田園コロシアムは、かつて東京都大田区田園調布二丁目31番に存在した多目的屋外スタジアム。東急東横線田園調布駅東口を出て、すぐのところ。大田区立田園調布小学校の南側に当たる。
ここは、大正末期に慶應義塾大学野球部の専用球場「調布球場」として使用されていたが、1936年に田園テニスクラブのメインスタジアムとして改めてオープンした。テニスだけでなくコンサートをはじめとして、プロレスやボクシングなどのビッグマッチの会場としても利用され、数多くの名演・名勝負の舞台となった。
東急電鉄を利用して雪が運び込まれ、スキージャンプの興行が開催されたことも。しかし施設の老朽化や住宅街再開発計画、また江東区有明テニスの森公園にテニス場有明コロシアムがオープンしたことなどによって、1989(平成元)年末に閉鎖された。
現在の「田園テニス倶楽部」に隣接するマンション「ドレッセ田園調布プレゼンス」がその跡地。
ザ・タイガース。チューリップ。オフコース。チャゲ&飛鳥、等々。
特に、『ライブ・イン田園コロシアム 〜The 夏祭り'81』はチャゲ&飛鳥が1981年に発表した初めてのライブLPアルバムは、伝説のライブ。
アルバム『熱風』を引っさげたツアーの中で、真夏の8月1日に田園コロシアムを使用し、会場にはおよそ6000人もの大観衆を集めた。チャゲ&飛鳥にとっても、初めての野外ライブである。コンサートのエンディング曲、「歌い続ける」の音源はこのアルバムにしか収録されてない。また、同時期に発売されたカセット版には「花暦」が追加収録されている。
レコードが廃盤となった後長らくCD化されていなかったが、2009年10月21日に紙ジャケット・SHM-CD仕様によるCDが発売された。その中には、オリジナル盤未収録だった「花暦」、「真夏の国境」、「御意見無用」、「嘘」などレア音源が収録され、完全収録盤として発売されている、という。
プロレス会場としては、1977年8月25日のジャンボ鶴田VSミル・マスカラス戦、1981年9月23日のアンドレ・ザ・ジャイアントVSスタン・ハンセン戦などが田園コロシアムの名勝負として有名。鶴田VSマスカラス戦はプロレス大賞の年間最高試合賞を受賞、アンドレVSハンセン戦も日本マット史上の外人対決ベストバウトとされている。
1984年5月22日には、ケリー・フォン・エリックに鶴田が挑戦するNWA世界ヘビー級王座戦も行われている。
キックボクシングでは、ベニー・ユキーデがキャリア唯一の黒星を喫したプラユット・シーソンポップ戦の会場となっている。
マンガ「キン肉マン」の作中に於いて、数々の勝負の会場ともなっていた。
写真は、マンション横の小さな公園の名称、その名も「田コロ児童公園」。小さくて何の遊具もなく、実に慎ましやかな敷地。ここにのみ、田園コロシアムの痕跡があるのか。ちょっぴり寂しいですね。
かなり豪華なマンション。
テニスコート側から見た遠景。かなり大きな建物。
当時と変わらない、たくさんのテニスコート。
平日の午後にもかかわらず、大勢の人たちが楽しんでいました。
田園調布駅の地上部分。現在は地下駅になっています。
駅の西口から。渋沢栄一氏による計画的につくられた高級住宅地。