Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

優等生ぶること

2011年05月30日 07時45分14秒 | Weblog
 「新潮45」(6月号)の「『がんばろう日本』という暴力」(中島義道氏)を読んでいて、ふと気付いたことがあった。中島氏は、被災した子供たちが、「早く学校に行きたい」「友達に会いたい」と述べる一方で、「学校が壊れたおかげで休みになってラッキー」などという発言が出ない現象について、ジャック・ラカンの言葉を引用して指摘している。すなわち、人は「他人の欲望を欲望しなければ生きてはいけない」のだと。
 「学校が壊れたおかげで休みになってラッキー」などという子供は、やがて共同体から放逐され、生きていけなくなる。だから、(このような人は)他人の欲望を表現することによって、生きていく方途を探らなければならない。そのうち、「他人の欲望」が「自己の欲望」に転化するのである。
 サラリーマン社会でも同じで、「優等生ぶる」ことは、組織で生きていくためには必要である。例えば、「仕事熱心」な人は周囲から尊敬され、他方、「仕事なんか嫌いだ」と公言する人や、ちょくちょく休暇をとって海外旅行などに出かける人は、やがてリストラされるだろう。「自己の欲望」が「他人の欲望」と相反しているからである。
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