「【リゴレット】ロベルト・フロンターリ
【ジルダ】ハスミック・トロシャン
【マントヴァ公爵】イヴァン・アヨン・リヴァス」
主役3人の歌手が完璧で、ケチのつけようがない。
これを上回る「リゴレット」は、今後当分聴くことが出来ないのではないかというくらいである(それにしても、ペルー人の歌手を見つけてきたのはやはり大野芸術監督なのだろうか?)。
さて、ヴェルディは、ユーゴ―の原作「王は楽しむ」のストーリーを結構改変しているらしい。
「なお、検閲と関係なく行われた次の2つの変更は、ヴェルディによる改良と言ってよいだろう。1つ目は第1幕第7場(第3曲)、リゴレットがスパラフチーレと出会う場面である。・・・時系列から見れば原作の方が自然なのかもしれないが、ドラマの上では夜とする方が明らかに効果的だろう。
2つ目は、大詰めである。・・・原作ではその場所になかったキーワード「呪い」を繰り返す大詰めは、オペラと言うジャンルに極めて適したものである。ヴェルディはおそらく、ユーゴ―以上にこのドラマの核心を理解していったのではないだろうか。」(公演パンフレット・園田みどりさんの解説)
なるほど。
「椿姫」では原作の大事なところをカットしてしまったヴェルディだが(傑作の欠点)、「リゴレット」ではなんとユーゴ―の原作に手直しを加えて「改良」したのであった。