明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


骨董商のMさんより近くを通ると連絡。人形を入れるのに良さそうな箱がある、というので永代通りに止めたバンに乗り込む。まるで良からぬ物の取引である。いくつかある箱のうち、サイズが丁度良い物を一つ選ぶ。こういう木材の古び方は、作ろうと思っても、日常使っていた物にはかなわない。そういえば昔、イギリス製のレインコートを買い、父に着させてくたびれさせ、5、6年後に取り返そうと企んだことがあるが、父はすっかり忘れて、色が明るすぎる、といって妹のイタリア系アメリカ人の旦那にあげてしまった。こういうことに父親を利用してはいけない。 その妹の長男がサンフランシスコ・シンフォニー・ユース・オーケストラに合格したと連絡。私がその昔、チャーリー・パーカーにのぼせて、リコーダーしか吹いたことがないのにアルトサックスを入手し、長らく放置していた物を、サックスをやりたいという甥っ子にあげたのが、ついこの間のような気がするが、今ではクラリネットを吹いている。 チャーリー・パーカーといえば、最近YouTubeで始めてみるフィルムを観て驚いたばかりである。昔、唯一残るフィルムだというので、デイジー・ガレスピー等と『ホット・ハウス』を演奏するのを映画館まで観に行った。今回見たのはスタジオで撮影されたものだったが、いつ発見された物か、ジャズ界の出来事には疎くなってしまった私はただ驚いた。 YouTubetといえば、最近周囲で盛り上がっていたのは『スーダラ節』にあわせて『スリラー』を踊るマイケル・ジャクソンであろう。ジーン・ケリーもあるが、違和感の面白さでは比べ物にならず。

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