今回からは、青砥駅から高砂~小岩~江戸川(京成本線)、「江戸川」の河川敷にある「小岩菖蒲園」に寄り、土手を歩いて、北総線「新柴又駅」、そして青砥駅まで戻る、という沿線歩きの記事。約19,000歩。
ちょっと古い地図ですが、A=青砥、B=江戸川、C=新柴又。○が高砂。江戸川河川敷に「小岩菖蒲園」。 (「今昔マップ」より)
6月6日(土)晴れ。午後。
高架下を進みます。
「環七」を横断。「青砥橋」が右手に。
近年になるまで足立から葛飾地域の「環七」部分は未開通でした。
○の部分。
昭和20年代。この付近はまだ田んぼがあって、農道が道路として使用されていました。
かつてのあぜ道跡。左手が用水路跡。
正面奥が「環七」。
田んぼ(○)。昭和30年代に入り、あっという間に宅地が進みました。「大日本機械工業」(光自転車)という大きな工場の跡地に当時都内でも有数の公団住宅ができ、周囲にも一般の住宅が建ち並びました。↓は中川を越す「水道鉄管」橋(現在はない)。冒険好きな子はここを渡っていました。
東京都道318号環状七号線
東京都大田区平和島を基点に、世田谷区、杉並区、練馬区、北区、足立区、葛飾区などを経由して江戸川区臨海町に至る主要地方道(都道)。
「東京都市計画道路幹線街路環状第7号線」として整備されたことから、環七通り(かんななどおり)あるいは環七(かんなな)の通称で呼ばれる。 23区内を環状に廻る一般道としては本道路が最も外側に位置する。
・・・1985(昭和60)年1月、葛飾区青戸八丁目から奥戸陸橋までの区間(京成本線との立体交差の関係で工期が延びたため)が供用開始されたことで、当初構想から58年後に全線開通となった。
「環七」に地下鉄を通す計画があります。
以下、「鉄道計画データベース」HPより。
エイトライナー・メトロセブン
エイトライナーとメトロセブンは、環八と環七という環状道路の地下に鉄道を通そうという計画です。葛西臨海公園-亀有-赤羽-荻窪-田園調布の約59.7kmを結びます。国土交通省では、両路線をあわせて「区部周辺部環状公共交通」という名称で呼んでいます。開業予定時期は未定です。
エイトライナー・メトロセブンの概要
東京都心から約10km圏を走る環状鉄道計画です。エイトライナーが「環八」、メトロセブンが「環七」の地下を走り、両線は赤羽で接続し直通します。導入空間の道路が異なるため「エイト」と「セブン」と別の名称になっていますが、実質的に同一路線に近いと言えます。
メトロセブンは、葛西臨海公園(JR京葉線)-葛西(メトロ東西線)-一之江(都営新宿線)-(JR総武線新駅)-青砥(京成本線)-亀有(JR常磐線)-北綾瀬(メトロ千代田線)-六町(つくばエクスプレス)-西新井(東武伊勢崎線)-赤羽(JR東北線)を結びます。全長は28.8kmです。
エイトライナーは、赤羽(JR東北線)-志村三丁目(都営三田線)-上板橋(東武東上線)-東武練馬(東武東上線)-平和台(メトロ有楽町線)-練馬春日町(都営大江戸線)-練馬高野台(西武池袋線)-井荻(西武新宿線)-荻窪(JR中央線)-高井戸(京王井の頭線)-八幡山(京王線)-千歳船橋(小田急線)-二子玉川(東急田園都市線)-上野毛(東急大井町線)-田園調布(東急東横線)の30.9kmです。
エイトライナーは、さらに蒲田を経て羽田空港に至るという構想もあります。田園調布-羽田空港間は、東急多摩川線、蒲蒲線(計画中)、京急空港線が担うことになりますが、それを含めれば、葛西臨海公園-羽田空港の総延長73.4kmという壮大な鉄道路線になります。
そもそもエイトライナーとメトロセブンは、それぞれの沿線自治体が推進する別の計画でしたが、1997年に両促進協議会が連携することを確認。「エイトライナー・メトロセブン合同促進大会」を開くなどして、協力して建設を推進しています。そのため、導入空間の道路名が違うだけで、実質的には一つの路線です。国土交通省の運輸政策審議会答申第18号でも、両路線をまとめて「区部周辺部環状公共交通」と呼んでいます。
エイトライナー、メトロセブンとも事業化はされておらず、開業予定時期などは未定です。東急多摩川線への乗り入れも考慮して普通鉄道の計画が基本ですが、スマートリニアメトロを導入する議論もあり、確定していません。事業費は、普通鉄道の場合で1兆229億円、スマートリニアメトロの場合で9377億円と概算されています。
・・・
エイトライナー・メトロセブンの今後の見通し
答申第198号では、「事業性に課題があるため(中略)事業計画について十分な検討が行われることを期待」としたうえで、「需要等も見極めつつ中量軌道等の導入や整備効果の高い区間の優先整備など整備方策について、検討が行われることを期待」と記されました。
すぐに着工できるような条件が整っているような表現ではありませんが、優先的な整備区間を見極めて事業性を整えれば、着工の可能性はありそうです。
その優先整備区間についてですが、費用便益比を重視するなら、田園調布駅-荻窪駅間が最も優勢で、次に荻窪駅-赤羽駅間、赤羽駅-亀有駅間、亀有駅-葛西臨海公園駅間という順序になります。要するに、田園調布から時計回りに整備していく形になります。
それでも採算面で不安があるため、答申でも指摘された「中量軌道等の導入」が検討されるとみられます。中量軌道等としては、リニアメトロのほか、モノレールや新交通システムも候補に挙がりそうです。ただ、これらは東急多摩川線への乗り入れができないため、羽田空港方面へのアクセス性が下がるという難点があります。
その羽田空港アクセスですが、蒲蒲線 (新空港線)ができれば、田園調布から京急蒲田駅での乗り換えだけで羽田空港に着くことができるようになります。すると世田谷区、杉並区方面からエイトライナーを使った空港アクセスが可能になり、この新線の有用性は高まるでしょう。そのため、エイトライナーの整備は蒲蒲線の動向次第、という側面もあります。
何しろ約60kmにも及ぶ長大路線のため、着工から全面開業までの道のりは遠いものがあります。1兆円規模の事業費がかかりますので、実現するにしても、数十年先を見据えたプロジェクトになることでしょう。・・・
その代替路線として京成バスによって「シャトルセブン」が運行されています。なかなかの人気路線です。
シャトルセブン(環七シャトル)
東京ディズニーリゾートより葛西臨海公園駅に向かい、葛西臨海公園駅からは環七をひたすら北上し、葛西駅・一之江駅を経由し小岩駅・亀有駅方面へ急行運転する。愛称は「シャトルセブン」。2007年4月1日に1年間の予定で試験運行を開始し、利用者が定着してきたことから2008年も増便の上で試験運行を継続することとなった。この試験結果が良好だったため、2009年から本格運行に移行した。
2018年1月14日から新小岩駅 - 東京ディズニーリゾートを結ぶシャトルセブンの派生系統となる特急バスが運行を開始した。
(この項、「Wikipedia」参照)
「中川」を「高砂橋」で越えます。
下流方向。
現在の中川の流路は、その上流部は明治時代以前の庄内古川(幸手市高須賀より上流は島川)と、下流部は古利根川(利根川東遷事業以前の利根川本流で東京湾へ注ぐ河口部は現在の旧中川)とを、松伏町大川戸から松伏町下赤岩まで大正・昭和に開削された河道で接続して造られた。それ以前は古利根川が亀有付近で分流した河道のうち、江戸川区西葛西付近の河口へ向かう河道を中川と呼んだ(西へ向かうもうひとつの河道は現在の古隅田川)。
この水系整備により、島川・庄内古川より東京湾河口までが中川として扱われ、合わせて古利根川、元荒川、綾瀬川なども中川水系とされた。
なお庄内古川は、江戸時代以前の渡良瀬川の権現堂川より下流の流路を流れた。渡良瀬川の下流は古くは太日川と呼ばれた。太日川は江戸時代に整備され現在の野田市関宿・幸手市西関宿から南流する江戸川となり、庄内古川とは吉川市付近で合流した。松伏町金杉と吉川市上内川の境界周辺に庄内古川の流路跡となる旧堤防が残されている[6]。
中川の河口部は現在の旧中川を流れて東京湾へ注いでいたが、荒川放水路の開削に伴い河道は分断され、現在の旧中川が切り離された。
(この項、「Wikipedia」参照)
旧中川。
中川(古利根川)が明治末の荒川放水路開削によって分断され、中川は荒川沿いに流れるようになり、西側の部分が取り残されてしまいました。現在、上流は江戸川区・墨田区、下流は江戸川区・江東区の区界となっています。
振り返ると、遠くにスカイツリー。
「新金貨物線」を越えます。
新金貨物線の旅客を目指す葛飾区が、新年度予算で事業化のための調査費を計上します。10年間で100億円を積み立てる基金や専任部署も新設して、旅客化実現へ本気を見せてきました。
新金貨物線とは
新金貨物線は、新小岩信号場と金町駅を結ぶJR総武線の貨物支線の通称です。大正15年に新小岩操車場とともに建設され、東京臨海部と千葉方面との貨物輸送を担う路線とされてきました。
しかし、武蔵野線、京葉線の開業により、貨物列車が南流山~西船橋~蘇我間を経由するようになったため、新金貨物線を経由する列車の本数は近年少なくなっています。地元・葛飾区では旅客化を求める声が高まっていて、2018年度には区が基礎的な調査も実施し、「新金貨物線の旅客化検討資料」として公表しました。
電車とライトレールの2案
資料によりますと、旅客化が検討されている区間は、新小岩駅~金町駅の7.1km。現状は電化単線で、複線化用の空間が確保されています。旅客化の検討では単線のままで、途中駅に交換設備を設けます。
貨物列車の運行は存続するという前提で、旅客列車の車両は通常の電車とライトレールの2案を候補としています。
・・・
新小岩駅と金町駅は、総武線、常磐緩行線との乗り継ぎを考慮した位置を想定します。所要時間は10駅で22分、7駅で17.7分となっています。
概算事業費はライトレールが約250億円、電車が約200億円と試算されています。
画像:葛飾区「新金貨物線旅客化の検討資料」
国道6号線とどう交差するか
旅客化のための最大の問題点は、国道6号線との交差です。ここを踏切とすると、国道の渋滞発生が予想されます。立体化するとなると巨費がかかります。
検討案では、踏切ではなく交通信号とし、道路側の交通信号にあわせて旅客列車を通過させ、道路交通への影響を抑える構想を示しています。
ただ、貨物列車(「旅客列車」の誤りか)が走行する場合は、鉄道が交通信号で道路と交差することは前例がなく、構想の実現には高いハードルがあります。
(この項、「」HPより)
以前、「新金貨物線」の沿線歩きをしています。(ブログに投稿済)