書店でタイトルとカバーのイラストが気になっていた池永陽著「珈琲屋の人々 ちっぽけな恋」(双葉文庫)を購入して読みました。シリーズの第一巻「珈琲屋の人々」は、置いてなかったので、発注しました。
表紙
(カバー裏に記載された「あらすじ」)
(著者の紹介)
(目 次)
連作短編集です。次の7編が収録されています。
特等席
左手の夢
大人の言い分
ちっぽけな恋
崩れた豆腐
はみだし純情
指定席
(感 想)
あることで人を殺めて7年間服役し出所してきた主人公、行介が父親の跡を継いで経営している喫茶店が舞台です。店内は重厚な作りで、珈琲はサイフォンで淹れています。その設定に、まず興味をそそられました。街の人々の集まる場所になっていて、相談事などが持ち込まれ、話が展開します。
収録された7つの短編は、出来に若干ばらつきがある気がしました。ストーリーが作り過ぎている感はありますが、やや複雑な家庭の子が登場する「ちっぽけな恋」と「はみだし純情」は、爽やかな読後感になりました。
主人公は、柔道で鍛えた体で喧嘩が強く、「はみだし純情」では、ヤクザに対抗する場面もあり、緊迫感が漂いました。池永さんの小説は初めてでしたが、「珈琲屋の人々」シリーズは、基本的に面白いので、他の巻も発注しました。