JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」2月号は、「最終列車で行こう! 北陸、早朝独り占め旅の勧め」が特集です。その特集もよいのですが、沢木耕太郎さんによる巻頭エッセイ【旅のつばくろ】は、「もうひとつの絶景」と題して軽井沢町の秋の「雲場池」を訪ねる経緯を書いていて、優れた読み物となっていました。ずっと続けてほしい連載です。ずっと演奏してきたミュージシャン。
BENNY GOLSON (ベニー・ゴルソン)
TURNING POINT (Mercury 1962年録音)
たまには振り返ることも必要かと思い、昨年(2018年)出かけた演奏会とライブの回数を数えたところ、クラシックの演奏会は17回、ジャズのライブは24回で計41回でした。ジャズのライブで、いろいろな意味で特に印象に残っているのは、いまや伝説のベニー・ゴルソン(ts)の公演でした。 そのライブを想い出して、本アルバムを聴いてみました。
メンバーは、ベニー・ゴルソン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)。豪華なメンバーの割には、あまり触れられることのないアルバムのように思いますが、ウィントン・ケリーのバッキングが素晴らしく、それだけでも聴く価値がありそうです。
曲は、ゴルソンのオリジナルが2曲で「Dear Kathy」、「Turning Point」、あとはスタンダードで「How Am I To Know」、「The Masquerade is Over」、「Three Little Words」、「Stella by Starlight」(星影のステラ)、「Alone Together」の6曲。ゴルソンのオリジナル2曲は、どちらも佳曲で、特にバラードの「Dear Kathy」は哀感があり、有名曲になっていないのが不思議なくらいです。
アップテンポでゴリゴリとしたソロをとるので、ベニー・ゴルソン(ts)のプレイはあまり好きではありませんでしたが、慣れもあり、近年そう気にならなくなり、リーダー・アルバムもたびたび聴くようになりました。このアルバムでは、ゴルソンに加えウィントン・ケリー(p)はじめサイドメンも乗っている「The Masquerade is Over」や「Three Little Words」が印象に残り、バラードの「Dear Kathy」や「Stella by Starlight」では情緒豊かで、かつ静謐な演奏をゴルソンが行っていて、昨年のライブ時における物静かで知的そうな姿を想い起こしました。
【JR東日本新幹線車内誌 トランヴェール2019年2月号】
表紙。永平寺を描いたもの。
沢木耕太郎さんが執筆している巻頭のエッセイ「旅のつばくろ」。新幹線に乗る楽しみの一つが、連載されているこのエッセイを読むことです。
「旅に出るなら金曜夜」とあって、東京駅から金曜日夜に出かける北陸地方への旅をお薦めしています。
金沢は早朝の兼六園。
富山は朝食。
福井は永平寺の朝のお勤め。
「江戸・東京グルメ物語」も連載が続いています。このページを読むのも楽しみです。今号は「アカシア」のロール・キャベツ・シチューがとりあげられています。