安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

Jimmy Jones 「JIMMY JONES Trio」

2007-11-19 21:01:34 | ピアノ

月曜日にもかかわらず宴会をやってきました。仕事上で先週金曜日に200人ほどの人を集めて集会を催したのですが、大成功だったので、その慰労会です。一区切りというところです。酔った頭には、きれいなタッチのピアノトリオがいいと思い、Jimmy Jonesをきいてみました。

Jimmy Jones (ジミー・ジョーンズ)
JIMMY JONES Trio
  (Swing 1954年録音)

Jimmy_jones_trio

歌の伴奏の名手、ジミー・ジョーンズ(ピアノ)のリーダーアルバムです。50~60年代における名伴奏者というのは、おしなべてきれいな響きをもっています。例えば、ラルフ・シャロン、エリス・ラーキンスです。ジミーもその例にもれず、まず耳をそばだてるべきは、そのくっきりとした音色です。

ジミーは、1947年から52年まで、サラ・ヴォーンの伴奏者を務め、54年に復帰し、同年10月サラとともにパリを訪れた際、レギュラー・トリオで録音したのが本作品です。他にジョー・ベンジャミン(ベース)、ロイ・へインズ(ドラムス)というメンバーです。両人ともバックに徹してジミーを盛りたてています。ロイのブラシによるプレイが心地よいです。「Squeeze Me」などで聞いてみてください。

曲目はすべてスタンダードです。「Little Girl Blue」、「My Funny Valentine」、など旋律を基本としながら本人が口ずさんで録音したのではないかと思うほど、その歌の雰囲気が感じられる演奏ぶりです。 また、指の分離がいいので、早いパッセージが奇麗です。「Little Girl Blue」の出だしを聴いてみてください。

ジミー・ジョーンズで思い出すのは、ヘレン・メリルのおなじみのアルバム「With Clifford Brown」中の「You'd Be So Nice to Come Home to」における巧みなソロです。シングルトーンは一切使わず和音をリズムに乗せて弾いているのですが、やけにムードにあっていました。


TINA BROOKS 「MINOR MOOVE」

2007-11-18 21:08:24 | テナー・サックス

日曜日の夜の楽しみはNHK教育テレビのN響アワーです。作曲家の池辺晋一郎さんの解説も面白く、さまざまな曲が演奏されるので、ほぼ毎週欠かさず見ています。本日の曲はリヒャルト・シュトラウス「四つの最後の歌」ほかです。有名曲ですが、華麗なR・シュトラウス作品にあって若干渋いという気がします。ジャズ鑑賞のほうも、TINA BROOKSでやや渋めにいってみます。

TINA BROOKS (ティナ・ブルックス)
MINOR MOOVE (BLUE NOTE 1958年録音)

Minor_move

ブルーノート本家ではお蔵入りしていた作品です。キングの世界初登場シリーズとしてリリースされたものですが、私の持っているのは東芝から非売品として出されたLPです。ジャケットもキング盤のものを使用しています。Tina Brooksの初リーダー作にあたりますが、どうして録音当時発表されなかったか不思議なくらい充実した作品です。

メンバーが素晴らしい。ブルックス(テナー・サックス)、リー・モーガン(トランペット)、ソニー・クラーク(ピアノ)、ダグ・ワトキンス(ベース)、アート・ブレイキー(ドラムス)というハードバップ黄金期の最強メンバーです。

ブルックスはゴリゴリというよりも、次々にメロディを続けていく方で、それぞれの曲で長いソロをとっています。ジェローム・カーンの名作「The Way You Look Tonight」におけるブルックスのテナーソロ、そしてモーガンとブレイキーのかけあいは聴きものです。「Minor Move」は自作で、作曲のセンスもあったと思います。「Everythings Happens to Me」はスローで彼のブルーでスムーズな音の良さがわかります。

猫ジャケなので、好きな人はぜひLPを入手してください。キングレーベルのブルーノート世界初登場シリーズは、ジャケットにも意匠が凝らされた素晴らしものでした。


Beverly kenney 「Lonely and Blue」、「Snuggled On Your Shoulder」

2007-11-17 16:47:41 | ヴォーカル(A~D)

エアコンでは間に合わずストーブがほしい時期になりました。夕方、近所のスーパー銭湯にいってきました。大きな湯船と温泉成分も入れたお湯のおかげでちょっとは温まります。上がったあと併設の休憩室で、バニラ・ソフトクリームを食べてきました。体が温かいうちに帰宅し、さわやかでソフトな甘さの声のBeverly Kenneyをききました。

Beverly Kenney (ビヴァリー・ケニー)
Lonely and Blue  (Cellar Door 1952年録音)

Lonelyandblue_2

SSJ(シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン)からのリリースで、トランスクリプションとして残っていたものだそうですが、日本で発売できること自体が奇跡と思われます。昨年の下記CD(二人でお茶を)の発売にも驚きましたが、三具保夫さん(SSJ会長)に感謝です。

ここでは20歳ころのビヴァリーの歌声が楽しめます。ういういしい歌を披露しています。バックはエディ・サフランスキー(編曲・ベース)やアル・クリンク(テナー・サックス)ら腕達者からなる大きい編成のバンドです。曲は私には初めてのものばかりです。

「Lonely and Blue」は題名とは反対に軽やかにスイングする明るい曲です。歌詞は、「いつか、私を愛しているよというあなたの甘い声をきいて、ブルーではなくなるのよ」という希望を歌っています。間奏もバンドが一体化し、スイング感であふれていています。「オン・ザ・サニー・サイド・ストリート」を思い浮かべました。

「It's a Mean Old World」は少しセントルイス・ブルースに似た曲想でビヴァリーには珍しくブルージーなものです。「Yours Sincerely」はハート=ロジャースのものとは同名異曲ですが、思いが伝わるようないい歌唱だと思います。

Beverly Kenney (ビヴァリー・ケニー)
Snuggled On Your Shoulder (Cellar Door 1954年録音)

Snuggledonyourshoulder 

こちらは、トニー・タンブレラのピアノ伴奏だけで歌ったデモテープがアルバムの元です。自分の部屋できいていると、目の前で歌っているような親しみが感じられます。収録曲には、後に録音することとなるスタンダード曲が多く入っています。

「The Things We Did Last Summer」、「Snuggled On Your Shoulder」そして「That's All」が特に印象に残ります。ゆっくりと歌った「That's All」は声がよく伸びています。ボーナスとして入っている「Gay Chicks」はタップダンスのレッスン用だということですが、生真面目な歌が微笑ましい。

28歳という若さで自殺して亡くなってしまいましたので、作品が少ないだけに新しいCDが2枚も発売されるのはうれしいことです。多分これでほとんど全ての音源を集められたと思います。 


Bobby TImmons 「THis Here is Bobby TImmons」、「FROM THE BOTTOM」

2007-11-16 23:54:43 | ピアノ

蕎麦打ち講習会に参加してきました。初心者なので打つというよりこねるという感じです。最初そばに水をいれてかきまぜるとき、指に蕎麦のかたまりがいっぱいついてしまいました。ここは信州なので、蕎麦屋の出前持ちも歌ったという大ヒット曲「moanin'」(モーニン)を聴きます。

BOBBY TIMMONS (ボビー・ティモンズ)
THIS HERE IS BOBBY TIMMONS (Riverside 1960年録音)

This_here_bobby_timmons

作曲者のピアノ・トリオによる録音です。「Moanin'」は、テーマに続くアドリブは軽やかに進行しますが、後半部分厚いコードで盛り上げます。ファンキーなプレイの代表ピアニストといわれますが、テーマ部分を含めてなかなか端正なモーニンという感じです。スイング感とスピード感があり、サム・ジョーンズのランニング・ベースも心地よい「The Party's Over」が最も好きです。「This Here」、「Dat Dere」という自作の代表曲も聴けます。

ボビー・ティモンズがリーダーの「moanin'(モーニン)」の演奏は、上記以外に私の手元に「FROM THE BOTTOM」(Riverside RS-3053  1964年録音)と「Live at The Connecticut Jazz Party (Chiaroscuro CR-2030  1964年録音)がありました。 前者ではオルガンで演奏をしています。ティモンズのオルガンは興味がわきますが、テーマそのものは、歯切れのいいピアノでより映えると思います。

From_the_bottom_bobby_timmons   


PINKY WINTERS 「LONELY ONE」

2007-11-14 21:25:02 | ヴォーカル(L~R)

昨日タワーレコードで買ったうちの一枚は、以前に注文しておいたピンキー・ウインターズの「Loenly One」です。LP(フレッシュ・サウンド・レーベルからの再発盤)は持っていたのですが、水辺ジャケットの紙ジャケCDを購入し改めて聴いてみました。

PINKY WINTERS (ピンキー・ウインターズ)
LONELY ONE (ARGO  1958年録音)

CD                       LP
Lonelyone         Lonely_one


ピンキーについては、新作がSSJ(フランク・シナトラ・ファンクラブ・ジャパン)より出ていますし、昨年来日していて日本でも知られるようになっていると思います。フェイクはしますが、極端なアドリブはなくメロディーにそっていく優しい歌い方です。声の質も心地よいハスキー度で大方の方に好まれる歌手ではないでしょうか。

この作品はよいです。I・ヴァーリン作「Cheek to Cheek」のサビのところの歌詞「Dance With Me~」がちょっとアクセントをつけて歌われ、こんなこと女性に言われたい気分になります。また、何箇所か出てくる歌詞「Heven, I'm in heaven」では歌い方を微妙に変えながら夢み心地の気分を出しています。「Jeepers Creepers」はハワード・ロバーツ(ギター)のソロも入ってスイングし楽しい出来。

ライナー・ノートの執筆はジャズ喫茶メグの店主寺島靖国さんです。「Cheek to Cheek」がいいことと、ジャケットを見ると「水辺にたたずみ」を聞きたくなるという記述には同感ですが、残念なのは曲目と作詞作曲者に関する説明が一切ないことです。タイトル曲はじめ4曲はたぶん新作だと思うのですが。

そんなわけで、「I Cover The Waterfront」(水辺にたたずみ)もアン・バートンの歌(「Burton for Certon」から)で、ジャケットは当盤を眺めながら聴いてみました。