Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

親の欲

2013年02月05日 08時24分04秒 | Weblog
 東京物語の続き。
 作中で、平山周吉(笠智衆)の発言にぎょっとした瞬間があった。茂木先生がうまく解説している。
何を言って、何を言わないか(「クオリア日記」)
「観客はショックを受ける。にこにこと笑っている老父の中に、まさか息子のことを「場末の小まい町医者」と呼ぶような一面が隠れているとは思いもしない。暖かな水の中に、一瞬冷たい刃物が光る。人間というものの深みを描いた、小津安二郎監督の真骨頂である。」

 そう、周吉は長男を実は批判的な目で見ているのである。「たかが町医者ごときが、親をないがしろにしやがって」などと、アメリカ映画では心中を吐露するところだろうが、小津映画では、(酒の席以外では)何も語らず、にこにこしているだけなのである。
コメント
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