私は仏教が好きです。祖父や叔父がお寺の住職をしていたので幼少の頃から仏教になじんでいました。
そんなわけで今日は日本の仏教についてあれこれ書いてみたいと思います。
日本には75、000のお寺があると言われています。どんな山里に行ってもお寺があります。
江戸時代、明治、大正、そして昭和時代、そして現在に至るまで、人々はお寺と絆(きずな)があります。仏教を信じていなくてもお墓詣りをする人は多いものです。お葬式があると仏式で執り行い、僧侶の読経を根気よく聞いています。
その上、日本にある仏像の数は世界一とも言います。地方に行くと巨大な観音像があちこちに立っています。高崎の大観音、大船の大仏、韮崎の観音像、牛久の大仏などなど巨大な像が青空に中に聳え立っています。
最近特に、無宗教の人々が増え、お墓さえ作らずに樹林葬や海に散骨する風習が広がって来ました。しかし日本の仏教には13もの宗派があります。日本はやはり仏教国なのです。
そこでお釈迦様のお教えを簡略に書いておきます。
何と言っても、お釈迦様の教えは深く広大です。その慈悲の心は貧しい人にも富める人にもあまねく平等に注がれるのです。
お寺と人々の絆が弱くなっても、日本では相変わらず仏教に関する本が売れているのです。般若心経の解説をした本も売れるのです。
日本人はみんな諸行無常という言葉を知っています。色即是空(しきそくぜくう)という言葉を知っています。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、・・・という平家物語の冒頭の句を知っています。
ですから日本人はこのような言葉を知っていて、時々思い出し、無意識ながらその言葉にそって行動します。日本人の仏教とのかかわりを書きだせばきりがありません。
ですから、日本の仏教の歴史や宗派の違いは末尾の参考資料にゆずり、ここでは省略します。
以下は、私自身の仏教とのかかわりを簡略に書いたものです。
私の父方の祖父は兵庫県の宝塚から能勢電鉄で入った山の村落のお寺の住職をしていました。それは曹洞宗の正林寺というお寺でした。その祖父は戦前に亡くなり、父の弟が後を継ぎました。その祖父の戒名は高天秀嶽大和尚といいます。
1番目の写真は曹洞宗の正林寺の石碑と鐘楼です。正林寺は石垣の上の高台にありました、その高台の下には農家の集落が広がっていました。
昭和11年生まれの私は毎年、夏になると一家でそのお寺に帰省し、お寺の暮らしを体験しました。
お寺の暮らしが珍しい上に、お盆には施餓鬼供養という一大イベントを毎年見たのです。近隣のお寺から多くのお坊さんが集まって、本堂でお経を唱和し、そして銅鑼を鳴らしながら輪になって歩き、お経を唱えるのです。
2番目の写真は施餓鬼供養でお経を唱えている住職さんです。
3番目の写真は施餓鬼供養に参列している人々の様子です。
お寺での施餓鬼供養が終わると、叔父の住職さんと一緒に私も檀家まわりをします。小坊主の法衣を来て、村落の一軒、一軒を回り、お盆のお経を詠んだのです。私はこうした宗教的体験をしたのです。この体験がその後の私の宗教感に深い影響を与えたのです。
現在、私はカトリックの信者です。しかしお葬式や法事で和尚さんのお経を聞くと、70年前の懐かしい光景がよみがえって来て楽しいのです。幼少の頃の楽しかった光景を思い出すのです。
一方、私は大人になってからカトリックのことを知りました。そして洗礼を受けました。この時、小さな頃にした宗教的な体験が非常に役立っていたと感じました。
洗礼を受けた後でよく次のような質問を受けます。
「私だけが洗礼を受けると先祖の魂はどうなるのですか?」
私は確信して答えます。「神様の愛は人間が想像出来ないくらい大きいのです。先祖様のことも子供のこともすべて神様に任せなさい。神様やイエス様は絶対に悪いようにはしない筈です」と。
そして、こんな質問も受けます。「洗礼を受けたら仏式のお葬式や法事には出られなくなりますか?」私の答えは簡単です。「従来通り出て下さい。欠席して親類や友人、知人の心を傷つけてはいけません」と。
私はお釈迦様を尊敬しています。玄奘三蔵法師も尊敬しています。弘法大師も大好きです。お遍路さんを尊敬しています。
今日の挿絵代わりに写真は私が好きな鎌倉の円覚寺の写真2枚と法隆寺の遠景の写真1枚です。
今日の写真は全てインターネットからお借り致しました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料========
(1)日本の仏教:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BB%8F%E6%95%99#.E7.B3.BB.E8.AD.9C.E3.83.BB.E5.AE.97.E6.B4.BE
日本は統計的にみて約8470万人が仏教徒であり 、全世界で3億数千万人程度が仏教徒とされていることを考慮しても、やはり一大仏教国である。約7万5000の寺院、30万体以上あるといわれる仏像は、他の仏教国と比べても桁違いに多い。世界最古の木造寺院法隆寺があり、最古の仏典古文書も日本にある。一方、現代の日本人は特定の信仰宗教、宗教観を持っていないものが大多数であり、自らを仏教徒と強く意識する機会は少ないがブリタニカ国際年鑑の2013年度版では99%の日本人が広義の仏教徒とされている。現在の日本の仏教の概略について解説すると、文化庁が編纂している「宗教年鑑」などの統計によると、現在の日本の仏教徒の大半はいわゆる鎌倉仏教に属している。浄土宗系(浄土真宗)の宗派と日蓮宗系の宗派が特に大きな割合を占めており、大乗仏教が特に多いと言える。
以下省略。
(2)日本の仏教の宗派:一覧表、http://www.ne.jp/asahi/koiwa/hakkei/bukkyou26-4.htm
以下は、http://www.geocities.jp/yasuragigogo/butsukio6.htm から抜粋しました。
①律宗 奈良時代
開祖 道宣(中国) ⇒ 鑑真(日本)
総本山 唐招提寺
寺院数 115
教え: 三蔵(経蔵、律蔵、論蔵)の中で律蔵tがもっとも大事で、身、口、意の戒律を厳しく実践すること説いている。
②華厳宗 奈良時代
開祖 杜順(中国) ⇒ 審祥(日本)
総本山 東大寺
本尊 毘盧舎那仏(太陽を意味する)
寺院数 61
教え: 華厳経の大方広仏、時間と空間を超えた仏を説いた。「一微塵(極めて小さなもの)中に全世界が反映し、一瞬のうちに永遠の時間が含まれている。」と説き、又「一の中に他の一切を包含すると同じにその一は、他の一切の中に入る」と無尽縁起を理想としている。即ちあらゆるもの一切は、縁によって起き、宇宙の万物は無限に関係しあって、持ちつ、持たれつして生存し、存在している。
③法相宗 奈良時代
開祖 玄奘(中国) ⇒ 道昭(日本)
総本山 興福寺、薬師寺
寺院数 55
教え:万物唯識を説き、「一切の万法は、私の心から生まれたものであり、私の心を離れては一切の存在はなく、一切の万有が私の心そのものである」と説く。即ち認識を通してのみ一切万物の存在を決定する。認識作用をするものに眼、耳、鼻、舌、身、意の六識のほか未那識(マナシキ)、阿頼耶識(アラヤシキ)が万物認識の基と説き。特に未那識(自我を自我たらしめる意識)と阿頼耶識(無限大のいれもの・すべてを記録するところ・行為が記録され、煩悩の種を作るところ)が基本的な識として、修行によって未那識と阿頼耶識を自覚し、これを空にすることにより悟りを得ようとする教えである。
④真言宗 平安時代:
開祖 空海
総本山 金剛峰寺、高野山東寺を中心に約50派に分かれているといわれる。
本尊 大日如来
経典 大日経、金剛頂経
寺院数 12000
教え:「密教を修める者は、密教の戒律と大乗仏教の戒律を実践しなければならない」と説き、密教ては、仏教は、真実の仏、大日如来の教えであり、この大日如来と心身ともに一体となって修行を実践すれば、この身、このままで仏となることができる(即身成仏)と説いている。
⑤天台宗 平安時代
開祖 最澄
総本山 比叡山延暦寺 約20派に分かれている。
本尊 釈迦如来
経典 法華経
寺院数 4400
教え:すべての衆生は、仏陀になることができる
以下は鎌倉仏教の宗派に続くが、省略します。