安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジャズ喫茶「アンの家」で珈琲タイム、LINNのレコードプレーヤーが、お客様の手により10年ぶりに復活。

2023-10-16 19:30:00 | ジャズ喫茶

先日、松本市梓川のジャズ喫茶「アンの家」に出かけました。持参したレコードを聴かせてもらいましたが、主にクラシックを再生するシステムのレコードプレーヤーがLINN「SONDEK LP12」になっていてびっくり。

マスターが昔買ったプレーヤーですが、故障してしまい基板もダメになっていたのを、お店のお客様のKさんが回路の設計図を自ら起こし、部品を取り換えて再生したものだそうです。松本には凄い人がいるものです。

外観

薔薇の一種でしょうか、咲いていました。

店内。ジャズ再生用のアルテック系システムには変更がありません。

ジャズ再生用のプレーヤーはDualのもの。

ジャズ再生用のプリアンプ「Mclntosh C34V」とCDプレーヤーは、DENONの業務用。

ジャズ再生用のパワーアンプ「Mclntosh MC7300」

(クラシック再生用システム)

こちらは、クラシック再生用のシステム。

今回、復活したレコードプレーヤー「LINN SONDEK LP12」。製作した回路図も見せていただきましたが、回路図は、回路変更があったバージョンごとの回路図をネットで調べて、この仕様のLP12の最終型だと突き止めて、修理のための回路図をあらためて作り直したそうです。

修理のために購入した部品の一覧表。コンデンサ、抵抗、半導体、ダイオードなど80点以上。Linnのこのプレーヤーは、電源をOFFにしても、線でつながっていれば、相当の電流が流れているので、それも劣化の原因だろうということのようです。

購入部品一覧の続き。LP12軸受けオイルは、Linn Japanから購入しています。大修理なので、多分、オーディオ屋さんにもっていっても、工賃がとんでもない額になるので、修理不能として扱われる内容だそうです。

持参したレコード。ズート・シムズ「If I'm Lucky」(Pablo オリジナル盤)。

蘇ったレコードプレーヤー「LINN LP12」を使って再生した、エイプリル・スティーヴンス「Teach Me Tiger!」。弦楽器がうまく再生されていました。

締めに、ソニー・ロリンズ「Vol.2」(Blue Note)。リバティー社製ですが、RVGの刻印が入っていて、迫力ある音で再生されました。僕はこの中の「Poor Butterfly」が大好きです。

胃が疲れ気味なので、紅茶「マルコポーロ」をいただきました。アールグレイよりも美味しい気がしました。

【アンの家】

住所:長野県松本市梓川梓459
電話:070-5455-1941
営業:水曜日~日曜日 13時~19時。定休日:月曜日・火曜日

【現行品ですが、Sondek LP12の紹介ページ。LINN Japanのホームページです。】

Sondek LP12 (Mechanics Only) | LINN Japan

LINNのこのプレーヤーは、アナログファンの憧れの製品でもあります。僕もレコードプレーヤーのいいのが欲しくなってきましたが、カメラも買ったし、まあ、当分無理そうです。


ズート・シムズ「IF I'M LUCKY」、アル&ズート1978年来日公演パンフレット、上田市「こぶたや」でカレーランチ。

2023-10-15 19:30:00 | テナー・サックス

先日、ランチに上田市の「こぶたや」でカレーをいただきました。とんかつ屋さんのためか、お肉がこれでもかと入っていて驚きましたが、美味しい。これでもかとスイングしているアルバム。

ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
IF I'M LUCKY (PABLO 1977年録音)

   

ズート・シムズ(ts, 1925~1985年)については、一度だけライブを聴いたことがあり、1978年の3度目の来日の際に、長野県松本市の公演(下記1978年のパンフレット参照)に行きました。本作は、その来日1年前の録音で、最近、西ドイツ盤レコード(オリジナル盤)を入手したので、取り上げました。

メンバーは、ズート・シムズ(ts)、ジミー・ロウルズ(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、マウジー・アレキサンダー(ds)。1977年10月の録音ですが、翌1978年10月の日本公演に、ジョージ・ムラーツ以外の3人が来日しています。

曲目は、次のとおり。

1  Where Our Love Has Gone (Buddy Johnson)
2  Legs (Neal Hefti)
3  If I'm Lucky (Eddie De Lange)
4  Shadow Waltz (Harry Warren)
5  You're My Everyghing (Harry Warren)
6  It's Alright With Me (Cole Porter)
7  Gypsy Sweetheart (Mitchell Parish)
8  I Hear A Rhapsody (George Fragos)
凝った選曲で、スタンダード曲が多いのですが、「Gypsy Sweetheart」は珍しい。「You're My Everything」と「It's Alright With Me」が聴けるのが嬉しい。

ズート・シムズのアルバムの中でも、特に素晴らしいアルバム。「You're My Everything」は、初めスローテンポで出ますが、一転、これでもかのスイングぶりで、シムズの真骨頂ともいうべき演奏が聴けます。続く、「It's Alright With Me」も快演。ソニー・ロリンズに録音のある「Shadow Waltz」は、なんとボサノヴァでやっていて、別の曲のようですが、心地よく聴け、哀愁を帯びた「I Hear A Rhapsody」と、最後まで楽しめます。ジミー・ロウルズ(p)の和音の塊をぶつけるようなソロには、初め驚きましたが、簡潔でこれはこれでよかった。

   

レコードのラベル。

(参考)本作から「You're My Everything」 が聴けます。

Zoot Sims - You're My Everything (1977) - YouTube

安曇野市宅で聴いているところ。飾ってあるレコードは、いずれもズート・シムズのリーダー作で、右から「Waiting Game」(Impulse!)、本作「If I'm Lucky」、「ZOOTCASE」(プレスティッジレーベルの再発2枚組、ジャケットが良いので持っています。)、「ZOOT」(Riverside再発盤)。

自宅でパンフレットを見かけたので、どこかへいかないうちに、ここにアップしておきます。

【ズート・シムズ、アル・コーン 1978年来日公演のパンフレット】

ズート・シムズは、1976年、77年、78年、82年、83年と5回来日をしています。うち、77年と78年が自分のグループでの来日で、アル・コーンがゲストだった78年に、「アル&ズート」の演奏が行われました。

   

パンフレットの表紙

   

来日公演スケジュール表。僕は、10月22日開催の松本公演を聴きました。27日の名古屋「ジャズ・イン・ラブリー」、28日の「銀座スイング」の両店は、現在も営業中なのがすごい。

   

ズート・シムズの略歴。この時の、メンバーは、ズート・シムズ(ts)、アル・コーン(ts)、ジミー・ロウルズ(p)、ボブ・クランショー(b)、マウジー・アレキサンダー(ds)。

   

山形市のジャズ喫茶「オクテット」のマスター、相沢栄さんによるエッセイが掲載されています。

   

広告ページ。掲載されたジャズ喫茶の中で、当時行ったことがあったのは「響」だけでした。後に、「洋燈舎」と「Jazz Country」には入りました。

   

最終ページのクリス・コナーのライブ広告です。『ニューヨークのためいき』という惹句は、普通、ヘレン・メリルについて言われているので、クリス・コナーにつけたのには、違和感。でも、ちょっと微笑。

【こぶたや】

住所:長野県上田市中央6-4-57
電話:0268-24-4118
ホームページ:とんかつ・豚肉料理 こぶたや - 上田/豚料理 | 食べログ (tabelog.com)

外観

カウンター席。意外に広いです。

ランチメニュー。カレーが食べたかったので、ポークカレー定食を注文。

キャベツ用の特製ドレッシングを置いてあり、僕はこれをかけました。

ポークカレー定食。

カレーのルウは、グレイビーポットに入って出てきます。お好みでご飯にかけて食べることができます。

お肉がゴロゴロという感じで入っていて、食べ応えあります。味も、フルーツ系の甘さを感じられて美味しかった。


安曇野市豊科の「レストラン プルミエ」で、「ポークソテー トマトとチーズ風味」の夕食。

2023-10-14 19:54:39 | グルメ

安曇野市宅の比較的近くの「レストランプルミエ」を再訪。以前入って気にいったレストランで、洋食が食べたいので出かけました。開店すぐに入ったのですが、しばらくすると、席が埋まってしまいました。

今回は、ビーフシチューが切れているということなので、ポークソテーと、スープと珈琲のセットを注文。自家製トマトソースとチーズがのっかり、濃厚な味わいで美味しかった。肉が軟らかくてびっくり。

外観

入口

店内。一番奥に座りました。

メニュー。ビーフシチューが切れていたので、豚ロース肉のソテー トマトとチーズ風味を注文。

まずサラダです。サービスで、キューリの漬物、ゴボウと牛肉のしぐれ煮がついてきました。

サラダ。トマトが大きくて嬉しい。

ゴボウ、牛肉ともに柔らかくて食べやすい。

漬物

ポークソテー。かかっているのは、チーズとトマトソースですが、ソースはデミグラスみたいな感じでした。

肉が軟らかくてびっくり。上質なものを使っているようです。

つけあわせの野菜。大きなニンジン、ナス、ズッキーニとこちらもボリュームありました。

ごはん。パンも選べます。

食後に珈琲をいただきました。ビーフシチューに行き会えませんでした。こちらのご主人は、適したお肉が手に入らないと、その料理はやらないようです。いつか食べれる日を楽しみに、また訪れたいと思います。

【レストラン プルミエ】

住所:長野県安曇野市豊科4962-1
電話:0263-72-3404
ホームページ:レストラン プルミエ - 豊科/洋食 | 食べログ (tabelog.com)


ヤマザキマリ著「ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論」(集英社新書)を読みました。イラストも楽しい。

2023-10-13 19:30:00 | 読書

ヤマザキマリさんの「偏愛ルネサンス美術論」(集英社新書)が面白そうだったので、書店で購入。

   

表紙

(カバーにある本書の紹介)

大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリを、ただ古代ローマと風呂が好きなだけの漫画家だと思ったら大間違い。実は一七歳で単身イタリアに渡り国立美術学校で美術史と油絵を学んだ筋金入りの美術専門家なのだ。そんな彼女が初の美術論のテーマに選んだのは、偏愛する「ルネサンス」。しかしそこは漫画家。あの大巨匠も彼女にかかれば「好色坊主」「筋肉フェチ」「人嫌い」と抱腹絶倒のキャラクターに大変身。正統派の美術論ながら、「変人」をキーワードにルネサンスを楽しく解読する、ヤマザキ流芸術家列伝!

(筆者略歴)

ヤマザキマリ
漫画家。1967年東京都生まれ。1984年よりイタリア国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で美術史と油絵を学ぶ。1997年漫画家デビュー。2008年連載開始の『テルマエ・ロマエ』が空前の大ヒットとなり、2010年のマンガ大賞、手塚治虫文化賞短編賞を受賞。評論、エッセイの著書も多数。

(感想など)

ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチをはじめルネサンス時代(14世紀~16世紀)の芸術家は、とっつきにくく、作品もあまり馴染みがないのですが、フィリッポ・リッピ(1406~1469)から話が始まる本書で、ルネサンスが身近に感じられました。

ヤマザキマリさんは、イタリアで絵画の修行をしており、各地で本物の絵や建築物を観たり模写しているので、説明が具体的でわかりやすく、興味が最後まで持続します。画家の選択は、好みなどが入っていると思いますが、却って、名前などが後に残ります。

イタリア料理の「カルパッチョ」は、画家のヴィットーレ・カルパッチョ(1455頃~1525頃)の名前に因んだものだということは、初めて知りました。ダンテの「神曲」が、現代でも朗読されているなど、イタリア居住ならではのトピックスも入り、活きがよくて、面白い本です。

(以下気になった絵など)

 

   

フィリッポ・リッピ(1406~69)「聖母子と二天使」。『恋する「お坊さん」がすべてを変えた』と記し、リッピは、ルネサンスの始まりを象徴する画家だと著者は位置づけています。

   

ラファエロ・サンティ(1483~1520)「大公の聖母」。下段は、「アテナイの学堂」の一部。

   

上段に、アントネロ・メッシーナ(1430頃~1479)「受胎告知の聖母」。

   

ヴィットーレ・カルパッチョ(1455頃~1525頃)「聖十字架遺物の奇跡」。『ヴェネツィア・ファッションの伝道者』と著者は記し、遠近法が上手なことにくわえ、人物のキャラクターの描き分けが見事で、漫画的な感覚のある絵と評しています。

(著者が描いた画家の似顔絵)

各章の扉には、著者が描いた似顔絵が掲載されていて、親しみも湧きます。

   

   

   

(カバー裏に記載された本書に登場する芸術家たち)

【ヤマザキマリ ホームページ】

Home - Mari Yamazaki (yamazakimari.com)

次の本もかなり面白かったです。

原田マハ・ヤマザキマリ著「妄想美術館」(2022年1月発行、SB新書)

   


アル・コーン「PLAY IT NOW」、JR東日本「大人の休日倶楽部 2023年10月号」。

2023-10-12 19:30:00 | テナー・サックス

JR東日本の大人の休日倶楽部会報誌2023年10月号は、ビートたけし原作の映画「アナログ」に出演している女優の波瑠さんの記事や茨城県水戸市の街並み紹介など、久々に興味深い号でした。深い演奏を。

AL COHN (アル・コーン)
PLAY IT NOW (XANADU 1975年録音)

   

アル・コーン(ts, 1925~1988年)は、ズート・シムズ(ts)と1956年から2テナーチーム「al & zoot」を組み、その録音も多いのですが、彼の単独作だと1975年~80年にザナドゥ(xanadu)レーベルに録音したものがメンバー、曲目ともによくて、これはその一枚。

メンバーは、アル・コーン(ts)、バリー・ハリス(p)、ラリー・リドレイ(b)、アラン・ドウソン(ds)。バリー・ハリスは、XANADUレーベルのハウスピアニストのような存在でしたが、このアルバムでも活躍。

曲目は、次のとおり。

1  You're My Everything (Harry Warren)
2  Lover (Richard Rodgers)
3  Play It Now (Al Cohn)
4  Irresistible You (Gene Depaul)
5  Georgia on My Mind (Hoagy Carmichael) 【わが心のジョージア】
6  It's Sand, Man! (Ed Lewis) 
ジャズオリジナルのアル・コーン自作「Play It Now」とエド・ルイス作「It's Sand, Man!」(カウント・ベイシー楽団のナンバー。)以外は、スタンダード曲です。

本作は、アル・コーン(ts)の優れたワンホーン作品です。大好きな曲「You're My Everything」では、ゆったりとスイングする楽しい演奏が楽しめ、「Irresistible You」では、アドリブの無伴奏部分や同じ音を繰り返すところなど、ソニー・ロリンズをちょっと想起しました。バラードの「Georgia on My Mind」は、バリー・ハリス(p)とのデュエットで、両者ともに夢みるような美しいプレイを行っています。コーン(ts)は、原旋律から離れてメロディを綴っているところも多く、実力者だと思わせてくれます。

(参考)本作から、「You're My Everything」が聴けます。

You're My Everything - YouTube

 

【JR東日本 大人の休日倶楽部 2023年10月号】

大人の休日倶楽部サイト:大人の休日倶楽部:JR東日本 (jreast.co.jp)

   

表紙

映画「アナログ」が公開されていて、映画評を掲載したブログなどでは、評判が良いようです。「波瑠(はる)」さんの略歴が、上記右側に記されています。

   

本文では、映画「アナログ」撮影時のことや個人的な旅の話などに触れています。

   

特集は茨城県ですが、主に水戸市の紹介でした。1602年(慶長7年)、徳川頼房が初代の水戸藩主となり、城下町の整備などが行われました。

   

高低差が随分とある地形のようです。

   

空堀や水路が巡らされていて、堅牢で住みやすい城下町だったようです。

   

2代藩主の徳川光圀は、水道の整備(暗渠の笠原水道)を命じています。初代、2代と英明な藩主に恵まれた藩のようでした。

   

残念なことに、太平洋戦争末期の空襲によって、歴代藩主が築いてきた城下町は、多くが灰燼に帰してしまいました。藩校の弘道館は創建当時から残る建物が、国重要文化財に指定されています。

   

水戸と言えば、梅の名所「偕楽園」ですね。

備前堀。現在は農業用水として使われているそうです。この場所には行ってみたい。水戸市は一度訪れたことがありますが、気になるジャズ喫茶もあり、再訪したい。

コロナに感染してしまい、38度以上の高熱が出て、日常の生活ができずにいました。本日からブログを再開できました。諸事情で断続的なアップになる時もあると思いますが、引き続きよろしくお願いします。