群馬交響楽団の高崎芸術劇場における初の定期演奏会は、アレクサンドル・ラザレフが指揮するロシアプログラムで、期待して出かけました。
(出 演)
指揮:アレクサンドル・ラザレフ
管弦楽:群馬交響楽団
(曲 目)
グラズノフ / バレエ音楽〈四季〉 作品67
〈休憩〉
プロコフィエフ / バレエ音楽〈ロミオとジュリエット〉(ラザレフ選)
(感 想)
アレクサンドル・ラザレフさんは、ロシアを代表する指揮者の一人で、74歳という年齢から巨匠風の動きの少ない指揮を行うだろうという先入観があったのですが、エネルギッシュな動きでそのイメージを完全に翻させられました。今回、座席が前の方だったので、指示を細かく出していたのが、よくわかりました。
ロシアのバレエ音楽の名作2曲ですから、弦楽器の奏する美しい旋律を浴びてくるつもりだったのですが、ラザレフ指揮は、かなりメリハリがついた演奏になっていました。冬から始まるグラズノフの「四季」では、ハープのカデンツァで春に進みますが、それをかなり強力な音を出させていました。春の目覚めという感じです。
さらに、夏のワルツや最終章の秋の場面ではきめ細やかに華麗に盛り上げていて、グラズノフの音楽の豊かさ、面白さをみせてくれました。プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」では、冒頭の不協和音が強烈で驚かされ、鋭角的に上下する旋律が印象的な「騎士の踊り」場面の重厚な響きがすごく、エネルギーが溢れているようでした。
群馬交響楽団の3人の弦楽器の首席のソロがよく、木管金管にも大きなミスがなく、高崎芸術劇場における最初の定期演奏会は大成功だったのではないでしょうか。このホールは、響きがよいのに加え、音の分離もよく、管弦楽を堪能できるよい空間だと再び感心しました。満ち足りて帰途につきました。
【あらかじめ聴いたグラズノフ「四季」のCD】
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮 フィルハーモニア管弦楽団(1977年録音)
【当日会場でいただいた群馬交響楽団の葉書】
表には、ミュージック・アドバイザーの小林研一郎さんの挨拶。
裏面には、団員全員の集合写真。記念になりました。