4月から片道30~40分の徒歩通勤をしています。朝は、長野駅近くのタリーズやスターバックスで珈琲を飲むことも多く、自然と早足になっていますが、この季節は花壇や敷地の隅に色とりどりの花が咲いていて、足を止めることがたまにあります。先日も「かきつばた」や「つつじ」が目にとまりました。住宅敷地の端なのですが、自然な野山にあるといった趣きで、さりげなく咲いているのが良い感じです。さりげなく聴こえる演奏を。
GERRY MULLIGAN (ジェリー・マリガン)
JERU (COLUMBIA 1962年録音)
バリトン・サックスのジェリー・マリガンは、1950年代にチェット・ベイカーと組むなどピアノレスのコンボで活動をしていましたが、ここではトミー・フラナガン(p)を迎えて、ピアノ入りのワン・ホーンによるプレイをしています。僕はLPで聴いていますが、最近、廉価盤CDが発売になりました。
メンバーは、ジェリー・マリガン(bs)、トミー・フラナガン(p)、ベン・タッカー(b)、デイヴ・ベイリー(ds)、キャンディド(コンガ)。コンガを入れた意図がよくわからないのですが、邪魔にはなっていないので気にはなりません。フラナガンは、ここでもよいプレイをしていて、「Here I'll Stay」や「Inside Impromptu」などで琴線に触れるフレーズ、ニュアンスで弾いています。
曲は、佳曲が並びました。ピアニストのビリー・テイラー作が2曲で「Capricious」と「Inside Impromptu」、クルト・ワイル作「Here I'll Stay」、サイ・コールマン作「You've Come Home」、コール・ポーター作のスタンダード「Get Out Of Town」、ジェリー・マリガンの自作「Blue Boy」、レナード・バーンスタイン作「Lonely Town」の全7曲。「Here I'll Stay」は、もっと演奏されてもよいと思わせる美しい曲です。「Lonely Town」については、フラナガンが1959年にブルーノート・レーベルで録音しています。
バリトン・サックスによる低く柔かい響きの、寛いだ演奏が堪能できます。フラナガン(p)をはじめリズム陣もしっかりとサポートしています。「Capricious」は、ボサノヴァのリズムで、マリガン(bs)が明るくプレイし、「Here I'll Stay」は、もともとの曲がいいこともありますが、マリガン、フラナガン(p)がさりげなく心地よいフレーズを連発しています。「Inside Impromptu」や「Blue Boy」では、端正な演奏の中に意外にブルージーさが漂っています。
【通勤途上の花たち 2014年5月】
30-40分の徒歩通勤って結構ありますよね。
ボクはちょうど30分の自動車通勤、タリーズもスタバも途中にないので、セブンイレブンのコーヒーが毎日の日課です。
30~40分の徒歩は、運動不足解消を兼ねています。自転車くらいが本当はいいのだと思います。長野駅近くを通るので、コーヒーショップの誘惑に結構負けていますが、まあ気分転換ということで(笑)。
ブルーノートやプレスティッジではよくキャンディドの名前を見かけますが、マリガンのセッションでは珍しいですね。ビリー・テイラーの曲を取り上げておりますので、テイラーと親交があるキャンディドを起用したのかもしれません。それにしても、トミー・フラナガンは誰のバックでも持ち味を発揮した良いプレイをしておりますね。それがフロントに溶け込むのはさすがです。
コンガを入れるというのは、当時としては違和感がなかったのかもしれません。マリガンは、ピアノレスコンボが有名なだけに、こういうフラナガン入りのものが残されたのは、ありがたいです。僕は、どちらかというと、ピアノレスよりもこちらの方が好みです。