季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

命の映画二つ

2017-12-07 17:08:20 | 映画 movie
観たかった映画を続けて観た。
本当は先週もモンゴルの映画を観る予定だったけど、体調が良くなかったから行けなかった。残念。

二つとも元町映画館。最近リニューアルしてきれいになりました。

       

一つ目は『ニーゼと光のアトリエ』


ブラジルの精神科医、女性が主人公。
芸術による作業療法を初めて行った人の話。

絵を描くだけじゃなくて、粘土による彫塑。犬を飼ってのアニマルセラピーもしていた。
スポーツや郊外に出ての遠足。好きな服を着てみるワークショップまで。
ユングが生きていた時代だから随分前。
このやり方が私の居るクリニックと似ている。彼女が来る前の彼らと来た後の彼らの違いが顕著。

うちのクリニックの院長も言ってるけど、医者の敵は医者。
他の医者の理解が得られない、自治体の理解が得られない。それが一番の逆風。
それも良くわかる。

同僚の医者が言う。「治らないのになぜこんなことをするんだ?」
医学的には変化はないかもしれないけど、その人の毎日の暮らしは確実に質が変わっている。
何も役に立つ事が出来てないかもしれないけど、お金になる事は出来てないかもしれないけど
描いた絵には作った粘土の作品には、彼らの命の輝きが現れてると私は思う。
私にはその事自体に意味があると思うんです。

命の輝き。その事自体にもっと価値を感じて欲しい。そうしたらそれらの行為の価値もわかるのでは?

それは空の星と似ているかもしれない。ただ居てただ光る。何も作らないし経済効果も生まない。
でもだからと言って星に価値がないのか?星の価値。人の価値と似てると思うんです。

花だってどうぶつだって木だって。石だって。ある事そのものに意味があるのでは?
ないとあるの違いはとてつもなく大きい。

そんなことを思いながら映画を観ました。
うちのクリニックもとても素晴らしい活動をしていると思うけど、やっぱりそれは一般的ではなくて、
認められにくいみたい。
まだまだこれから。私もその流れを片隅でも支えて行こう。





もう一つは世界のいろんな国で子どもを産んで育てると言う事を取材してまとめたもの。
ドキュメンタリー。『いのちのはじまり』



淡々と、いろんな赤ちゃんや親やそれを取り巻く環境が出てくる。
専門家の話も間に挟まれて。

子どもが少なくなって、育ちにくい育てにくいと言われるこの頃。
そんな世の中にこの映画は意義のある語りかけが出来てると思う。

いろいろな言葉や状況があったけれど、私の心に残ってるのは
アフリカでは子どもを一人育てようと思ったら、一つの村が必要って言われてる。
と言う言葉。
お母さん一人で育てるんじゃない。みんなで育てるものが子どもだって。

とにかく子どもたちは可愛いし、いろいろ納得できる共感できることに満ち満ちています。
この映画、いろんな産婦人科や助産院など妊婦さんが来るところ、小さな子どもを持つ親が来るところで上演されたら良いのになあと思う。
できるだけたくさんの人に観て欲しい。
小さな映画館だけじゃなくて、もっと長くいろんな所で上映して欲しい。

機会があったら観てみてください。是非!
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