1月に行く予定だった2つのコンサートに所用で出かけることができず、ようやく今年(2019年)初めてのオーケストラのコンサートに行ってきました。レオシュ・スワロフスキー指揮ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団の日本ツァーにおける長野公演です。
(出 演)
指揮:レオシュ・スワロフスキー
チェロ:マシュー・バーリー
管弦楽:チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
(曲 目)
スメタナ / 交響詩「わが祖国」より「モルダウ」
ドボルザーク / チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
バッハ / 無伴奏チェロ組曲第1集より「サラバンド」(マシュー・バーリーのアンコール曲)
<休憩>
ドボルザーク / 交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」
ドボルザーク / スラヴ舞曲第2集より第7番 (スラヴ舞曲第15番) (アンコール曲)
(感 想)
プログラムが有名曲で聴いたことのあるものばかりだったので、チケットをとるのを躊躇したのですが、結果的には出かけてよかった演奏会でした。最初のスメタナの「モルダウ」は、元々が大好きな曲なのですが、フルートによる序奏が清々しく、続くテーマの歌い出しから浪々として、次の2曲に期待を抱かせるものでした。
チェロ協奏曲を独奏したマシュ-・バーリーは、1965年生まれの英国の出身で、モスクワ音楽院で学びフランクフルト放送交響楽団やウィーン放送響などと共演をしています。奥様はヴィクトリア・ムローヴァ(vn)で、二人の共演で演奏した曲もあるようです。
バーリーのチェロですが、音色がすっきりとしていて美しく、伸びやかな明るめの演奏でした。第2楽章におけるチェロと管弦楽のやりとりは、双方ともによく歌っていて、よい流れでワクワクさせられました。多分、スワロフスキーの指揮がうまくつけていたのだろうと思いますが、至福の一時でした。アンコール曲もききやすい演奏でした。
交響曲第9番「新世界」では、スワロフスキーが暗譜で指揮し、オーケストラも慣れているだろうと思わせる演奏でした。細かいところではミスも見受けられましたが、第2楽章の「家路」の部分など、曲想どおりに郷愁が滲みでているようでした。派手なところがない堅実な演奏だと思って聴いていましたが、終楽章はガンガンと盛り上げて、結構面白い演奏でした。
ブルノ・フィルは来日回数も多く、スワロフスキーは、現在セントラル愛知交響楽団の音楽監督を務めているなど、日本と関係の深い音楽家による演奏会で、次回もあればよいなと思いました。ただ、曲目は変化をつけて、ヤナーチェクの曲やドボルザークでも交響曲第8番あたりを演奏してもらうと嬉しい。