右岸を進みます。
中島用悪水路が中川に合流。架かる橋は「古葛西橋」。
幸手市西関宿で江戸川より分水し、主として江戸川より西側の水田地域を灌漑する。中川に合流・終点となる。合流直前に中島排水機場が設置されている。
民家の前に、台座から離れ、朽ちた「馬頭観音」石塔。
それでも大事に保存しているのですね。
前方に古びた橋が。
「玉子橋」。昭和24年(1949年)建設。
上流を望む。
権現堂川用水路の上流方向。
上流の葛西用水路から分かれた北側用水路と合流して南下し、流域の水田地帯の灌漑に利用。
土手が川から離れ、林の中に。右手は河川敷。
この林の中を抜けるとき、真っ黒な羽をしたトンボが無数に飛んでいます。
動きが速く、茅の上に止まっているのを何とか。
○全身真っ黒なトンボ。
初めて見ました。何というトンボか?
帰宅後、調べたら、「ハグロトンボ」というトンボのようです。
細長く、黒っぽい翅を持った、ヒラヒラと飛ぶトンボ。オスの胴体は金緑色に輝き、メスは全身が黒い。
河川の岸辺で見られる。平地や丘陵地の、水生植物のはえたゆるい流れを好み、住宅地の周辺でも発生していることがある。
(この項、写真も含め、「」HPより)
「Wikipedia」で補足すると、
成虫の体長は 57-67mm、後翅長 35-44mm ほどで、トンボとしてはやや大型。雌の方が雄より若干大きいが、大差はない。翅が黒いのが特徴で、斑紋はなく、雄は体色が全体的に黒く緑色の金属光沢があるのに対し、雌は黒褐色である。他のトンボのように素早く飛翔したりホバリングしたりせず、チョウのようにひらひらと舞うように羽ばたく。その際、パタタタ……と翅が小さな音を立てる。どこかに留まって羽根を休める際もチョウのように羽根を立てた状態で、四枚の羽根を重ねて閉じるという特徴がある。
まさに色、かたち、飛び方、止まり方、「ハグロトンボ」でした。薄暗い林の中、しばらく見とれてしまいます。
さらに、
ハグロトンボは本州、四国、九州、種子島、屋久島の低山地、丘陵、平地の水辺に水生植物が繁茂している緩やかな流れに発生し、池沼にも発生します。成虫は5月から10月頃まで見られ、7月、8月が一番多く見られます。羽化した成虫は薄暗いところを好み林の中で暮らすので、センターエリアでは6月ころに出会えます。成熟すると水辺に戻るので、林の中で出会える唯一の季節と言えるでしょう。
オハグロトンボ、神様トンボ、仏トンボ、極楽トンボなどの別名を持ちますが、お歯黒の色に似ていたからなど、どれも翅の色形から来ているようで、薄暗いところをふわふわと飛ぶ黒いトンボに、幽玄さ、神聖さを感じたようです。
水辺では群れていることが多いのですが、林の中で出会うのは単独の場合がほとんどです。翅をそろえて止まったかと思うと、まるでチョウのようにはらりはらりと翅を閉じたり開いたりします。金属光沢を帯びた黒い翅が光の加減で虹色に輝いたりさまざまな色で輝いたりする姿を見ると改めて『黒』の奥深さを感じます。雄の身体が金属光沢を帯びているのに対して、雌の身体は黒く、翅はこげ茶に近い色をしています。
コオニヤンマやシオカラトンボなどが素早く飛び回り昆虫をとらえているのに比べこんなにふわふわしていてエサが採れるのか心配になってしまいますが、意外と俊敏で近づくとすいっと飛んで行ってしまいます。
梅雨の晴れ間、ちょっと神秘的なハグロトンボに林で出会えたらいいことがありそうな気持ちになります。
トンボは全国的に減少しているようですが、ハグロトンボも水質汚濁、河川改修などで数を減らしているようです。水辺のヨシなどで羽化するハグロトンボ、河川改修ではヨシなどは根こそぎ刈られてしまいます。産卵するのも水中の草の根際や水草などです。人にとっては害虫を食べてくれる益虫で、『勝ち虫』と呼ばれ縁起が良いとされてきたトンボたち。コンクリ―トで固めない、水辺の生きものに配慮した河川改修工事も少しずつ進んでいます。これからもトンボたちと共存していきたいものです。
(この項、「」HPより)
生まれて初めて貴重なトンボを見ることが出来ました。
かつてはちょっと郊外に出れば、シオカラトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、イトトンボなど見ることができました。今、身近に見ることはほとんどありません。
トンボたちが生息できる環境を大事に保存したいものです。
ハグロトンボを見ることが出来たのは、とてもラッキーでした。
中川もこうした中・上流歩きになると、思わぬ発見、出会いがあるのですね。