明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

桐箱  


先日建設会社のMさんからいただいたブツは、土埃を落とさないため、なるべく触らないようにしているが、 このまま置いておくわけにもいかない。このブツには相応しいと、桐箱を用意することにした。茶道具の、茶碗用の桐箱が丁度良いので注文する。届いたら蓋には、墨でドコソコのナニだと書くことにする。なるほど、骨董店でときおり見かけるおかしなものは、私みたいな人間が、桐箱に入れて喜んでいた物なのだなと思ったのであった。 このブツはMさんの会社が担当している建築物ではなく、大学時代だかの友人にお願いして、いただいたものである。先日K本でお会いしたおり、Mさんの会社といえば、これまた歴史的な建造物のあそこじゃないですか、と調子に乗っていってみると、後輩にドアノブを持って来いといってあるという。後輩には「頼みますよ、バレたら私ヤバイんですから」といわれたらしいが「大丈夫だよ、“俺”はもうすぐ定年だから」と笑っていた。そのことを母と電話で話すと、あそこで結婚式をあげた、という。式の直前、階段で、祖父から父に大事にしてもらいなさい、といわれ、母は泣いてしまったそうで、なんでこんな所でそんなことをいうの、とタイミングの悪い祖父は祖母に叱られたそうである。祖父があの顔でそんなことをいったのかと思うと可笑しいが、祖母に叱られているところを想像してさらに笑えた。当日の様子は知人が写真に撮っていたそうである。家にある昔の写真は一通り見ているはずだが、結婚式の写真だけは見たことがない。それをいうと母はそうだった?と惚けていた。
アダージョの次号の特集人物は、八月にとっくに入っているのに、いまだに二人の候補がでているだけで決まっていない。しかし編集長からは、70パーセントYだと聞いているので、図書館に行き、評伝の類を読む。すでにネットで写真集も落札していて、もう一人の候補は考えないようにしている。Yに決まれば、それはやりがいがあることは間違いがないが、例によって現在の東京の、都営地下鉄駅周辺で背景を用意しないとならないと考えると頭が痛い。

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