チェルノブイリ:封印の苦闘(WIRED VISION) - goo ニュース
必死に(生命の危険を顧みずに)闘っている、現場。世界からも支援の手が。放射能汚染の拡大をどう食い止めていくか。まさに原発事故に対して英知を出し合い、行動することに日本人のみならず、全人類が試されているようです。
「廃炉」が現実的なものになってはきても、現状の危機的状態からどうやってそこまで安全(地域住民はもとより、劣悪な条件のもと、不眠不休で頑張っている作業員たちの安全を確保できるか)に進めていくか。
何十年単位での作業工程が必要なようです。
一方で、予想された地震や津波に対する防御策の甘さ、初期対応のまずさなど東電や政府・関係者による「人災」の一面ということが、マスコミでも指摘されています。JR西日本の大事故の時にも、会社そのものの構造的な欠陥というよりも、「人災」という側面が語られました。
そうした責任追及も大切で見逃せない事ですが、そもそも「福島第一原発」が、建設当初から持っていた、原子炉の構造的な欠陥・弱さを見逃してはいけないと思います。
GE、東芝、日立、間組など日本を代表する企業が参画した福島原発。政界、財界を束ねた国家プロジェクトとしての「エネルギー政策」のもとでの原発建設推進に邁進した当時の自民党政府をはじめ、地元への利益還元を第一義にした政治家・企業家達。そして、極めつけの「安全神話」。地元へ多額の金・・・。
原子炉の格納容器の設計に携わった元東芝の技術者・後藤政志さん。これまで匿名で原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた方。今回は元技術者として黙していられない」と積極的にマスコミに登場している。
一つの原子炉にある放射能・死の灰は、広島に落とされた原爆の1000倍(原子核融合の型は異なるが)もの量。それが4つも5つも危機に曝されているのだ。
人類への警鐘としてのヒロシマ・ナガサキ。ここは原爆による甚大な被害地。今度はフクシマが未来にも通じる人類の警鐘の地ととしてならないよう、多くの関係者の努力に期待を込めている。
(付)
福島第1原発:設計に弱さ GE元技術者が指摘
東京電力福島第1原発と同型の原子炉を設計した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の元技術者、デール・ブライデンバーさん(79)が毎日新聞の取材に応じ、原子炉格納容器について「設計に特有の脆弱(ぜいじゃく)さがあった」と指摘し、開発後に社内で強度を巡る議論があったことを明らかにした。
東電によると、福島第1原発はGEが60年代に開発した「マーク1」と呼ばれる沸騰水型軽水炉を6基中5基使っている。
◇議論封印「売れなくなる」
GEでマーク1の安全性を再評価する責任者だったブライデンバーさんは75年ごろ、炉内から冷却水が失われると圧力に耐えられる設計ではないことを知り、操業中の同型炉を停止させる是非の議論を始めた。
当時、マーク1は米国で16基、福島第1原発を含め約10基が米国外で稼働中。上司は「(電力会社に)操業を続けさせなければGEの原子炉は売れなくなる」と議論を封印。ブライデンバーさんは76年、約24年間勤めたGEを退職した。
ブライデンバーさんは退職直後、原子炉格納容器の上部が小さく、下部と結合する構造が脆弱で万一の事故の際には危険であることを米議会で証言。マーク1の設計上の問題は、米原子力規制委員会の専門家も指摘し、GEは弁を取り付けて原子炉内の減圧を可能にし、格納容器を下から支える構造物の強度も改善。GEによると、福島第1原発にも反映された。
しかし福島第1原発の原子炉損傷の可能性が伝えられる今、ブライデンバーさんは「補強しても基本設計は同じ。水素爆発などで生じた力に耐えられる強度がなかった」とみる。また「東京電力が違法に安全を見落としたのではない」としながらも、「電気設備の一部を原子炉格納容器の地下に置くなど、複数の重大なミスも重なった」と分析した。
(「毎日新聞」より)
「チェルノブイリ」の悲劇を繰り返してはならない。
必死に(生命の危険を顧みずに)闘っている、現場。世界からも支援の手が。放射能汚染の拡大をどう食い止めていくか。まさに原発事故に対して英知を出し合い、行動することに日本人のみならず、全人類が試されているようです。
「廃炉」が現実的なものになってはきても、現状の危機的状態からどうやってそこまで安全(地域住民はもとより、劣悪な条件のもと、不眠不休で頑張っている作業員たちの安全を確保できるか)に進めていくか。
何十年単位での作業工程が必要なようです。
一方で、予想された地震や津波に対する防御策の甘さ、初期対応のまずさなど東電や政府・関係者による「人災」の一面ということが、マスコミでも指摘されています。JR西日本の大事故の時にも、会社そのものの構造的な欠陥というよりも、「人災」という側面が語られました。
そうした責任追及も大切で見逃せない事ですが、そもそも「福島第一原発」が、建設当初から持っていた、原子炉の構造的な欠陥・弱さを見逃してはいけないと思います。
GE、東芝、日立、間組など日本を代表する企業が参画した福島原発。政界、財界を束ねた国家プロジェクトとしての「エネルギー政策」のもとでの原発建設推進に邁進した当時の自民党政府をはじめ、地元への利益還元を第一義にした政治家・企業家達。そして、極めつけの「安全神話」。地元へ多額の金・・・。
原子炉の格納容器の設計に携わった元東芝の技術者・後藤政志さん。これまで匿名で原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた方。今回は元技術者として黙していられない」と積極的にマスコミに登場している。
一つの原子炉にある放射能・死の灰は、広島に落とされた原爆の1000倍(原子核融合の型は異なるが)もの量。それが4つも5つも危機に曝されているのだ。
人類への警鐘としてのヒロシマ・ナガサキ。ここは原爆による甚大な被害地。今度はフクシマが未来にも通じる人類の警鐘の地ととしてならないよう、多くの関係者の努力に期待を込めている。
(付)
福島第1原発:設計に弱さ GE元技術者が指摘
東京電力福島第1原発と同型の原子炉を設計した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の元技術者、デール・ブライデンバーさん(79)が毎日新聞の取材に応じ、原子炉格納容器について「設計に特有の脆弱(ぜいじゃく)さがあった」と指摘し、開発後に社内で強度を巡る議論があったことを明らかにした。
東電によると、福島第1原発はGEが60年代に開発した「マーク1」と呼ばれる沸騰水型軽水炉を6基中5基使っている。
◇議論封印「売れなくなる」
GEでマーク1の安全性を再評価する責任者だったブライデンバーさんは75年ごろ、炉内から冷却水が失われると圧力に耐えられる設計ではないことを知り、操業中の同型炉を停止させる是非の議論を始めた。
当時、マーク1は米国で16基、福島第1原発を含め約10基が米国外で稼働中。上司は「(電力会社に)操業を続けさせなければGEの原子炉は売れなくなる」と議論を封印。ブライデンバーさんは76年、約24年間勤めたGEを退職した。
ブライデンバーさんは退職直後、原子炉格納容器の上部が小さく、下部と結合する構造が脆弱で万一の事故の際には危険であることを米議会で証言。マーク1の設計上の問題は、米原子力規制委員会の専門家も指摘し、GEは弁を取り付けて原子炉内の減圧を可能にし、格納容器を下から支える構造物の強度も改善。GEによると、福島第1原発にも反映された。
しかし福島第1原発の原子炉損傷の可能性が伝えられる今、ブライデンバーさんは「補強しても基本設計は同じ。水素爆発などで生じた力に耐えられる強度がなかった」とみる。また「東京電力が違法に安全を見落としたのではない」としながらも、「電気設備の一部を原子炉格納容器の地下に置くなど、複数の重大なミスも重なった」と分析した。
(「毎日新聞」より)
「チェルノブイリ」の悲劇を繰り返してはならない。