「東京物語」のワンシーン。
周吉・・・「ウーム よう昔から 子供より孫がかわいい言うけえどー お前ァ どうじゃった?」
微笑みながら、
とみ・・・「お父さんは?」
と言うとみ。
周吉・・・「やっぱり子供のほうがええのう」
とみ・・・「そうですなァ」
微笑むとみ。
周吉・・・「でも 子供も大きうなると変るもんじゃのう 志げも子供の時分はもっと優しい子だったじゃにゃァか」
とみ・・・「そうでしたなァ」
周吉・・・「おなごの子ァ嫁にやったらおしまいじゃ」
とみ・・・「幸一も変りやんしたよ あの子ももっと優しい子でしたがのう」
周吉・・・「なかなか親の思うようにァいかんもんじゃ……」
二人、笑う。
身につまされるようなシーンだ。周吉ととみは、子供から厄介者扱いされても、子供は「かわいい」という。自分の生活だけで精いっぱいな子供たちを見て、実は頼もしく思っているのではないだろうか。巣立ったひな鳥をみる親鳥の心境である。
周吉・・・「ウーム よう昔から 子供より孫がかわいい言うけえどー お前ァ どうじゃった?」
微笑みながら、
とみ・・・「お父さんは?」
と言うとみ。
周吉・・・「やっぱり子供のほうがええのう」
とみ・・・「そうですなァ」
微笑むとみ。
周吉・・・「でも 子供も大きうなると変るもんじゃのう 志げも子供の時分はもっと優しい子だったじゃにゃァか」
とみ・・・「そうでしたなァ」
周吉・・・「おなごの子ァ嫁にやったらおしまいじゃ」
とみ・・・「幸一も変りやんしたよ あの子ももっと優しい子でしたがのう」
周吉・・・「なかなか親の思うようにァいかんもんじゃ……」
二人、笑う。
身につまされるようなシーンだ。周吉ととみは、子供から厄介者扱いされても、子供は「かわいい」という。自分の生活だけで精いっぱいな子供たちを見て、実は頼もしく思っているのではないだろうか。巣立ったひな鳥をみる親鳥の心境である。