東京物語の続き。
作中で、平山周吉(笠智衆)の発言にぎょっとした瞬間があった。茂木先生がうまく解説している。
何を言って、何を言わないか(「クオリア日記」)
「観客はショックを受ける。にこにこと笑っている老父の中に、まさか息子のことを「場末の小まい町医者」と呼ぶような一面が隠れているとは思いもしない。暖かな水の中に、一瞬冷たい刃物が光る。人間というものの深みを描いた、小津安二郎監督の真骨頂である。」
そう、周吉は長男を実は批判的な目で見ているのである。「たかが町医者ごときが、親をないがしろにしやがって」などと、アメリカ映画では心中を吐露するところだろうが、小津映画では、(酒の席以外では)何も語らず、にこにこしているだけなのである。
作中で、平山周吉(笠智衆)の発言にぎょっとした瞬間があった。茂木先生がうまく解説している。
何を言って、何を言わないか(「クオリア日記」)
「観客はショックを受ける。にこにこと笑っている老父の中に、まさか息子のことを「場末の小まい町医者」と呼ぶような一面が隠れているとは思いもしない。暖かな水の中に、一瞬冷たい刃物が光る。人間というものの深みを描いた、小津安二郎監督の真骨頂である。」
そう、周吉は長男を実は批判的な目で見ているのである。「たかが町医者ごときが、親をないがしろにしやがって」などと、アメリカ映画では心中を吐露するところだろうが、小津映画では、(酒の席以外では)何も語らず、にこにこしているだけなのである。