息子が前から行きたがっていたボルダリングに行った。
六甲のモンベル。
場所は室内。こんな感じ。
いろんな傾斜がついた壁にいろんな色と形の突起がボルトで留めてあって
それぞれにシールで印がしてあって、同じ印の物をたどって上まで行く、と言う競技です。
行く直前まで私もする気だったんだけど、良く考えたら指がまだ治ってなかった。
あの怪我は思わず長引いています。くっついてからが長い。どんどん治るんじゃなくてひどくなったり、いろいろ。日にち薬なので待つしかない。
フライパンが重くて持てないこの指が、この体を支えられるはずが無い。
それであえなくあきらめた。
息子や他の人がするのを見る。
始めはぎこちなかったけど、先輩が登るのを見て次にやったらまったくフォームが変わっていた。子どもってすごい学習能力。
始めは壁から体が浮いている感じ、ちょっとのことですぐに引き離される。
使っているのも手と足の一部の筋肉だけだ。
それが挑戦を重ねる事で体が連動して行く。
体のすべての筋肉が一繋がりになって、ひとつの動作を構築して行く。
意識がつながって行くのがわかる。
登るのも、始めは一つたどり着いたら次を探す、探して考えているうちにもう体力が尽きて落ちる。の繰り返しだ。
それが登り始める前にじっとコースを確認して自分でイメージしてそれにそって行動できるようになってくる。
どんどん無駄がそぎ落とされて体も壁に近くなって安定感が増してくる。
まるでサルかスパイダーマンのようになってくるのだ。
うまい人をみていると動きが柔らかく無駄が無くすばやい。なんとも安心感がある。
スタート地点にいる瞬間、もうゴールまでの軌跡が自分の中で描かれているのがわかる。それに導かれるように進む。
フワフワすいすいと登って行くのは気持ちが良さそうだ。
こんなに垂直、または手前に傾斜している壁なのに。
動きは静かでゆっくりでもこれはかなり筋肉を使うと思う。
頭もいっぱい使うと思う。
ストレス解消によさそうだな。
この前の院内学習会で習った事。
人は危機的(ストレスをかけられた)状況に陥ると交感神経が働いて血液が筋肉に集中するらしい。
野生のライオンやシマウマだとその場合は追いかけたり逃げたりするので筋肉を使うから、送られた血液は使われて命を懸けた追いかけっこが終わると副交感神経が働いてリラックスできるのだ。
しかし現代ではその自律神経の交代が行われにくいので交感神経優位の状態が続くと、冷え性、消化不良、イライラ、頭痛、聴覚過敏、感覚の鈍磨などいろいろと起こるらしい。
手っ取り早くその不快な症状を麻痺させる手段としてアルコールが用いられ、それが繰り返される事でアルコール依存症が引き起こされるという話だった。
ハイキングや野球などの運動、音楽を聴いたりいろんな所にいったりするのが、その状態から脱するのにいいらしい。
そういう意味で、ボルダリングは筋肉も集中した思考もたくさん要求されるのでいいんじゃないかと思う。
なによりいつも人工だけど「危機的状況の克服」だし。
3時間の内に息子はどんどんと新しいコースを攻略して行った。
見ていると逞しい。うちでのダラダラとはかけ離れた姿だった。
今は思春期で家では母には毒々しい言葉と姿ばかり見せているけど、こんな輝かしい一面があるとわかって良かった。連れてきてみるもんだな。
「今見えているすばらしい面だけがその人のすべてじゃなくて…」の反対。
「今見ていてるダメな所だけがその人のすべてではなくて、素敵な輝かしい所が必ずある」と言う事を忘れないでその人に接するようにしよう、と思った。
いつも私の意見や要求をしつこいほど大声で繰り返しても一向に行動に移す様子がない彼だが、帰るときに目配せして少しうなずいただけで私の意図する所がわかってすぐに帰り支度を始めた。
思春期に入ってしばらくコミュニケーションのとり方がわからなかったけれど
こんなにささやかなサインで通じているんだとびっくりした。
母には何を聞かれても「しらん、普通やし…。」の彼が、初めて会った大人たちに紳士的な態度で接している。
彼はもう子どもではないなと悟った。
なーんだ、ちゃんと育ってるんじゃん!!
良かった。
指が治ったら私もちょっとやってみたいな。
そして息子をまた連れて来よう。もうしばらくしたら直接こうやって支える事も出来ないだろうから、今のうちにいろんな事を経験するのを支えたい。
大人になってそれが人生の力や栄養になるような経験。生き抜くためのパワーの種。
六甲のモンベル。
場所は室内。こんな感じ。
いろんな傾斜がついた壁にいろんな色と形の突起がボルトで留めてあって
それぞれにシールで印がしてあって、同じ印の物をたどって上まで行く、と言う競技です。
行く直前まで私もする気だったんだけど、良く考えたら指がまだ治ってなかった。
あの怪我は思わず長引いています。くっついてからが長い。どんどん治るんじゃなくてひどくなったり、いろいろ。日にち薬なので待つしかない。
フライパンが重くて持てないこの指が、この体を支えられるはずが無い。
それであえなくあきらめた。
息子や他の人がするのを見る。
始めはぎこちなかったけど、先輩が登るのを見て次にやったらまったくフォームが変わっていた。子どもってすごい学習能力。
始めは壁から体が浮いている感じ、ちょっとのことですぐに引き離される。
使っているのも手と足の一部の筋肉だけだ。
それが挑戦を重ねる事で体が連動して行く。
体のすべての筋肉が一繋がりになって、ひとつの動作を構築して行く。
意識がつながって行くのがわかる。
登るのも、始めは一つたどり着いたら次を探す、探して考えているうちにもう体力が尽きて落ちる。の繰り返しだ。
それが登り始める前にじっとコースを確認して自分でイメージしてそれにそって行動できるようになってくる。
どんどん無駄がそぎ落とされて体も壁に近くなって安定感が増してくる。
まるでサルかスパイダーマンのようになってくるのだ。
うまい人をみていると動きが柔らかく無駄が無くすばやい。なんとも安心感がある。
スタート地点にいる瞬間、もうゴールまでの軌跡が自分の中で描かれているのがわかる。それに導かれるように進む。
フワフワすいすいと登って行くのは気持ちが良さそうだ。
こんなに垂直、または手前に傾斜している壁なのに。
動きは静かでゆっくりでもこれはかなり筋肉を使うと思う。
頭もいっぱい使うと思う。
ストレス解消によさそうだな。
この前の院内学習会で習った事。
人は危機的(ストレスをかけられた)状況に陥ると交感神経が働いて血液が筋肉に集中するらしい。
野生のライオンやシマウマだとその場合は追いかけたり逃げたりするので筋肉を使うから、送られた血液は使われて命を懸けた追いかけっこが終わると副交感神経が働いてリラックスできるのだ。
しかし現代ではその自律神経の交代が行われにくいので交感神経優位の状態が続くと、冷え性、消化不良、イライラ、頭痛、聴覚過敏、感覚の鈍磨などいろいろと起こるらしい。
手っ取り早くその不快な症状を麻痺させる手段としてアルコールが用いられ、それが繰り返される事でアルコール依存症が引き起こされるという話だった。
ハイキングや野球などの運動、音楽を聴いたりいろんな所にいったりするのが、その状態から脱するのにいいらしい。
そういう意味で、ボルダリングは筋肉も集中した思考もたくさん要求されるのでいいんじゃないかと思う。
なによりいつも人工だけど「危機的状況の克服」だし。
3時間の内に息子はどんどんと新しいコースを攻略して行った。
見ていると逞しい。うちでのダラダラとはかけ離れた姿だった。
今は思春期で家では母には毒々しい言葉と姿ばかり見せているけど、こんな輝かしい一面があるとわかって良かった。連れてきてみるもんだな。
「今見えているすばらしい面だけがその人のすべてじゃなくて…」の反対。
「今見ていてるダメな所だけがその人のすべてではなくて、素敵な輝かしい所が必ずある」と言う事を忘れないでその人に接するようにしよう、と思った。
いつも私の意見や要求をしつこいほど大声で繰り返しても一向に行動に移す様子がない彼だが、帰るときに目配せして少しうなずいただけで私の意図する所がわかってすぐに帰り支度を始めた。
思春期に入ってしばらくコミュニケーションのとり方がわからなかったけれど
こんなにささやかなサインで通じているんだとびっくりした。
母には何を聞かれても「しらん、普通やし…。」の彼が、初めて会った大人たちに紳士的な態度で接している。
彼はもう子どもではないなと悟った。
なーんだ、ちゃんと育ってるんじゃん!!
良かった。
指が治ったら私もちょっとやってみたいな。
そして息子をまた連れて来よう。もうしばらくしたら直接こうやって支える事も出来ないだろうから、今のうちにいろんな事を経験するのを支えたい。
大人になってそれが人生の力や栄養になるような経験。生き抜くためのパワーの種。