季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

送る人のために

2011-10-17 18:16:11 | 心と体 Mind&Body
お葬式って亡くなった人のためと言うより、残った人たちのためだとつくづく思う。
式場に入った時は「亡くなった人」そのもの。さっきまで生きていた。
だからお線香をあげたり手を合わせたりするのに少し抵抗があった。

それが一晩、二晩、支度して祭壇にまつられてお通夜をして、お葬式をするうちにちゃんと「仏さん」になって行く。火葬場に行く頃にはそれが抜け殻であることが納得できるようになる。
その魂の存在感の変化をしっかりと感じて「ああ、この人はもう死んだんだな」と納得できるのがお葬式なのではないかと今までも思っていた。
お骨拾いの時はもういろんなもやもやが消えてすっきりとした感じだ。
初七日の時はもう何の違和感もなく、骨壺とお位牌に手を合わせている。

祖母はきれいな着物を着てたくさんの花に囲まれて美しい彫り物の祭壇にまつられて、とっても素敵だった。化粧も丁寧にして「お嫁入り」みたい。
そうやって旅立って行くのを見るのが幸せだと思った。

葬儀場と言うと忌むべきものだと思いがちだけど、死ぬのと生まれるのは同じように大切なものだと考えるとそうでもないと思う。一晩過ごしたけど、怖いなんて全然思わなかった。そしてそこで働いている人たちの気持ちの良いほどの気遣いぶりと丁寧な働きっぷり。遺族はそれに随分支えられると思う。尊いお仕事だ。

家族や親せきや本当に近しい人たちだけに囲まれて送られて、ひ孫もいっぱい居て。
和やかで温かいお葬式はすばらしかった。
この繋がりを一生をかけて作ってきた彼女の働きぶりが表れている。これからも彼女から見習う事はたくさんあると思う。
ぬか床をかき混ぜるたびに、黒豆を煮るたびに、折に触れて彼女の事を思うだろう。

これから四十九日間はまだ向こうに完全には行ききらないでいるらしいから、大切に思って過ごそうと思う。
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2 Comments

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お葬式 (スエゾウ)
2011-10-17 19:42:06
父のお葬式の時は、セレマに頼みました。
喪主は兄でした。

スエは雑用とかして、あとはボーとしてました。

お骨になった父を見た時は、「人ってこうなるんだ。」と思いました。初めて見た私はちょっとショックだったような気がします。

去年、七回忌がおわりました。






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スエゾウさん (chico)
2011-10-17 21:54:47
お父様は若くしてお亡くなりになられたのですね。早い死は長く生きたそれよりずっと重いものになると思います。何年もかけて生き残った者たちはそれを受け入れて暮らして行くのだと思います。
私もお骨を初めて見た時はびっくりしました。
喉仏が本当に仏様の形だと知って感慨深かったです。
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