています。親しみを覚えます。

最後に韓国の世界文化遺産の海印寺の写真を3枚お送りいたします。
出典はkamiyaさんのブログです。
URLは、https://blogs.yahoo.co.jp/noa_kamiya/29920617.html です。


海印寺は1200年の歴史を有し、韓国三宝寺刹の一つです。美しい渓流が流れる伽揶山南側の深山の中にあります。
新羅第40代、哀荘王3年(802年)に、順応と利貞の二人の僧によって創建された寺院です。海印寺が「法宝寺刹」とも呼ばれる由縁は、お釈迦様の教えのすべてをまとめた経典を保管していることにあるそうです。韓国のお寺の屋根は中央が窪んだ独特の形です。そのなだらかな佇まいは訪れる人々の心をも鎮める優しさを感じさせます。

以上のように韓国では仏教が原始的な「山の神」や「北杜七星」や「独聖と呼ばれる仙人」へ対する信仰と深く混淆しいるのです。その宗教的風景は日本の神仏習合と同じようです。

 それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)