完全破壊

Trump: US would destroy North Korea if forced to defend itself（BBC)
"If [the US] is forced to defend itself or its allies, we will have no choice but to totally destroy North Korea," Mr Trump said.

　トランプ大統領は、国連で、「アメリカが自国又は同盟国を守らざるを得ない状況に追い込まれれば、我々は、北朝鮮を完全に破壊するしか手立てがなくなるだろう」と発言した。この”totally destroy”という言葉が物議をかもしている。
　他方で、アメリカは韓国や日本に兵力を増派しておらず、しばらくはやる気がないとみる。

被害者

法科大学院の過ちを繰り返すな - 塚崎公義（大学教授）
　「どうしても法科大学院が作りたければ、司法試験予備校を単科大学院大学として認可すれば良かったのでは無いでしょうか。今さらですが（笑）。」
　「「大学は、法科大学院を作るべきではなかったし、学生は法科大学院に入学すべきでなかったのに、愚かな選択をしたのだから、ヒドイ目に遭ったのは自己責任だ」などと言う人がいるかも知れません。それは理論的には正しいかも知れませんが、そこまで自己責任と呼ぶのは可哀想でしょう。チョッと極端ですが「タイタニック号は救命ボートが少なかったのに、救命ボートの数も調べずに乗り込んだ愚かな乗客の自己責任だ」というのと似ていますから。」

　ある大学関係者が、「文科省が、『教育をとるか研究をとるか選べ』と迫ってきた」というのを聞いたことがある。こう言われて、法科大学院を作らないとすれば大幅に予算・補助金を減らされると考えた関係者は多かっただろう。
　こうして沢山の法科大学院ができ、その後淘汰が進んでいったわけだが、視点を変えれば、大学側も制度の被害者ということができるかもしれない。
　学生は、法曹になれなければほかの職を探すことになるわけだが、大学・大学院が成り立たなくなれば、教員は職を失うことになるだろうから、問題は深刻である。

おとり捜査

ウガンダ保健相、患者に扮して病院潜入 賄賂要求の職員を摘発
　「同保健相はその病院で一般の患者を装い、「すべて無料で受けられることになっている」いくつかの検査を受けたところ、15万ウガンダ・シリング（約4600円）を支払うよう言われ、「お金はないと言ってもしつこく要求された」という。」
　「医療従事者の月収がわずか70ドル（約7800円）ほどとされるウガンダの公立病院では、患者から金銭を巻き上げる行為が横行してるという。」

　記事にあるウガンダの病院では、病院関係者が保健大臣の名前や顔を知らなかったため、おとり捜査が可能となった。
　日本でいえば、厚労大臣が病院に潜入するような話だが、言われてみれば、加藤勝信大臣の顔を知っている人が多いとは思えない。

内定取消とシーシュポス

司法試験受験生へ！法律事務所への就活～３回の波（時期）がやってくる～
　「司法試験直後のこの時期は、大手の法律事務所の説明会、選考が始まります。特に４大法律事務所は、６月から始まります。
　そして、早い人だと、６月の上旬には、内定が出されるそうです。司法試験の合格発表前に内定が出ちゃうんです。」

　先週、司法試験の合格発表があった。
　ある大手事務所の採用担当者がいうには、この時期、不合格者となった内定者に内定取消を告げるのが、つらい仕事なのだという。
　もっとも、合格前に内定を出すのは、大手事務所において、若くて優秀な人材を確保すること、要するに青田買いが目的なのだから、内定取消はマッチポンプという見方もできるだろう。
　内定を取り消された人は、シーシュポスのように、岩を山頂に向かって運んでいく作業を一から始めることになる。　

空気を読まない

長嶋一茂、生放送中に「北朝鮮ミサイルより野球だろ」発言で番組混乱の背景
　「元プロ野球選手の長嶋一茂（51）が15日放送の『羽鳥慎一 モーニングショー』（テレビ朝日系）のエンディングで、日本中を震撼とさせている北朝鮮のミサイル発射問題に対し、「広島がマジック1、ソフトバンクがマジック1なのに。北朝鮮のミサイルごときでギャーギャー言うな」と突然発言し、出演者一同があっけに取られるというハプニングが起こった。」

　相変わらず空気を読まない言動だと指摘されているが、善意に解釈すれば、「危難の中にあっても平常心を失ってはならない」ということを言いたかったのかもしれない。

説諭

「君たちは産業廃棄物以下」「さだまさし歌詞を引用」…人間味溢れる名判事
　「2003年、水戸家裁で暴走族メンバーが少年をリンチの果てに死亡させた事件の審判が行われた。その時、裁判官は加害少年たちにこう言ったという。「犬のうんこですら肥料になるのに、君たちは何の役にも立たない産業廃棄物以下じゃないか」」

　個人的には、刑事裁判・少年審判での裁判官の説諭は、あまり好きではない。
　その理由は、サマセット・モームが指摘したように、「自分を何様だと思っているんだ」という印象を与えるからである。
　ちなみに、瀬木比呂志元裁判官によれば、裁判官による性犯罪の発生率は、人員数から見ればと多いと言わざるを得ないそうだ。

金属探知機

将棋連盟が全対局で金属探知機検査へ…スマホなど規制厳格化
　「日本将棋連盟が金属探知機による身体検査を対局者に課す新規定を導入することが１３日、分かった。電子機器による不正行為の防止策をより厳格化するための新ルールとなる。」

　ターゲットを明らかにすることなく、最初からこうしておけば問題にならなかったのに、という感じである。
　金属探知機というのは徹底している（司法試験や二回試験ではそこまでやらない。）。おそらく、電子機器を持ち込んでトイレなどで使用することを防止するためと思われる。

不安をあおる

デート商法・就活セミナー契約、取り消し可能に　政府案
　「消費者との親密な関係を利用した「デート商法」などによる契約締結は取り消せるようにする。また、就職活動中の学生に対し、「あなたは一生成功しない」などと根拠なく不安をあおり、有料セミナーの受講を契約させた場合なども取り消せる。」

　恋愛感情につけこんで物品を買わせるなどのデート商法や、就活に不安を抱える学生にセミナーを受講させるなどの被害が多発している。
　こうした事案はこれまでの消費者契約法ではカバーされていなかったが、法改正により取り消し可能とするのが政府案の要旨である。
　学生に対し、「あなたは一生成功しない」などとさらに不安を煽る言動は、人間として最低というべきであり、刑事罰の対象にしてもよいのではないだろうか。

演技性パーソナリティ障害

22年前の未解決事件、文学賞作家を殺人容疑で逮捕 / 作家「この日を待っていた」 過去には “小説家が大量殺人” の作品構想も
　「「事実は小説より奇なり」とはよくいったものだが、先日、中国である未解決事件が驚くべき展開を迎えたと話題になっている。
　22年前に子供を含む4人が惨殺された事件なのだが、逮捕された容疑者に世間は驚いた。受賞歴もある有名作家だったのである。」

　この人物は、犯行後に有名作家となっている。
　完全犯罪をもくろむ人間であれば、世間から注目を浴びないように、社会の片隅でひっそりと逃亡生活を送りそうなものだが、この人は違った。作家として、社会の中で成功する人生を目指したわけである。
　この人には、「演技性パーソナリティ障害」の傾向があるのではないかと思う。今後も、いろいろと社会に対し発信していくかもしれない。

営業終了

　全国的に、屋外プールは昨日までで営業終了というところが多かったようだ。
　屋外プールは、社会の縮図のようなものである。たとえば、練習用コースと子供・家族用エリアとの違いを見ると興味深い。
　練習用コースでは、「目標」と「成果」に縛られた大人たちが、「今日は〇キロ泳ぐぞ！」などという決意を胸に必死に練習に励んでいる。これに対し、子供・家族用エリアでは、コースロープなどなく、もちろん「目標」や「成果」などとは関係なく、子供たちが自由に水と戯れている。
　私などは、ときどき、子供・家族用エリアに郷愁を覚えるのである。