おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

2010年3月31日

2010-03-31 17:53:03 | つぶやき
 明日からは、新しい年度。歓送迎会も、来月下旬には。行く人来る人。人事異動も、様々な感慨が・・・。JR両国駅の北にある「両国第一ホテル」(正式名称は?)。ここでも何回か、送ったり迎えたりしました。
 このホテル。西に東京タワー、東にスカイツリー、と新旧両タワーが同時に見える部屋があるそうです。以前利用した時は、勿論、まだ東京タワーだけしか見えませんでした。今や新旧交代、いや、旧もまだ頑張るぞ!新もよろしく! といったようなコンセプトには絶好のポイント。もう結婚式や何かで、けっこう予約が一杯のよう。
 他では、浅草のビューホテルはどうでしょうか? 錦糸町の東武ホテルは、果たして新旧タワーが見える部屋はあるのでしょうか?
 さて、このブログ。2004年9月1日に始めて以来、もうすでに5年半になります。「おやじ」の「つぶやき」が、今は、「じいさん」の「繰り言」(別名「おやじのつぼやき」)になりつつある今日この頃。新旧交代の時期が来ている、とも。
 最近のコメントは、意外に昨日・今日の投稿記事にではなくて、かつての記事へのものが多いことに気づきます。いろんな方がいろんな機会に、くだらない「つぶやき」にアクセスしてくれているな、と実感します。
 仕事に少し余裕が出来てきた自分としては、「痕跡シリーズ」(下町の廃線シリーズ)に関する「つぶやき」を、もっといろんな地域に広げてみようかとも思っています。読書感想も、一年間でホントに本が読めない悔しさも含めて、もっと充実できたら、と心機一転。まだしばらくは、投稿するつもりですので・・・。
 
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久々に東武博物館

2010-03-30 19:26:53 | つぶやき
 昨日までの寒さもまだ少し残っていますが、暖かい春の日に誘われ、孫と東向島駅にある「東武博物館」に行ってきました。春休み中なのでしょうか、子どもがたくさん、母親やお爺さんお婆さんの姿も目につきます。大宮の「テッパク」に比べれば、規模は小さいですが、それなりに楽しめます。
 大きなジオラマ、運転も迫力があります。孫は、初歩的な運転席に座って、何とか運転。今までの中で館内は一番混んでいましたが、けっこう楽しんでいたようす。
 隣の小学校の校庭の桜も満開。その下では、近所の老人達でしょうか、芝の植え付け作業をのんびりとやっています。
 ふと南の空を見上げると、昨日で東京タワーを抜いて日本一高い建造物になった、「スカイツリー」が高層マンションの上にのぞいています。
 今夜は満月。桜も満開。夜桜見物で隅田公園やどこかしこもさぞ賑わうことでしょう。さて、出かけることにいたしますか。
 
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今日、スカイツリーの高さ東京タワーを超える

2010-03-29 20:41:48 | つぶやき
 今日スカイツリー、東京タワーの高さを超える(らしい)。ほっそりとスリムのまま、どんどん高くなって・・・、といっても、身近に見上げると実に太い鉄骨で組み立てられています。あいにくの曇り空、雨もちらつく寒い天気。それでも大勢の見物客が見に来ることでしょう。
 昨日のTV番組でどこからスカイツリーが見えるか、という番付をしていました。筑波山からも見える、と。
そこでも紹介されていた北十間川に映るツリー(3月17日)
 昨日中央高速で帰京中、高井戸を過ぎたあたりですか、新宿の高層ビルの右手に一瞬見えたような気が・・・。
 この写真は、3月25日、まだ328㍍のスカイツリーの様子。
 勤務場所が変わり、毎日見ていたスカイツリーともしばらくお別れです。
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読書95「書物の変 グーグルベルグの時代」(港 千尋)せりか書房

2010-03-26 21:17:48 | つぶやき
 インターネットで調べ物をする。特に年をとってくると、出歩くのもおっくうになって、ついつい気になることも書物や資料を自分の手足で探し回ることなく、インターネットで検索しなるほど、と納得する。なかでも、「グーグル検索」が便利でよく使っている。そこでは、ある意味、労せずしてさまざまな求めている資料が手に入る。
 それを使ってまた少し思索し、自分なりの考えをまとめ、さらには、ブログなどで発表する。正直、その時の資料引用は、ちょっといい加減なかたちになってしまう。
 そして、今や、そうした資料検索にとどまらず、資料そのもの、例えば小説そのものがダウンロードできるサービスが本格化して、書籍のデジタル化、パソコン読書化を迎えている。
 近代的合理主義の傾向の一つが、効率主義・能率主義だとすれば、まさにインターネットは、その極とも言える産物だろう。
 それでも、街から小さな本屋が、ほそぼそと店を開いて、賑わいを見せ、駅ビルには大型店舗が繁盛している。しかし、多くの場合、そこで並んでいる書籍は「売れ筋」のもので、相変わらず、ハウツウ、健康志向など話題性の多いもの。
 古書業界は、どうであろうか? 一時の頃に比べて、なかなか厳しい経営状態だという風にも聞く。
 いずれにしても、資料(原典)の複写システムが、活字からデジタルへと大変容してきている時代が、今の時代。グーテンベルグ以来の具象的な活版印刷・活字の文化からそれを必要としない、インターネット文化、むしろ仮想文化へと・・・。その中で、人間がいかに感性を研き、対象に迫っていくか、こうした問題意識をもとに、さまざまな文化的事象を考察した書が、この本。
 写真家・評論家として活動する筆者は、「ランドネの道」の大切さを提起する。フランス語の「ランドネ」(遊歩道・野山を行く道)は、英語の「ランダム」に通じる。
 近代合理主義から生み出された、出発地と目的地とを最短距離で結び、常に最適化された均衡を求める道、ではない道。
 その道を自、分の足、手、眼、耳、鼻などの運動器官、感覚器官を駆使して歩んでいくことこそ、大事ではないか。そこに、失われつつある人間(人類)としての感性・真の知性を獲得できるのではないか、と。
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THE LONG AND WINDING ROAD

2010-03-24 20:13:28 | つぶやき
 長く勤めていた職場を去ることになりました。連日のように送別会、歓送会が続いています、とてもありがたいことです。趣味で楽しんでいた、その仲間達も別れを惜しんでくれます。長い期間でしたが、振りかえると何だかあっという間の職場。
 そして、想い出の数々を残して、新しい職場での勤めが始まります。今度は家からちょっと遠くなり、通勤電車に久々に(ホントウに何十年ぶり)乗るので、体力が気がかりです。かつてのような混み具合ではなくなったのでしょうか? 都営地下鉄も・・・。
 ビートルズの曲に、ポールが作った「長くて曲がりくねった道」という作品があります。ポールがピアノを弾きながら、切々と歌っています。
 この時になって、ちょっぴりその曲が気になって聞いています。
 「きみの扉へとつづく長く曲がりくねった道」ビートルズの歩んできた道。
 「孤独な時も何度かあった 泣いた夜も幾夜かあった きみには決して分かりはしないけれど 人知れず試みた道も幾つかあった・・・」(対訳山本安見)
 旋律もすばらしく、何となく今の心境にあっている、といったら大げさかな。
 ま、「MY WAY」よりも気に入っています。
 職場の、遠い昔に去っていった先輩、そして、今の同僚・・・。皆さんに感謝の気持ちで、一杯です。
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270円均一飲み屋

2010-03-23 06:44:50 | つぶやき
 この間、同僚の送別会で、職場の近くの飲み屋に何人かで出かけました。その店、以前はそれなりの値段で、それなりの料理を出していて、けっこう落ち着いた雰囲気のお店。ちょっとした個室もあって、少人数でゆっくりと飲んだり、食べたり、こみ入った話しをしたりするのに割と便利で、手軽な場所にもあるせいか、時々利用していました。最近は、少しご無沙汰。「送別会」ということもあって、たまには行ったわけです。
 その店。なんといまはやりの「270円」店に変わっていました。別のフロアの店も同じように「270円」。たしかにそのビルの側面には、何店舗かが同じく「270円」と、でかでかとした看板がかかっていました。
 ま、今までと飲み物も食べ物も変わりなければ安上がりかも、ということで店に入りました。雰囲気は今までと変わらずちょっと安心。
 座布団はなくなり、メニューは白黒コピーになり、箸は、エコ箸に、注文は、タッチパネル式に、と安くした分だけ経費節約なのか。従業員も少なくなったようす。
 何よりも出て来る料理に、揚げ物が多いこと、多いこと。以前のような、豆腐料理とか魚料理とか、それなりの工夫があった料理が見当たらない(少なくなった)! 
 その代わりに、脂っこいものが目立ちます。味も落ちてきている・・・。まさか冷凍食品を使用しているわけではなく、ただ「安かろう」「まずかろう」になってしまった、というわけではないと思いますが。店の中は大繁盛のようす。ちょっとその変化についていけないまま、店を後にしました。
 最近、「日経ビジネスオンライン」に、「急増する低価格均一料金の裏に人材の空洞化」
という子安 大輔さんのレポートが掲載されていました。
 それは、こうした店の現状と課題を分析した内容。そのまとめとして、

 飲食店の経営者の多くは近年、優秀な人材を確保するために苦労することをできるだけ避けようとする傾向が強まっています。同時に売り上げ減少に伴い、人件費自体も抑制しようとしています。
 その結果、多くの飲食店では、技術や経験の少ないアルバイトスタッフだけでも成り立つことを前提に、提供する料理やサービスを組み立てるようになっています。1つの店舗に社員はたった1人だけで、あとは全員アルバイトというのは、最近の飲食店ではよくある話です。(中略)けれども、若者が生き生きと働ける環境が一向に整わず、そして専門技術や人手を必要としないタイプの飲食店がこのまま増えていったとします。すると、長年にわたって築き上げられてきた日本の飲食店文化は、この先どんどん衰退していってしまうかもしれません。(中略)
 顧客の側もただ安いことだけを追い求めるのではなく、お金を支払う価値のあるものに対しては、可能な範囲で「買い支える」という気持ちになってもらえたら、関係者の1人として嬉しく思います。

 この記事(まさに当事者の言葉)をどう受け止めたらいいか? 価格破壊(デフレ)が日常的になっている今、ちょっと消費者・需要者の意識を考えさせる記事でした。
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ハナモモ

2010-03-22 23:57:13 | つぶやき
 春のお彼岸のお中日、昨日の夜明けころ、激しい春の嵐でした。安眠妨害そのもの。交通機関にも大きな乱れがあったようです。それも9時過ぎには静かになって、春の心持ちに。近所の公園には、大きな桃の花が咲き誇っています。「花桃」というそうです。実がなる桃ではなくて、花を愛でる種類だそうです。大型で木一杯に咲いています。こうして桃も咲き、まもなく桜も咲く季節となりました。この季節、職場でも、行く人来る人の時を迎え、落ち着かない気分になります。木の芽時、世間も何かと心穏やかではなくなってきて、まさかそのせいではないでしょうが、民主党も、小沢さんの手法に対していよいよ心落ちつかない様相になっています。
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社会主義化する日本!

2010-03-21 21:59:20 | つぶやき
 昨日の朝日の朝刊。「アエラ」の広告。我が眼を疑った! 「社会主義化する日本」。
 郵政民営化の後退、道路公団、「子ども手当」・・・。これらの民主党の施策が日本を「社会主義」国家に導く、との内容。これって、何かおかしくないか?
 郵政が国営化だった時代、道路公団が・・・、「子ども手当」まがいの「地域振興券」などばらまき手当と、これはすべて自民党、それから、自公連立政権がやっていたこと。その後、小泉改革によって、何でも民営化路線となり、あまりにもその弊害が生じてきた。
 これが、自公政治への不信感、不安感を増して、昨夏の劇的な政権交代となっていったということではないか。
 別に、民主党政権が社会主義政策を進めているわけではない。これまでの民営化や自己責任論に基づく「小泉改革」と称する「対米追従」「アメリカのいいなり政策」への是正、という視点は、はっきりとしている。いわば、10年にわたる「自公政権」の誤りをただす、ということも・・・。
 ある意味、政策的には、かつての自民党のとった施策へちょっと歴史を戻す、ということでもあるのだ。「アエラ」の論調に即すれば、「社会主義」政策へ「後戻り」と言うべきではないか。
 それをあたかも民主党政権が「社会主義」政権であるかのようなキャンぺーンを行う。日本人にある「社会主義」への生理的忌避の感情をうまく利用して・・・。
 「季節外れの渡り鳥」鳩山邦夫の主張に合わせたが如き、報道姿勢。「アエラ」もついに「産経」化したということか。嘆かわしいことだ!
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はめられた?

2010-03-20 22:58:00 | つぶやき
民主内紛 生方氏、自己責任で話すのは当然 高嶋氏、外部に批判出たのは問題(産経新聞) - goo ニュース
 この間の産経新聞の、徹底した民主党批判のスタンス。敵を突き崩すには内部にいる批判的な言動の持ち主を引っ張り出して記事にし、キャンペーンをはる。さらにその先、敵内部の混乱・動揺を導きだし、拙速な対応策を大きく取り上げ、他のマスコミを巻き込んで「反民主」世論を巻き起こす。
 こうした巧妙なやり方にみごとにはまっているのが、今の民主党。産経新聞にインタビュー記事を載せさせる方も載せさせる方だが、直対応する執行部もおかしい。いよいよ内部の攪乱を目論んで、あわよくば分断・分裂まで・・・、産経グループは、ほくそ笑みながら次の手を打って来るであろう。
 他のマスコミも、飛びつくに決まっている。参院選で民主をぼろ負けさせるために、マスコミが躍起になっていることに、国民も気づくべきだ!
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公務員特別権力関係論

2010-03-19 22:53:48 | つぶやき
法律・議会・組合…打つ手なし? 空転の阿久根市議会(朝日新聞) - goo ニュース
 かつて(今も?)公務員には、「特別権力関係」論なるものがあった。それは、上司の命令は絶対的なもので、たとえ、その職務命令が明らかに法令に違反したとみなされるものでも、いったんその命令を実行し、その後にその命令が明確に法令違反であるならば、はじめてしかるべき機関に提訴等ができる、ということなのだ、というふうに聞いたことがある。
たとえ理不尽な命令だと思っても、上司の命令に従って忠実に実行しないと、「職務命令違反」で懲罰の対象になるというわけだ。
 その時に聞いた具体例では、役所の直接の上下関係にある上司から「煙草を買ってきてくれ」と言われた場合、自分の仕事ではありませんのでと断った場合、「職名命令違反」となる、と。「命令」は、本来は文書主義でなければならないが、口頭でも、可。それも2、3度繰り返して口頭で「命令」すれば、職務命令としての要件を満たすのだ、と。ついでに、だから「すまじきものは、宮仕え」という自嘲気味の言葉も教わった。
 この市長、自衛隊の経験から、上官の命令は絶対だ!という信念(妄念)のもとでの次々と想定外の命令、行動を部下に強いている感じ。それが、旧日本軍の「美風」だと回顧する方もいるが、その結果、どういうふうになったかは、歴史が証明しているのだが。 
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読書94「野田版歌舞伎」(野田秀樹)新潮社

2010-03-18 09:03:51 | つぶやき
 もう10年以上前ですか、1年間ほぼ毎月、歌舞伎座に芝居を観に行っていたことがあります。高い席には行けませんので、3500円くらいでしたか、もう最上階の、花道もよく見えない場所でした。それでも、昼の部、夜の部と。途中、食事のために外に出たり、弁当を買ったり、昼も夜もという感じでした。
 浅草公会堂や新橋演舞場などにも出かけました。勘三郎が勘九郎の時代でした。浅草の「平成中村座」(隅田川河畔、浅草寺境内)にも、何度か出かけました。他の役者達もまだまだ若い頃の華やかな舞台が多かったような・・・。
 しばらくして、野田秀樹の芝居も観に行きました。「研辰の討たれ」。斬新な雰囲気がとてもよかった。その後の「鼠小僧」も観ました。「愛陀姫」は観ていませんが。
 その後、勤務時間が厳しくなり、夜の部と言っても、ホントウに夜の部の作品の一つくらいしか観られない、昼の部はとんでもない!
 いつしか疎遠になってしまいました。ま、1年間を通していると、ほぼ同じような演目にもなっていったこともありますし、付き添う者も忙しくなってきて・・・。
 戯曲は、やはり観てみないと何ともいえませんが、こうして活字になったものを読んでもけっこう楽しいものがあります。歌舞伎はもともと所作事の世界。野田秀樹もそれをうまく生かして作品化しています。かなり奇をてらった感じがあるのは、「かぶき」そのものの文化ですから、実にお見事です。
 勘九郎も勘三郎になり、息子達二人もリッパになり・・・。野田の芝居は、ますます歌舞伎座級の高価な入場料となり、下々にはかなり縁遠くなってしまって・・・。
 はてさて、歌舞伎座もどのような変わっていくのか。たまには行ってみようか、とも思っています。
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読書93「夏目漱石『こころ』作品論集」(猪熊雄治編)クレス出版

2010-03-17 06:48:20 | つぶやき
 夏目漱石の「こころ」、高校生の必読書の一つ。日本全国の高校生。現代文の授業で読む小説の定番は、一年では芥川龍之介の「羅生門」、二年ではこの「こころ」、そして中島敦の「山月記」、三年では、森鴎外の「舞姫」といったあたり。勿論、現代作家の作品もあるが、教える側の定番といったものが、上記の作品群。
 高校の教科書に取り上げられる夏目漱石の作品は、他にも「夢十夜」とか「三四郎」、評論(講演)として「現代日本の開花」とか「私の個人主義」とがある、とか。それでも、一時期よりは減っている。
 その中にあって、『こころ』は、南は沖縄から北は北海道まで、日本中の高校生、夏の課題として文庫本を買わされたりして、読むのは変わらない。まさに日本の文化の「花」とでもいえるか! 長じてから(大人になってから)この作品を改めて読む人が、はたして何人いることやら。まさに青春の一書という感じ。
 登場人物は、「私」と「先生」と「お嬢さん(奥さん)」と「K」。特に、先生とKと「お嬢さん」(後に先生の奥さんになる)の関係の中で、Kを自殺においやった先生の苦悩、自殺決行(遺書)・・・。明治天皇の崩御と乃木大将夫妻の殉死という、時代の転換期を背景にした小説。たしかに今でも読み応えの小説の一つではある。  
 この書。そうした学校読書ナンバーワンかもしれない「こころ」に関する論評・作品論をまとめたもの。
・淋しい「明治の精神」(先生は明治の精神「自由と独立と自我に満ちた」に殉死する)
・天皇の死をめぐって
・沈黙するK
・「こころ」における同性愛と異性愛
・「心」における公表問題のアポリア
などさまざまな角度からアプローチしている。
 青春の一書をもう一度読み直しながら、改めて作品に迫っていくためには、興味深い書である。
 
 
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読書92「少年事件 心は裁判でどう扱われるか」(高岡健)明石書店

2010-03-16 22:07:28 | つぶやき
 裁判員制度。この制度による裁判のやり方、判決など、マスコミ報道から受けとる私なりの印象は、今の日本社会が、被害者感情を強調する風潮にあふれ、これまでの裁判判決への批判が根強くある、というふうに。さらには、犯罪抑止力としての機能をも与えているかのような・・・。
 少年事件。親殺し、放火など「凶悪化」する犯罪・事件に対して、少年法がたびたび「改正」され、その法体系のもとで、家裁送致から検察への逆送致が恒常化して、少年への判決も厳しくなっている傾向。少年に向き合う家裁の調査官、弁護士も苦闘・苦悩している実態があるようです。
 この書は、少年事件を手がける4人の弁護士と少年の精神鑑定に携わる児童精神科医の対話集。具体的な事件とその裁判等を通じて見えてくる「非行」「いじめ」「育児放棄」「学校」「地域」など少年を取り巻く現実の中で起こった「少年」事件。
 犯罪を犯した少年の生い立ち、家族関係、生育過程、教育の実態、そしてその心の「闇」の解明に裁判所がどのように関係しているのか、「裁き」「法廷」での議論などの実態も明らかにしながら、問題提起をしています。
 少年への「自己責任」の追求のあり方、それは広く犯罪者への責任(自己責任)を追求する今のマスコミや世間のあり方へ、そして「裁判員制度」への、現場から一石を投じるものでもあるように感じました。
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読書91「大和・飛鳥考古学散歩」(伊達宗泰)学生社

2010-03-15 20:41:19 | 読書無限
 穏やかな春の日が待ち遠しい、今日この頃。花粉も飛んで大変ですが・・・。それにもめげず、久々に奈良・飛鳥・吉野の旅に出ようかと思う、気持ちばかりで焦っています。
 もう30年以上も前。平城宮址がただ礎石しかなかったころ、沈む夕日に向かいながら、呆然として眺めた広々として、悠久の昔を偲ぶような世界。20年前くらい前。飛鳥の遺跡群をレンタサイクルで回った時の新鮮な、あの感動。古代食なるものを昼に食べ、高松塚古墳、鬼の雪隠、石舞台、亀石・・・。
 その後、10年前くらいだったか。酒船石のある山を下ったところに「亀型石櫓」遺跡が発見された直後。まだ発掘されてむき出しのままの遺跡を見学できた感動。発見の喜びが伝わってきた。
 そういえば、古代の道・山の辺の道をたどったのはいつのことであったか。春の日差しの中を、三輪山の裾野、古墳群を半日かかっててくてく歩いた日。偶然、そんな地で知り合いに出会ったのも、驚きだった。
 吉野離宮には機会に恵まれず、足を踏み入れたことがない。ぜひとも、と思ってはいる。吉野の千本桜の満開の頃は、混んでいるだろうか?
 この書。「山の辺道コース」「葛城コース」「飛鳥・藤原京コース」「吉野川コース」など七つのコースが紹介され、大和・飛鳥の古墳・遺跡をめぐる初心者にもわかりやすく、詳しいガイドブックになっている。
 たんなる観光案内書ではないことに魅力を感じる。ああ、いつになったら奈良を訪れることができるだろうか、何とかして同好の士と歩きたいものだ。
 

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311㍍になったスカイツリー

2010-03-14 22:54:34 | つぶやき
 東京地方。昨日は、ぽかぽか陽気の一日でした。上着は厚手のダウンじゃ暑い、上着一枚のもうすっかり春爛漫といった雰囲気。でも、今日はまた少し寒くなって・・・。今年の冬は気温の乱高下が激しくて、身も心もついていくのが大変。花粉も昨日は一番飛んだとか。寒い、寒くない、飛ぶ、飛ばない、と一喜一憂の今日この頃です。風邪気味ですが、花粉症でもなさそうで・・・。
 土日はスカイツリーも工事はしていないようで、クレーンが311㍍のてっぺんに三台直立したままです。見物客は昨日、今日とたくさん。車のナンバーを見てもけっこうあちらこちらから来ているようです。言問通り、北十間川に架かる東武橋には、車が並んで駐車しています。浅草通りにも・・・。ますます車も人も増えてきそうです。
錦糸町駅北口・東武ホテルに通じる道から眺めた、3月13日のスカイツリーの姿。
 8月17日
 10月20日
 11月20日
 こうしてちょっと見ない間にどんどん高くなっていきました。
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