大学時代に就職活動をしていたころ(当時は「就活」という言葉もなかった)、ある企業の人事担当者が、「社員には、あらゆる手段を使って競争させている。人間は、競争させないといい仕事をしないからだ」と述べていて、ショックを受けた経験がある。
だが、どんな企業組織にもこういう一面があり、長いこと組織にいると、いつの間にか組織内の競争で優位に立つことを至上命題にするようになってしまう。
さて、法曹界についていうと、司法試験の合格者を増やし、弁護士の競争を促進することによって、安価で質の高いリーガルサービスを社会全体にいきわたらせるというのが、司法制度改革の眼目だったと思うが、ここでも「競争」という概念が出てきている。
確かに、「安価」なサービスが提供できるようになり、その量が増えたことは間違いない。このことは、例えば、法テラスをみればすぐわかることだ。
だが、「質の高さ」という点について言えば、従前の弁護士の「仕事」をみていないからということもあるが、よくわからない。少なくとも、「不祥事が増えているから仕事の質も劣化している」という指摘はあたっていないと思う(不祥事を起こしているのは、多くがベテラン弁護士だという点にも注意する必要がある。)。ただ、若手がOJTを積む機会が減っており、自信を持てないまま事件処理をしているという場面は増えているようだ。
だが、どんな企業組織にもこういう一面があり、長いこと組織にいると、いつの間にか組織内の競争で優位に立つことを至上命題にするようになってしまう。
さて、法曹界についていうと、司法試験の合格者を増やし、弁護士の競争を促進することによって、安価で質の高いリーガルサービスを社会全体にいきわたらせるというのが、司法制度改革の眼目だったと思うが、ここでも「競争」という概念が出てきている。
確かに、「安価」なサービスが提供できるようになり、その量が増えたことは間違いない。このことは、例えば、法テラスをみればすぐわかることだ。
だが、「質の高さ」という点について言えば、従前の弁護士の「仕事」をみていないからということもあるが、よくわからない。少なくとも、「不祥事が増えているから仕事の質も劣化している」という指摘はあたっていないと思う(不祥事を起こしているのは、多くがベテラン弁護士だという点にも注意する必要がある。)。ただ、若手がOJTを積む機会が減っており、自信を持てないまま事件処理をしているという場面は増えているようだ。